at randomで行こう!

手当たり次第に読んだ本、食べ物、旅行記など兎に角好き勝手に話します。

こんな所行ってみた・ラファエロ

2013-04-03 21:54:45 | 旅行

 強行軍でしたが、お江戸までちっと行ってきました。

 なんかもう天気が寒いだの暑いだので、桜も咲いてはいるけれど…もう散りそうな感じの上野でございました。
 寒暖の差が激しいと大変ですよ、老体には(笑)

 史上初、といわしめたラファエロ23作が集まった本展覧会。
 これだけの数が一同会するのはおそらく本国イタリアでもない、とのこと。

 イタリアへ実際行くことに比べれば―(笑)と考えると、お安い話です。
 入館料は当日券、大人1500円(常設展も見ることが出来ます)
 

 イタリアでもフランスでもラファエロの絵画にはお目にかかった、と思いますが…じっくりと見たのは初めてかもしれません。
 
 持ち出せるサイズ、ということで意外と小さな絵画が多かったです。
 個人宅に飾られていたものが多かったのだと思います。

 教会関係のものは、多分サイズが大きすぎるのと…フレスコ画だと持ち運ぶことが出来ないからだと思います。

 
 
 今回、行くにあたって色々ブログを見たりしていたら…すごーく混んでいるから覚悟してください、みたいな記事が一杯…。
 しかも春休みの週末だし…多分とんでもない人だかりなのでは、と戦いてはいました。

 が、実際は…あれ?って感じでした(爆)
 待ち時間ゼロ。チケット売り場にも数人しか並んでない状態。
 ラッキーといえばラッキーか。

 週末だし…どちらかといえば、皆さんTDLだろう(笑)或いは、パンダか?
 

 勿論、中はそれなりに人が一杯いました。
 でも、静かでした。

 ルネッサンス1500年前後に活躍したラファエロは、37歳という若さで夭逝しています。
 大体20年間ぐらいの作家人生だったのではないでしょうか。
 その間、かなり精力的に活動していて、絵画を描くだけでなく、自分の絵を版画にしたりして本にしたり、やり手の商売人ぽいところもあったようです。

 ダヴィンチとミケランジェロのいいとこをまねて自分のものにした上に、更に二人にはない社交性もあったらしく、かなりお偉い方のご贔屓も多かったそうな。
 更に、当時のハンサムときている(笑)
 

  
 カトリックの勢力が強かった時代の作家なので、絵画も宗教的モチーフが多いです。
 だから、この時代の作品を見るためには、聖書の知識が必要だなぁ、とつくづく思います。
 でないと、何を意味しているのかさーっぱりわからん…。
 綺麗だなー、で終わるには勿体ないような気がするのです。


 勿論宗教画だけでなく、普通に肖像画も描いています。
 ある女性の絵で、なんだかこの構図がどこかでみたことあるなーと思っていたら、ダヴィンチの『モナ・リザ』と構図が全く同じ、との注釈がありました。
 あー、と納得(笑)

 
 
 今回の目玉は、『大公の聖母』。
 トップの絵画です。

 実はこの絵画の聖母子、視線がやや正面より左下、なんですね。
 
 大抵の絵画は正面かそれに近い視線なんですが…何故かこの絵は下。
 不思議に思って、下から見上げたり…。
 なんでもこの絵を生涯離さずに持っていた大公(フェルディナンド3世)は、寝室に飾っていたそうです。

 へー、と思っていたのですが…あー、成程ーと納得。
 
 朝起きて、目が覚めて見上げたら、そこにはこの絵があるってことかー。

 つまり、聖母子と目が合うってことかーって。

 勝手な想像ですけれどね。
 でも、こういう美しい絵に朝から出会えたら、嬉しいだろうなー、気持ちのいい朝だろうなーって思うんです。
 そりゃ、寝室に飾るよねーって。


 そんな風に色々考えながら回っていたのですが…ふと思ったのは、



『普通に見てるけど、この絵画ってもう500年前のものだよね!?』


 あまりにも綺麗で、あまりにも普通に置いてあるので、ぼーっと見ていたのですけれど…よくよく考えるともう510年ぐらい前の作品。

 この500年間の間、人類は多くの戦争をして、多くの命を奪って、多くの町を破壊してきて…そんなことを繰り返してきて…

 なのに、絵は残っている…。

 美しいものは、延々と存在している…。

 衝撃的な事実に、打ちのめされた感じがしました。

 人間は、愚かでどうしようもない存在だけれど…命も100年もないけれど…けれど、作り上げたものを残す力はあるんだなぁ。

 そう考えると法隆寺なんて…恐ろしい存在だよなぁ。
(この場合、聖徳太子が凄い、というべきかも)
 

 そんなことを思いながら、美術館の中をぶらぶらしました。
 常設展も見ながらも、この絵ももう100年前だなーとか。
 こちらも200年前だなー。
 受け継がれていくものは、そう多くはないけれど、人の心打つものは残るのだなぁ、と。


 
 私の好きなこちらの作品たちも、後世の人たちが、普通にずーっと見ることが出来たらいいな、と思いました。




 ルノアール作『帽子の女』


 
 モネ作『水連』
 
 

 

 

 
コメント (2)
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