その夜、私は落語会が長引いてしまい帰りが午前様になってしまいました。
家のあるマンションのエレベーターに乗る私。自分の部屋のあるフロアの階数を押すとエレベーターはスーッと扉をしめてゆっくりと上っていくのです。この時、私はある違和感に気づきました。このエレベーターは防犯などの意味も含めて扉がガラス張りになっており外の風景も見えるのですが、上がっていく途中にあるフロアが真夜中だというにまるで照明がついていない。まっくら。
おや、管理人さんが照明を付け忘れたのかな? しかしこういうのは自動で照明がつくのではと訝しんでると急にエレベーターが停止したのです。あれ? ここは私が降りる階ではないぞ。おまけに扉も開かないし、エレベーターの明かりがゆっくりと消えていく。さすがにこれはおかしいぞ。エレベーターのボタンを連打する私が前かがみになった途端、誰かの手が私の尻に触れた。
ぎょ、っとした私が後ろに手を回すとそこに人間の頭があったのです。
エレベーターに先客がいたのか? 私が慌てていたから、私の尻のところに頭があるくらい小さな子供だから気が付かなかったのか? そして一番怖いのはこんなに私がペタペタ頭を触っているのに何故この子は何も反応しないのか? 怖くなった私は振り向くにも振り向けず子供の頭に手を置いていたのですが、その手首を急に強い力で掴まれたのです!! ああっ。
……と、ここで目を覚ましました。なんだ夢か……。そうだよな、落語会って別に私は別に落語家でもないしエレベーター付きのマンションにも住んでいない。夢って夢と認識しないとそれを現実のように認識してしまいますよね。まったくリアリティのある夢だったなあ。首をもたげて時計をみれば0時20分すぎ。一度トイレに行ってまた寝直すか。と起きようと
あれ? 誰かに手首掴まれてるぞ?(続)