一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

NHKドラマ『透明なゆりかご』 ……清原果耶の演技力と存在感に圧倒される……

2018年10月09日 | テレビドラマ


今年(2018年)の7月~9月期のTVドラマでは、
テレ朝『ハゲタカ』(綾野剛、沢尻エリカが出演していたから)
フジ『グッド・ドクター』(上野樹里が出演していたから)
TBS『チア☆ダン』(石井杏奈が出演していたから)
TBS『この世界の片隅に』(映画とどう違うのかを確かめたくて)
などを観ていたのだが、
最も感動し、印象に残っているのは、
NHKドラマ『透明なゆりかご』であった。


原作は、
20~30代の女性を中心に圧倒的な共感を呼んでいる沖田×華の漫画。


一見、ほんわかした雰囲気の漫画に見えて、


内容はかなりシリアスで、
町の小さな産婦人科医院を舞台に、
ひとりの感性豊かな少女の目線で、
“命とは何か”を問い、見つめてゆく物語。
主演は、これがドラマ初主演となる清原果耶。


とにかく、この清原果耶の演技が素晴らしかった。


『透明なゆりかご』というドラマには、
看護助手のアルバイト・青田アオイを演ずる清原果耶の他、
「由比産婦人科」の院長・由比役の瀬戸康史、


看護師長・榊役の原田美枝子、


看護師・紗也子役の水川あさみなどが出演していて、


毎回、ゲスト出演する俳優もいるのだが、


若干16歳の清原果耶は、
それらベテラン俳優たちにまったくひけをとらず、
互角に、いや、それ以上に渡り合い、
毎回、感動させられるのだ。



【清原果耶】(きよはら・かや)
2002年1月30日生まれ。16歳。(2018年10月現在)
女優、ファッションモデル。
大阪府出身。アミューズ所属。
2014年10月、
12歳(中学1年生)の時にアミューズが開催した新人発掘イベント「アミューズオーディションフェス2014」で、3万2214人の中からグランプリ及びポイント賞を受賞。
2015年9月からNHK連続テレビ小説『あさが来た』にレギュラー出演し、
女優としてデビュー、女中・ふゆ役を演じて注目を集める。
2016年3月から放送の『放送90年 大河ファンタジー 精霊の守り人』で、
綾瀬はるか演じるヒロイン・バルサの少女期を演じる。
2016年4月より放送のTBS系『毒島ゆり子のせきらら日記』、
2016年7月からのTBS系『死幣-DEATH CASH-』に出演。
2017年には、
約500人が参加したオーディションを勝ち抜いて映画『3月のライオン』に出演、
川本ひなた役を演じて迫真の“泣きの演技”で注目を集める。
2018年7月から放送の『透明なゆりかご』(NHK総合)でドラマ初主演を務める。



私が初めて清原果耶を素晴らしい女優として認知したのは、
映画『3月のライオン』においてであった。
その後編のレビューで、
映画『3月のライオン 後編』 ……後編でひときわ輝いていた清原果耶……
と題し、清原果耶を絶賛する記事を書いた。
そこで、私は、次のように記している。



『3月のライオン 後編』を見て、
前編ではそれほど良さに気づかなかったが、
後編を見て、その魅力に気づかされた女優がいる。
川本ひなたを演じた清原果耶である。


どこかで見た女優……と思っていたが、
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016年12月17日公開)という映画で、
ヒロイン・小松菜奈が演じる福寿愛美の中学生時代を演じていたのを思い出した。

『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を見たとき、
小松菜奈と雰囲気が似た子をよくキャスティングしたなと思っていたのだが、
清原果耶のブログを見ていたら、昨日(4月26日)の記事に、
小松菜奈によく似た写真が掲載されていた。


この度、
映画「ちはやふる −結び−」に
出演させていただくことになりました。
映画オリジナルキャラクターで、新と同じ藤岡東高校に通う、現役準クイーン・我妻伊織役を演じさせていただきます。
もともと原作が大好きだったので
「ちはやふる-結び-」に出演できることがすごく嬉しいです。
映画のオリジナルキャラクターとして出演させていただくので
前作とは違った新しい色をこの作品につけられるように頑張ります。
2018年に公開です!
是非劇場でご覧ください。


と書かれてあったので、
来年公開予定の『ちはやふる −結び−』が俄然楽しみになってきた。
今年(2017年)は、『ユリゴコロ』(9月23日公開予定)も控えており、
主役・美紗子(吉高由里子)の若き日を演じるとのことなので、こちらも楽しみ。

CM(三井のリフォームストーリー~屋上篇~/~階段篇~)では、歌声も披露しているね。


若手女優では、今、
広瀬すず、石井杏奈、小松菜奈に注目しているが、
その中に清原果耶も加わった感じだ。
私(の個人的見解)としては、『3月のライオン』は、
清原果耶が出演していた作品、
清原果耶と出逢った作品として記憶されるであろう。




……だから、清原果耶には注目していたし、
初主演ドラマには期待していた。
『透明なゆりかご』での彼女の演技は、
私の期待をはるかに上回っていたし、驚嘆させられた。


『透明なゆりかご』の最終回直前、
彼女は自身のブログに次のように記していた。


みなさん、こんばんは。
今日 9/21(金) 夜10時から
「透明なゆりかご」最終回が放送されます。
ついに、最終回。
この作品に巡り会えた奇跡は
唯一無二の存在になりました。
撮影中、
思い描く理想と 現実の差に
たくさん悩んで頭を抱えて
それでも 伝えたい
伝えなきゃいけない
私に出来ることって。なに。
私自身にたくさん問いかけました。
そして
アオイのこの言葉は
強く足を踏ん張らなければいけない時
私を支えてくれました。
尊く、儚い

言葉なんかじゃ温めきれない存在に
押し寄せる不安と
溢れる幸せを
胸に抱いて
少しずつ 進んで行きました。
きっと 今日もどこかで
輝く命が生まれて、
透明な命が消えてゆく。
それは
運命と言うと
とても虚しく切なく聞こえるかもしれません。
その輝く命が
濁る想いを重ねれば
その子は ふと見えなくなってしまう。
逆に
透明な命に
少しでも愛を注げば
その子は透明な子では無くなる。
生まれてくる命の温かさに
違いはなく、
当然のように全ての命が大切だということに
向き合わせてくれた
この作品は
本当に素晴らしいと思います。
無事に最終回を
お届けできるのは
たくさんの方々から支えていただいている
からこそ成し遂げられたことです。
NHK ドラマ10
「透明なゆりかご」の制作スタッフの皆さん
キャストの皆さん
この作品に携わってくださったたくさんの方々に心から感謝しています。
最終回。「7日間の命」
思い返すだけでこぼれてしまう想いを
そっと胸しまって
是非、今夜もテレビの前でお会いしましょう。
宜しくお願いします!
では。



このドラマを観ているときは、毎回涙を流していたのだが、
最終回のときには、嗚咽するほど泣いてしまった。
そして、もっと早くに、このブログで紹介しておけばよかった……と思った。


そう後悔していたとき、

『透明なゆりかご』第1回・第2回を、第73回文化庁芸術祭へ出品することになりました。それに伴い、下記日程で再放送を行います。
10月10日(水)※9日火曜深夜
午前1時40分から2時24分 第1回「命のかけら」
午前2時34分から3時28分 第2回「母性ってなに」


という情報がNHKのHPに載った。
で、この機会に、このブログでも紹介しようと思った。


第1回「命のかけら」
1997年・夏。アオイ(清原果耶)は、
看護師見習いとして「由比産婦人科」へやって来た。
いきなり中絶手術の現場を目撃して衝撃を受けるが、
はじめて出産にも立ち会い、産まれて来る赤ちゃんの生命力に心を揺さぶられる。
院長の由比(瀬戸康史)、看護師の紗也子(水川あさみ)・榊(原田美枝子)らが、
妊婦ひとりひとりに向き合う中、
田中良子(安藤玉恵)という女性が訪れる。
彼女はいわゆる未受診妊婦で、出産直後に失踪してしまう……


第2回「母性ってなに」
アオイ(清原果耶)は、出産直後の赤ん坊が医院の表に捨てられているのを発見する。
由比(瀬戸康史)らの必死の処置で赤ちゃんは一命を取りとめ、
アオイがお世話をすることに。
その愛くるしさにアオイは知らず知らず愛情を抱いていくが、
紗也子(水川あさみ)に「あまり入れ込まない方が」とたしなめられる。
一方、菊田里佳子(平岩紙)という妊婦が、妊娠を継続すべきか悩んでいた。
彼女は、無理に出産すれば失明する恐れがあったのだ……




本当は、全回(第1回~第10回)観てもらいたいのだが、
第1回と第2回だけでも、このドラマの良さが解ってもらえると思う。
10月10日(水)の午前1時40分からの放送であるが、
10月9日(火)の深夜であるので、間違えないようにね。
誰もが寝ている時間帯なので、録画してでも、ぜひぜひ。

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