一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『白鍵と黒鍵の間に』 ……池松壮亮と仲里依紗が好い冨永昌敬監督の傑作……

2023年12月01日 | 映画


本作『白鍵と黒鍵の間に』を見たいと思った理由は二つ。

➀冨永昌敬監督作品であること。


冨永昌敬監督作品とは、『パンドラの匣』(2009年)で出合った。
……世間から隔絶しているユートピアで存分に遊ぶ……
とのサブタイトルを付してレビューを書いたのであるが、その一部を引用する。

さてさて、その『パンドラの匣』であるが、期待以上の出来で、大満足の作品であった。
傑作と言ってもいいでしょう。
私的には、この『パンドラの匣』を、『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』よりも上位に置く。

『パンドラの匣』は、1945年10月から1946年1月にかけて、東北地方のブロック紙【河北新報】に連載された新聞小説で、他の太宰治作品とは違って、ポジティブな世界観が伺えるサニーサイドの作品。

日本が太平洋戦争に負けた年、
結核療養のため人里離れた健康道場に入った青年・ひばりは、
年齢や境遇も異なるキャラの立った仲間たちに囲まれ、
「新しい男」になることを目指す。
竹さんとマア坊――生命力に溢れた二人の看護婦さんへの甘酸っぱい気持ちや、
結核による突然の仲間の死などなど、
日々の心の揺れを、
親友宛ての手紙にこまめに書き続ける。



ひばり役は、オーディションで主役を勝ち取った染谷将太。
17歳(撮影時16歳)とのことだが、もう少し年齢が上の男優がよかったような気もする。
初々しさはあるが、太宰特有の軽みやふてぶてしさなどは、10代の俳優では難しい気がした。
役としては、十分及第点ではあるのだが……



ひばりを贔屓にしてくれる看護婦長・竹さん役は、芥川賞作家の川上未映子。
この作品でのキャストで、もっとも良かったのがこの竹さん役。
川上未映子、素晴らしいです。
存在感もピカイチ。
なんともアンニュイなセリフの言い回しや表情に、既成の女優には出せない味があり、とても魅力的だった。
この作品で、今年1月に「キネマ旬報新人女優賞」を、
3月に「おおさかシネマフェスティバル新人女優賞」を受賞したのは、しごく当然。



なにかとひばりに小悪魔的な行動をとりがちな看護婦・マア坊役に、仲里依紗。
金歯(懐かしい~)がチャームポイントで、笑うと金歯がキラリと光る。
少女と大人の女のちょうど真ん中あたりの、何を考えているのか解らないような、難しい年頃の女の子を好演。
このマア坊役の仲里依紗も、ドンピシャのキャスティング。



ひばりの親友で、詩人のつくし役は、窪塚洋介。
小説では、つくしではなく、別の親友に書く手紙が骨格になっているが、
映画では、このつくしに書く手紙の内容(ナレーション)で、ストーリーが進んでいく。
道場の屈折した心情の持ち主が多い中、凛々しい青年の役を爽やかに演じている。



その他、小田豊、杉山彦々、ふかわりょう、洞口依子、ミッキー・カーチスなども好い演技をしていた。


アウトドア誌『フィールドライフ』などで活躍しているKIKIが友情出演しているのも嬉しかった。(右から2人目)


特筆すべきは音楽。
担当しているのは、アバンギャルド・ジャズからダンス・ミュージックまでカバーする鬼才・菊池成孔。
最初から最後まで、この作品における音楽の役割は重要だ。
いつまでも浸っていたいと思わせるメロディは、さすがだ。

それに衣装。
若い世代に人気のシアタープロダクツが担当。
看護婦たちの衣装は、あえて時代考証を外して可愛さを優先したとか。
古さ、懐かしさを残しつつも、現在にも通じるおしゃれなレトロ・モダンなファッションはさすが。



冨永昌敬監督が脚本も担当しているが、この脚本も素晴らしい。
スピーディでポップ。
なんといっても、
「やっとるか。」
「やっとるぞ。」
「がんばれよ。」
「ようし来た。」
という、原作通りの掛け合いが秀逸。
リズミカルで心地よい雰囲気がずっと続く。



世間から隔絶しているこの健康道場は、ある意味「ユートピア」といえる。
その内側がいかに過酷であろうとも、外部と遮断された内部は、文学的にとても魅力的な空間だ。
太宰治と同じく無頼派の坂口安吾は、『黒谷村』などで田舎の村を舞台に、
田中英光は、『オリンポスの果実』で船の中を舞台にユートピアを創り上げている。
ウィリアム・ゴールディングは『蠅の王』で南海の孤島で、
イエールジ・コジンスキーは『異端の鳥』で異国の村々で、
大江健三郎は『芽むしり仔撃ち』で山奥の村で、
村上龍は『コインロッカー・ベイビーズ』で廃墟で、
文学的ユートピアを構築した。
太宰治もまた『パンドラの匣』で、文学的ユートピアを創っていたのだ。
死と隣り合わせにいながらも、患者や看護婦をお互いあだ名で呼び合う健康道場は、太宰治にとっての理想郷だったのかもしれない。
そのユートピア小説『パンドラの匣』は、映画監督・冨永昌敬によって、見事に映像化された。
我々は、映画を見ることによって、このユートピアで存分に遊ぶことができる。
実に贅沢な時間だった。
94分という上映時間も、長すぎず短すぎず、ちょうど好い。
このレビューを書いていたら、またこのユートピアに行って、川上未映子と仲里依紗に逢いたくなった。
傑作だけど、一度見たら十分という作品が多い中、
何度でも見たくなる映画に、久しぶりに出逢った。



もう映画館で見る機会はないと思うので、DVDが出たら、ぜひぜひ。
まずは、この「予告編」で。(この予告編もなかなかです)



長々と引用したが、
このときも「傑作」と思ってはいたのだが、
あれから10数年が経ち、
年々、私の中で『パンドラの匣』の評価は高くなり、
今では「大傑作」という印象に変化してきている。
なので、冨永昌敬監督作品はいつも気にかけているのだが、
その後の『ローリング』(2015年)はイマイチだったが、
『素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018年)は素晴らしく、
このレビューでも、

冨永昌敬監督作としては、
『パンドラの匣』(2009年)が好きで、
最高傑作と思っていたが、
ここに新たな代表作『素敵なダイナマイトスキャンダル』が誕生した。


と記し、絶賛した。(コチラを参照)
『パンドラの匣』の公開時はまだ「一日の王」映画賞は創設していなかったが、
『素敵なダイナマイトスキャンダル』の方は、
第5回 「一日の王」映画賞・日本映画(2018年公開作品)ベストテンにおいて、
作品賞で第4位に選出し、
主演男優賞に、
柄本祐(『素敵なダイナマイトスキャンダル』『きみの鳥はうたえる』)を選出した。
さほどに高く評価する冨永昌敬監督の新作ならば見たいと思った。



➁仲里依紗が出演しているから。


私は、現在、佐賀県に住んでいるが、
出身は、長崎県佐世保市で、
大学進学のために上京するまでの18年間は、佐世保市で過ごした。
なので、原田知世、仲里依紗、川口春奈などの長崎県出身の女優はいつも気になるし、
応援したいという気持ちがある。
彼女たちの映画やTVドラマの出演作はいつもチェックしているし、
番宣で出演しているバラエティー番組などもなるべく観るようにしている。


仲里依紗を、スクリーンで初めて目撃したのは、
吉田恵輔監督作品『純喫茶磯辺』(2008年)であったが、
将来性豊かな女優として認知したのは、
『パンドラの匣』(2009年)マア坊役
『時をかける少女』(2010年)主演・芳山あかり役
『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』(2010年)ゼブラクイーン/相原ユイ役
の3作においてだった。(タイトルをクリックするとレビューが読めます)
特に、三池崇史監督作品『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』での仲里依紗は衝撃的で、


そのレビューで、私は次のように記している。

映画が始まり、いきなり黒のボンデージ・ファッションに身を包んだ仲里依紗が歌い、踊りまくる。
これで一気にゼブラクイーンに惹きつけられる。

【♪ゼブラクイーンのテーマ】
ゼブラシティのスーパーアイドル・ゼブラクイーンは、とにかくカッコイイ!
このライブ映像の部分は、安室奈美恵のPV(プロモーション・ビデオ)を手がける久保茂昭が監督しているという。
どうりで凄いワケだ。
最近の凡庸なミュージシャンが束になってかかっても太刀打ちできないほどの出来。
この作品の非凡なところは、まさにこの冒頭の部分あると言えるだろう。
このゼブラクイーンのライブ映像を見せられたことで、その後の物語がすべてゼブラクイーンのPVの一部のように思えてしまうから不思議。
正直、物語の部分はつまらないのだが、仲里依紗のPVの一部だと考えれば、腹も立たないというワケだ。

【ゼブラクイーンの「NAMIDA~ココロアバイテ~」】
こんなことを言っては哀川翔に申し訳ない気がするが、今回の作品に限っては、主役は仲里依紗であった。


その輝き度は、ゼブラクイーンが、ゼブラーマンを、遥かに凌いでいた。
これは、私だけでなく、見た者すべてが抱く感慨だと思う。
監督の三池崇史も、その点は意識していたのではないだろうか?
演出にもカメラワークにもそれが感じられたからだ。
実際、仲里依紗が出ている場面と出ていない場面では、違う作品ではないかと思うほど、その落差が大きかった。

それにしても……
それにしてもだ。
『パンドラの匣』でキュートな看護婦を演じ、
『時をかける少女』で可憐な女子高生を演じた仲里依紗が……
なんとも凄まじい変貌だ。



仲里依紗の女優魂が半端ではないことを証明してみせた驚きの一作であった。
これからどんなものを見せてくれるのか、益々楽しみになってきた。


2010年は、『時をかける少女』『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』の2作で、


第34回 日本アカデミー賞 新人俳優賞、
第23回 日刊スポーツ映画大賞 最優秀新人賞、
第20回 東京スポーツ映画大賞 最優秀主演女優賞、
第25回 高崎映画祭 最優秀主演女優賞など、
新人賞や主演女優賞を総なめ。
仲里依紗の時代がやってきたことを実感させられた。



その後、
映画『時をかける少女』で相手役を務め、
TVドラマ「つるかめ助産院」で再共演した中尾明慶と、
2013年3月21日に結婚を発表し、4月18日に婚姻届を提出。
同年10月4日、第1子となる男児を出産した。
母親となっても、映画、TVドラマなどで女優として活躍し、
2020年4月1日には、YouTube公式チャンネル『仲里依紗です。』を開設。
同年12月には登録者数100万人を突破し、(2023年12月現在の登録者数は192万人)
ユーチューバーとしても才能を発揮している。


そんな仲里依紗の出演している新作映画なら見たいと思った。


主演は、池松壮亮で、(1人2役を演じているとか)
仲里依紗の他、森田剛、高橋和也、クリスタル・ケイ、松尾貴史、佐野史郎、洞口依子など、
個性豊かな俳優たちも出演している。


今年(2023年)の10月6日に公開された作品であるが、
佐賀では(いつものごとく)遅れて11月24日から(12月7日まで)公開された。
で、ようやく見ることができたのだった。



昭和63年の年の瀬。
夜の街・銀座では、ジャズピアニスト志望の博(池松壮亮)が、
場末のキャバレーでピアノを弾いていた。
博はふらりと現れた謎の男(森田剛)にリクエストされて、
“あの曲”こと「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を演奏するが、
その曲が大きな災いを招くとは知る由もなかった。


“あの曲”をリクエストしていいのは銀座界隈を牛耳る熊野会長(松尾貴史)だけで、
演奏を許されているのも、
会長お気に入りの敏腕ピアニスト、南(池松壮亮、二役)だけだった。


夢を追う博と、夢を見失った南。
二人の運命はもつれ合い、
先輩ピアニストの千香子(仲里依紗)、


銀座のクラブバンドを仕切るバンマス・三木(高橋和也)、


アメリカ人のジャズ・シンガー、リサ(クリスタル・ケイ)、


サックス奏者のK助(松丸契)らを巻き込みながら、


予測不可能な“一夜”を迎えることになる……




原作は、
ミュージシャン・南博の回想録「白鍵と黒鍵の間に ジャズピアニスト・エレジー銀座編」。


【南 博】(みなみ ひろし)
1960年5月15日生まれ。東京都出身。63歳。(2023年12月現在)
ジャズピアニスト、作曲家、エッセイスト、文筆家。ピアノ教室も主催している。
音楽高校のピアノ科に在籍していた頃に、
キース・ジャレットの『フェイシング・ユー』(1971年)を聴いたことが、
ジャズに関心を抱くきっかけになった。
高校卒業後、半年ばかり宅孝二に師事。五反田にあった宅の自宅に通っていた。
1986年、東京音楽大学器楽科打楽器専攻卒業。
1991年、バークリー音楽大学作曲パフォーマンス課程卒業。
綾戸智絵トリオを経て、
近年は、イーストワークスエンターテインメントよりアルバム作品を発売しており、
ジャズサキソフォン奏者である菊地成孔との共演、共同制作も多い。
デンマークのジャズトランペッター、カスパー・トランバーグとの親交でも知られる。
オフィシャルサイトに掲載していた日記が小学館より『白鍵と黒鍵の間に』として発売され、
福田和也が激賞したことから、エッセイストとしても注目を浴びている。



この「白鍵と黒鍵の間に ジャズピアニスト・エレジー銀座編」を、
大胆にアレンジして映画化したものなので、
予備知識なしで見ると、よく判らない。(笑)
昭和末期の銀座を舞台に、
二人のジャズピアニストの運命が交錯し、
大きく狂い出す一夜を描いたドラマ……と解説してあるが、
この二人(博と南)は同一人物で、
南博という人物の3年前と、3年後を同時に一夜の物語として描いているのだ。
同じ人間の違う年代を一晩で描き出すというアイデアは、
どうして生まれたのか?

題材としては青春時代の回顧録なので、普通にやったら青春映画になるんです。ただ、エピソードも多いし年月も経過するので、一冊そのままやろうとすると連続ドラマくらいの尺になる。
(中略)
映画の構成として年代記のような見せ方もありますが、それはもう『素敵なダイナマイトスキャンダル』(2018年)でやったので今回はいいかなと。年月を語っていくことで“変身”を見せるのは、『素敵な~』のときは末井昭さんの話だからふさわしかった気がするんです。南さんの場合は、ずっとピアノの前で仕事をしている人なので、ある瞬間とある瞬間(3年前のある日と3年後のある日)だけでいいんじゃないかと。それで、一晩の話に3年前の自分と3年後の自分が出てきて両方が影響し合うといった構成にしました。
(中略)
3年前の名前が博で3年後の名前を南としていますが、最初は同じ南という名前で、シーンごとに3年前と3年後を繰り返す回想形式だったんです。だけど全てのシーンが夜なので、3年前も3年後も同じ日に見える。それだったらもう同じ晩にしてしまえと。これ、ややこしいんです。説明しててもこんがらがってくるんですけど(笑)。(「CINEMORE」インタビューより)

こういう映画だと知ってはいても、見ているとこんがらがってくる。(笑)
最初は、ここは3年前、ここは3年後……というように、確認しながら見ていたのだが、
面倒くさくなり、(コラコラ)
途中からはどうでもよくなり流れに身を任せながら見ていた。(爆)
音楽映画であり、ファンタジー映画であり、スリラー映画であり、コメディ映画でもあり、
昭和レトロな映画でもある。
本作では、「ノンシャラントに」という言葉が幾度となく出てくるように、
「ひとつに凝り固まらない」「自由奔放な」「何でもあり」の映画なので、
ジャズセッションを聴くように鑑賞するのが正解なのかもしれない……と思った。
それができない人は、そして、冨永昌敬監督がどういう監督か知らない人は、
ひとり取り残されたような、置いてけぼりを食らったような気分を味わうことになり、
本作に低評価を下すことになると思う。
そうはならずに、私が「傑作」との判断を下したのは、
『パンドラの匣』『ローリング』『南瓜とマヨネーズ』『素敵なダイナマイトスキャンダル』
などを鑑賞してきて、理解できる下地があったからかもしれない。
そういう意味では、かなり難しい映画ではあったと思う。


本作を見ていて、驚かされたのは、
池松壮亮がピアノを弾くシーンが、ちゃんと(指まで)描写されていたこと。
……ということは、実際に弾いていたということ?
調べてみると、池松壮亮は中学生くらいの時に習っていたそうで、まったくの素人ではなかったようだ。


当初は(レッスンを担当していた)魚返くんが弾いた音で吹き替えする予定だったのですが、「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を演奏するシーンでは、先生二人が「音も本人でいけるかもしれない」と言ってきた。本人は「まだちょっと自信がないです」と音を使うことは嫌がっていましたが、二人の先生は「全然大丈夫」と。だから「ゴッドファーザー 愛のテーマ」のシーンは、池松くんが実際に弾いている音を同録しました。(「CINEMORE」インタビューより)

と、冨永昌敬監督も語っていたが、
あれだけ弾ければ大したものである。
本人も相当努力したものと思われる。



一方、千香子を演じた仲里依紗は、ピアノ演奏について、(舞台挨拶時に)

難しいですよ。私は一応ピアノってWikipediaに特技って書いてあるんですけど、当てることしかしていませんから(笑)。良かったあ。あれ、削除しておいてほしいですね。弾けると思われちゃってるから。1回消しておいてほしいなって感じですね。

と微笑み、ピアノの練習はしたのか問われると、

当てる練習。弾いているふりを。エアギターみたいな感じですね。ちゃんと体で演奏している、上手に見せるように。だけど爪はギャルでした。

と明かして、キャストや冨永監督を笑わせていた。
〈いかにも仲里依紗らしいな~〉
と思ったことであった。(爆)
舞台挨拶では、こんな風におちゃらけていたが、
映画の中では、(髪を派手な色に染めることもなく)大人の女性をしっとりと演じており、
私の好きな仲里依紗がそこにいた。
冨永昌敬監督作品は、『パンドラの匣』(2009年)以来で、
あのときの金歯のマア坊役も良かったが、
本作の千香子も負けず劣らず良かったと思う。



アメリカ人のジャズ・シンガー、リサを演じたクリスタル・ケイ。
もうジャズ・シンガーと名乗ってもおかしくないほどの歌声に酔わされた。



銀座のクラブバンドを仕切るバンマス・三木を演じた高橋和也。
演技も良かったが、彼の弾くギターも素晴らしかった。



その他、
“あいつ”役の森田剛、


ヤクザの会長・熊野役の松尾貴史も、
絵に描いたようなアウトローぶりで笑わせ、すこぶる良かった。



冨永昌敬監督の『パンドラの匣』や『素敵なダイナマイトスキャンダル』を面白く鑑賞した人はもちろん、ジャズが好きな人、仲里依紗やクリスタル・ケイが好きな人にとっては、とても楽しい作品だと思う。
上記のどれにも当てはまらない人は、
(ネタバレを含めて)予備知識をイヤと言うほど頭に詰め込んで鑑賞されんことを……(笑)

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