旅するはらっぱ~日々旅日記

from HP 「旅するはらっぱ」


各地の各智を旅する、

はらみづほの旅日記です。

●生き延びるために ③ “自然”と暮す。

2011年11月19日 | ほっかいどう旅
●取材で、泊原発にも近い北海道の後志(しりべし)地方にある、
 島牧村の友人宅へ行ってきました。

友人の名は、木工品&家具作家吉澤俊輔くん(カノジョ絶賛募集中!)

(今回のブログ内で使用している写真のうち上手なものは、
 ほとんど俊ちゃんが撮影したものです。笑)

札幌の「みんたる」で出逢って以来しばらくぶりに
「ちゃいはな自給自足レッスン1学期終了式」で再会したのがきっかけで、
地方誌に彼の記事を書くお役目をいただいたのです。

「島牧は海沿いの村で風が強いので、
 自宅で風力発電を始めることにしたよ!」


と言う彼が風車の取り付け作業をするタイミングに合わせて、
休暇がてらその作業を手伝いに東京から飛んできた
木工修行時代のお友達、ノリさんと一緒に、俊ちゃん車で島牧村へ。


●島牧村の景色は、

「海も、広大なブナ原生林の山もある、すごくいい所なんだよ~」

という俊ちゃんの言葉から予想していた風景を上回る、
圧倒的な美しさ。

写真ではその素晴らしさのチョッピリしか
伝わらない気がしますが、とりあえずお裾分けをば。

◆向こうに見えるは、狩場山大平山


◆俊ちゃん宅の窓の外。雲の下、堤防の向こうは日本海。


◆ブナ原生林の山道で、ちょっとメタボな「エゾ雪ウサギ」ちゃんに遭遇!

◆そうかと思えば……

◆ウサギの天敵、キツネの足跡も見たり、

◆急速冷凍されちゃいそうに小さな体で
 雪の中を羽ばたく蛾に驚いたり、


◆雪に埋もれた山道を降りて

◆日本の滝百選の一つ、「賀老の滝」につながる千走川(ちはせがわ)を

◆真っ赤なナナカマドちゃんと一緒に橋の上から眺めたり、

◆雪の中の吊橋を揺らしながら、
 はしゃいだ子犬たちのように走って渡ったり、

◆あまりのパウダースノーぶりに、放射性物質の危険性も顧みず

◆ムシャムシャ雪を食べ 「おいし~!!!!!!」
 とコーフンしたり、

◆賀老の滝エリア限定名物、
 鉄分たっぷり炭酸水 「ドラゴンウォーター」 にありつくため、

◆足場のないスリッピーな雪の山肌を、
 木の根っこにしがみついたりしつつ川に向かって降り、

◆私をサポートしてくれた勇敢ボーイズを
 氷水の長靴浸水 で 「ヒョエ~!足が凍る~!」
 という憂き目に遭わせつつ、

 無謀なブーツ&スカート姿で水源到達を果たし、
 木工作家のお手製即席熊笹コップ
 めでたく名水を味わったり(笑)、

◆夢だった 「新雪ダイブ」 を実現したりしながら、

ヒトは私たちのみという状況の新雪のブナ原生林を3人で満喫して、帰宅。
(幸いクマは冬眠していたようです)

●俊ちゃんのお宅は、
 お隣は道の駅、目の前は日本海、という絶好のロケーションにある、
 30年以上続く 素敵なユースホステル


◆扉や内装はお父上たちのお手製、という
 ウッディな空間の片隅には、


◆父上作のスピーカーや、


◆これまた父上が焼いたという陶芸食器類、


俊ちゃんの木工作品の数々が








◆展示販売されいて、


◆別の一角には手打ち蕎麦道具や、


◆乾燥中の、自家採取した野菜の種も発見!


◆カッコイイ薪ストーブの上では、
 母上の手作りパンのみならず、


◆なんと海水が火にかけられていて、


天然海水塩づくりが進行中!



……という具合に、
筋金入りの 手作りライフ が
何とも自然な感じで行われているのです。

●俊ちゃんの作品の材料は、食器も家具も すべて道産材






●お料理の食材も島牧漁港直売の魚介類がメインで、
お米も島牧のオーガニック農家さんから調達しているそう。


野菜、山菜、塩、
パン・蕎麦・燻製・ヨーグルト・果実酒などの加工食品、
食器、家具、暖房燃料の一部
……と多岐に渡って、
自給自足&自家製品メインで暮している吉澤家。




◆このパスタ料理&お皿も、


◆このピザ&お皿も、


◆このスープ&お皿も、


◆このお蕎麦&そば打ち台も、




◆この 自家製にんじんのジュースも、

ぜ~んぶ俊ちゃんのお手製。


いよいよ電気も自家製で!…というわけで、

強い海風を利用した 「風力発電」 スタート!とあいなりました。

●黒松内からお手伝いに駆けつけてくれたきこり屋さんと、
遥々東京から来てくれたノリさんの助けを得つつ、
発電3兄弟は、冷たい海風の中ワシワシと設置場所を整地し、
束石(つかいし)を埋めた土台の上にオリジナルの木組み設置台を固定。



これなら強風が来ても安心。さすが木工のプロだね!

●この風車(名づけて『俊風号(しゅんぷうごう)?』)は、
最高毎時600Wもの発電が可能な、パワフル発電機。

●台湾製で、何とたったの約6万円だそう。

●発電に必要な、
ディープサイクルバッテリー、インバータ、チャージコントローラ
の3種とともに揃えても、¥10万以下で実現可能。


●近隣の寿都町からWEBプランナー(?)の幸所(こうしょ)さん
見学にやってきて、めでたく発電成功です。ヒャッホ~! 

●MAXで600W発電可能だから、
 使用電力10W以下のこのLEDなら、
 1時間に60個灯せるってことか~!

 私の10月の消費電力は10キロワットだったから、
 1時間600Wで計算すると……

・1日10時間使用するとして、600×10時間=6キロワット
・1ヶ月30日とすると、6キロワット×30日=180キロワット


 風車は夜も回ってくれるから、
 風さえ吹いてくれれば、私の場合は、
 今の18倍以上も電気が使えるってこと…?!

●最高で毎時100Wの発電量を持つ
私の畳半畳分の太陽光電池パネル夏の通常実績は、

・パソコン作動
・ミシン作動
・60W(使用電力12W)の照明1つ
・ケータイ充電


が、いっぺんに3時間~6時間可能だったので、

その6倍ものスタミナを持つということは、
風が強い日にバッテリーにたっぷり充電しておけば、
かなりの使いでが見込めるはず。

う~ん、太陽光発電もいいけど、
風が強い場所なら風車もいいね~!

見た目も美しいし、この小ささなら、
バードストライク低周波問題も心配なさそう。

この風車はきっと、島牧名物になるね~♪

風車なんて高くて大変そう! と思ってたけど、
実際はそう高くないことがわかったし、
彼らは説明書を読まず、絵だけを見て組み立てたとのこと。

自然エネルギーは 「案ずるより産むが易し」 なのですね(笑)

たとえ個人で 「太陽光電池パネル」 と 「風車」 を併用しても、
日当たりの良さと風がある程度強く吹く環境なら
15~20万円分ポッキリで快適生活が叶いそう。

島牧在住の個人がどんどんこれを実行すれば、
自治体を動かしたり、大金を投じて大規模発電したりしなくても、
ここは自然と自家発電村になれちゃうかもしれません。

●例えば、電気代月¥600台の私のライフスタイルからすると、
毎時600W発電はすでに余りある発電量なので、
「風が吹けば自ずと儲かる」 こと間違いなし。

「省エネ」+「風力」+「太陽光」などの
お手軽自然エネルギーSetを個人が楽しんで暮らしに取り入れ、
理不尽な原発電気を自ら脱する連鎖が始まったら、

原発反対! と叫んだり、
北電や自治体に掛け合って消耗したりしなくても、
経済は自ずとシフトされていく気がする。


いろんな運動・活動を経験して現実を知った今、

言葉より実行。
イヤなものは使わない。
自分の理想に、自分がなる。


それが一番だと、私は心から思うのです。


●それにしても、ちゃいはな生活に引き続き
ここでの暮らしぶりに触れて実感したのは、

「自然の恵みがあふれる場所に暮らし、
 その恩恵を素直に受け取り、楽しんで工夫すれば、
 いろんなものが自給できるようになるんだな」


ということ。

それは、
楽しくて、ラクチンで、お金がかからないこと。

自由で、健やかで、自分が豊かに広がること。



太陽、風、海、山、森、雨、大地、
そこに生きる、植物、動物、微生物のリンク……


それらを見つめ、感謝して活用するだけで、
お金の呪縛から、だいぶ自由になれる。

本当に大切なものを、自ずと感じ取れるようになる。

そんな気がしました。


「島牧は何もない田舎」 と言う人がいたけれど、

私はこのマイナーな土地にあふれる数々の宝が、
まぶしくてたまらなかった。

雲の動き、
  木々の揺らぎ、
    陽の光の移り変わり、
      動植物の息吹……


夢のように美しく神秘的なそれらを見ているだけで、
自分もその風景の一部になって、
いつまでも見惚れ続けてしまいそうで。

6年かけて世界各地を見たけれど、
私は北海道を、日本を、地球を、
まだまだ全然知らないんだなぁ……と思いました。


死ぬまでに可能な限り、たくさんたくさん、
地球の美しさを感じ、地球の神秘を呼吸し、

自分が地球の一部であることを実感して、

自分自身の自然を発見したいです。

●最後に、黒松内から風車設置ヘルプに駆けつけてくれた、
自称 「きこり見習いさん」 の賢いアクションを紹介します。


木こり・薪作り・薪販売がお仕事の彼は、
なんと以下のようなメールを北電に送り、

その結果、北電から丁重な連絡が入り、
2名の北電社員が連れ立って 「お話」 をしに
自宅まで出向いてきた
とのこと!

こののエキサイティングな顛末は、
彼のブログをご覧あれ!

●とにかく、このようなことを思いつき、実行した彼に拍手!

 私もマネしようと思ったけれど、電気代月¥600じゃ、
 相手も反応のしがいがないかもね~(笑)

 ふつうに電気代払ってるみなさん、
 以下の彼のメール文を参考に、ぜひマネしてみてください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~電気料金の支払い方法の変更についてです。

本日の御社、社長様の道議会特別委員会での答弁の一部を
拝見いたしました。

残念ながら北電ユーザーとして納得のいく答弁とは言い難く
失望の感は否めません。

そこで小さいながら 「抗議」 の意を込めて
電力使用料金の支払い方法を変えたいと思いまして
メールいたしました。

他の一般の企業であればそこの商品、サービスなどの不買や
ライバル企業への乗り換えをすることが出来ます。

また、議会議員であれば選挙やリコールなどにより
一定ではありますが、市民(ユーザー)の意向を示すことができます。

しかし、御社の場合は地域に一社しかないということ、
更には扱うサービスが「電気」で、
万人が依存せざるを得ないものである
という特別な状況なため、
上記のようなユーザーの意思(抗議)を示すことができず、
苦々しい思いで一杯です。

そんな状況を鑑みると本日の御社社長様の答弁は

「なんとか今の嵐を避けたい。
 この場をノラリクラリとでも凌ぎさえすれば
 あとは何とでもなる。」

との意思が透けて見えて仕方ありませんでした。

そこで
御社ホームページを検索いたしますと
 
平成22年度 販売電力量 32,302×1,000,000 [kwh]
会社情報 販売電力量

平成22年度 泊原発(1~3号機)発電量合計 
16,258×1,000,000[kwh](泊発電所データ集 発電実績

との事がわかりました。

つまり上記発電量より単純に計算して
 
 原子力由来発電量比率 16,258/32,302=50.3%
 非原子力由来発電量比率 100-50.3  =49.3%


とのこととなりました。

そこで、御社社長様がユーザーが納得の行く説明をして
原子力由来の電力比率が0%になるまでの間


御社より毎月送付頂く電気使用料の請求金額から
原子力由来の電力比率を引いた 49.3%
 を
当該月の請求金額に掛けた金額を電気使用料金として
振り込みさせて頂こうと思いました。

以上の理由により電気料金支払い方法の変更
ならびに御社の振り込み口座などを
御教示下さいますようお願いいたします。

一日も早く全道全ての北電のユーザーが
100%の電気使用料金を何のわだかまりもなく
お支払いできる日が来ることをお祈りしつつ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●上記メール文とは違い、きこり屋さんのブログの文章は
あえてふざけた口調で書いているように感じましたが、

実際の彼は 真剣に脱原発を考えている頭脳派、
という印象だったことを、
念のためお伝えしておきます(笑)。





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