一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

両子山

2007年04月26日 | その他・佐賀県の山
今日は仕事は休みだったものの、午前中に用事があった。
その用事を済ませたのが正午近く。
この時刻からだと遠くの山には行けない。
と言うことで、地元の山「両子山」(366m)に登ることにした。
この山はかなり上の方まで車で行けるが、それではツマラナイので、麓のバス停から登ることにした。
新緑を楽しみながら、ゆっくり登る。
珍しい植物は少ないものの、植物種は豊富だ。

デジカメで草花の写真を撮っていると、農家の老夫婦から話しかけられた。
山の話や、植物の話をする。
老夫婦の顔を見ているだけで心が和む。

山の中腹にミカン畑があり、そこからの眺めがすこぶる良い。
天山から彦岳に至る稜線が美しく見える。

両子山は、中腹より上は、ほとんど展望がない。
だが、緑のトンネルが登山者を待っている。
私は緑のシャワーを全身に浴びる。
歓びにふるえる。

私のすべてが緑に染まってしまったような気がした。



途中には植林帯もある。
だが、この新緑の季節は、その植林帯でさえも魅力的な緑の空間に変える。
光が木や草の葉の上を飛び交い、私は目眩をおぼえる。

しばらくすると、官能的な匂いが漂ってくる。
草の匂いだろうか?
木の匂いだろうか?
土の匂いだろうか?
それとも光の匂いだろうか?
「山の匂い」としか呼びようがない不思議な匂いに、私は包まれる。

私のすべてが山に包まれてしまったような気がした。



下山途中、ミカン畑より両子山を見る。


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