ヒッキーはつむじ風!!

ヒッキーが観て気に入った映画を、ブログで紹介します。

「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」

2010-06-06 16:12:03 | Weblog
                       「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」
新宿武蔵野館にて。
監督・ジョニー・トー

ハード・ボイルドには何故か、夜の雨がよく似合う・・
そして何故か、香港、マカオが似合うと、Gメン'75の頃から決まっているのです(笑)

私はジョニー・トー監督作は初めてだったのですが、オープニングからド肝を抜かれてしまひました・・。
ネタバレありますのでご注意を!

ストーリー冒頭、マカオ在住と思われる幸せそうなフランス人家族がいきなり殺し屋に銃撃されます。

銃弾を体に受けながらも、奇跡的に生き残ったのは夫人(シルヴィー・テステュー)ひとりだけ・・。会計士の夫と子供二人は銃弾の餌食になってしまいます・・。

夫人は辛くも生き残ったものの、後遺症でベッドの上に横たわり、喉からチューブが入っているため“声”を失ってしまいます・・

そこへ、初老のフランス人の男が訪ねてきます。
フランス本国から来た夫人の父、フランシス・コステロ(ジョニー・アリディ)でした・・。

コステロは新聞の文字を使って声を失った我が娘と会話をします・・。
夫人は現場で倒れながらも犯人たちの行動を見ていたのでした・・!
「犯人・・・三人・・耳・・・」
どうやら夫人が逆襲で放った銃弾で犯人の一人が耳に傷を負ったことが解ります・・。
「Vengeance・・」復讐・・の文字を夫人は指差すのでした・・。

ここからコステロは、復讐の鬼と化すのですが、異郷の地で自分一人では無理だということをコステロは知っていました。

“毒をもって毒を征す”
コステロはクワイ(アンソニー・ウォン)、チュウ(ラム・カートン)、フェイロク(ラム・シュ)の殺し屋3人を“復讐”のために雇うことになります・・。

この辺からアブナい香りがムンムンしてきて、ハード・ボイルド好きにとってはたまらない展開となってきます(^^♪!

ストーリー的にはまぁ、ありがちな“復讐用心棒”的な展開なのですが、これがなかなか渋くてカッコイイんですよ~!!

ひとつは、マカオという地で、フランス人であるコステロは最初は当然フランス語を話すのですが、クワイたち中国人とコミュニケートするために、中国語は解らないので、フランス訛りのたどたどしい英語を使い始める・・。

一方、クワイたち殺し屋三人は、最初は当然中国語(この辺りは広東語ですか?)を使って登場するのですが、コステロとコミュニケートするために、フランス語は解らないので、片言の英語で話し始める・・

こういう点が、うやむやにごまかしていないので、不思議なリアリティがあるんですね~!

そこに、マカオ香港うらぶれた住宅・商店密集地の夜リアリティに拍車をかけるんですよ(^^♪!!

あと感じたのは、ジョニー・アリディもさることながら、アンソニー・ウォンという俳優さんの図抜けた存在感ですね。

私は彼の出演作を観たのはこれが初めてなのですが、銃を構えて立っているだけでこんなにサマになる俳優さんが東洋にいたことに驚きました!(私的には松田優作以来かもしれません)。
サングラスも似合うし(似合うから、夜にサングラスかけてもサマになる(笑)!
いまさらでスミマセンm(__)m。彼の出演作を遡って観たいと思っております。
一緒に観た連れは「あ~、あの三橋達也に似てる俳優さんでしょ」って(笑)そう言われれば似てるかも・・。

作品的には、終盤、埋立て地みたいな場所で撃ち合いしちゃうあたりから、西部警察っぽくなってきてしまって(笑)う~ん・・もったいないな~・・って感じがしました。

しかし、ハード・ボイルド好きな方にはたまらない1本であることは間違いありませんな(^^♪。



ひきばっち的満足度★★★☆
















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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
kobaっちさん こんにちは♪ (ひきばっち)
2010-06-08 09:51:18
最初ビビりましたよね~(笑)!
お年寄りには良くない「ドキッ!!」とする一発でしたよね~。いきなりなんだもの(笑)。

>背景のいかにもアジアチックな描写が印象に残りました

こういうハード・ボイルドにはどういう訳か「香港・マカオ」の裏町が似合うんですよね~。決して「東京」では出せない“カオス”のようなものがあるんですよね~。
これがジョニー・トー監督とアンソニー・ウォンたちの組んだ三作目ということなので、kobaっちさんも是非「エグザイル/絆」から観てみてください(^^♪。

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KLYさん こんにちは♪ (ひきばっち)
2010-06-08 09:35:38
レス遅くなり、失礼致しました。

>ジョニー・トー監督って漢たちを撮らせたら天下一品ですね

本当にカッコ良く撮る監督さんですね~(私は本作が初めてなのですが)。

方向性も狙いも全く違いますが、先日観た「プレシャス」が女性の出演シーンが多かったので、本作は「うわ~男臭せ~!」と、いい意味でぞぞっとしてしまいました(^^♪!

>今回結構邦題気に入ってるんですよ。なかなかカッコイイのつけたなぁって

いや、ホントに、カッコイイと思いました!
この題名に惹かれて観にいったといっても過言ではないっす(^^♪。
正直、以前の作品は、「エグザイル・・」という題名で観る気を失ったというところが本音です・・。
邦題って、大事なんですよね~・・!

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こんばんは (kobaっち)
2010-06-07 01:14:09
久々のハードボイルド作品でした。
結論からいうとおもしろかったです。
最初のシーン。ビビリ性の私としてはインパクト大で、これ最後までもつかな?と心配しましたがオッケーでした。
ストーリーありがちな復習劇でつっこみどころもちらほらあったんですが、それ以上に個々の
役者の演技が見事!背景のいかにもアジアチックな描写が印象に残りました。後引く作品です。
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Unknown (KLY)
2010-06-06 21:59:26
しっかしジョニー・トー監督って漢たちを撮らせたら天下一品ですね。立ち位置やポーズやカメラ位置なんかも綿密に計算してるんでしょうが、あの広場のシーンなんかホント最高。この人の映画って役者がただ映ってるだけでゾクゾクしちゃいます。
今回結構邦題気に入ってるんですよ。なかなかカッコイイのつけたなぁって。^^
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