私の前に、一包の乾麺がある。その名も「やせうま」という。
やせうまは大分の郷土料理で、形はきしめんよりもさらに平べったく少し厚い小麦麺だ。九州グルメ旅を楽しんだ名古屋のきしめんが、太ってしまったのが恥ずかしくてやせうまなる偽名でも使ったかのような風貌をしている。
一般的には味噌汁に入れて食べるらしいが、砂糖入りの黄粉で食べても旨いという。私は夕食にしようと思っているので、味噌汁にすることにした。まずやせうまを細かく割っていく。袋に書かれている時間だけやせうまを茹で、茹で上がればざるにあげて味噌汁を作る。せっかくなので豚汁にしてみた。肉とキノコをたっぷりと入れた豚汁に、やせうまを投入する。
やせうま。驚くほど水分を吸収する。ちょっと目を離した隙に鍋の汁がごっそりと減ってしまった。仕方がないので水を足す。なるほど鯨飲馬食という言葉があるが、喉がカラカラの馬のように水分を奪っていく。
夕飯。やせうまの豚汁と飯。そして漬物。実にいさぎよい夕餉だ。まずはやせうまを口に入れて、ゆっくりと噛んでみる。くにゅくにゅとした食感が面白く、きしめんよりも弾力がある。あれだけ味噌汁を吸っていたのに、まったくやせうまそのものからは味噌汁の味がしないのが不思議だ。
ところで『痩せ馬を噛む』ってことわざはあるような気がしませんか? 「この道ひとすじ五十年、痩せ馬を噛むような気持ちで邁進してきました」と言われると「おお、がんばったんだな!」と考えたりしません? そんなことわざは、ない!!!
やせうまは大分の郷土料理で、形はきしめんよりもさらに平べったく少し厚い小麦麺だ。九州グルメ旅を楽しんだ名古屋のきしめんが、太ってしまったのが恥ずかしくてやせうまなる偽名でも使ったかのような風貌をしている。
一般的には味噌汁に入れて食べるらしいが、砂糖入りの黄粉で食べても旨いという。私は夕食にしようと思っているので、味噌汁にすることにした。まずやせうまを細かく割っていく。袋に書かれている時間だけやせうまを茹で、茹で上がればざるにあげて味噌汁を作る。せっかくなので豚汁にしてみた。肉とキノコをたっぷりと入れた豚汁に、やせうまを投入する。
やせうま。驚くほど水分を吸収する。ちょっと目を離した隙に鍋の汁がごっそりと減ってしまった。仕方がないので水を足す。なるほど鯨飲馬食という言葉があるが、喉がカラカラの馬のように水分を奪っていく。
夕飯。やせうまの豚汁と飯。そして漬物。実にいさぎよい夕餉だ。まずはやせうまを口に入れて、ゆっくりと噛んでみる。くにゅくにゅとした食感が面白く、きしめんよりも弾力がある。あれだけ味噌汁を吸っていたのに、まったくやせうまそのものからは味噌汁の味がしないのが不思議だ。
ところで『痩せ馬を噛む』ってことわざはあるような気がしませんか? 「この道ひとすじ五十年、痩せ馬を噛むような気持ちで邁進してきました」と言われると「おお、がんばったんだな!」と考えたりしません? そんなことわざは、ない!!!
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