さかきの教授日記

九州産業大学 工学部 バイオロボティクス学科の教員である榊が、学生を教えていて気がついたことをつづった日記

お早いお着きで

2009年05月22日 09時16分42秒 | Weblog
■昨日の雨はすごかったですね。
■さて、小倉にある福祉用具プラザ北九州で打合せだ。Aさんは小型のベッドに乗ってどこでも移動する。ただし、親御さんが手でおさないといけない。御自分で移動したいという要望をもっており、それにはベッドをロボット化する必要がある。3年くらい前に依頼があり、コツコツと開発を進めてきた。
■そこで我々の出番である。単にベッドの電動化と言わなかったのは、操作に課題があるからだ。指1本の屈伸だけで前後左右への動きを制御する必要があり、技術的には難しい課題だ。このため指操作のデバイスを開発してきた。他にも視野の確保も懸案事項。ロボット技術を使っていく。
■こういういわゆる「お客さん」がついた仕事は、非常にプレッシャーがかかるが、学生たちには大変よい刺激を与え勉強になる。我々の成果を待っておられるわけで、さぼったりいい加減なことをするわけにはいかない。
■などとかっこうの良いことをいってはいるが、現実は厳しい。そう、もう3年もたっている。ああ、いったい何をしているのか、、、と正直あせる気持ちもないではない。ただ、安全確保のため慎重に進めないと何か起こってはまずい。やはり腰をおちつけて進めないと、、、
■今年はいよいよ実物大モデルを試作する。芸術学部青木先生、機械工学科牛島先生のご協力のもと進める。

副作用 2

2009年05月21日 09時07分04秒 | Weblog
■午後から雨だそうです。列車で風景見ていて、ふと麦畑は広がっている、、、うん。が、水田があまり見当たらない気が、、、気のせいか?
■さて、卒研の意味を考える。研究者になる一部の人を除く、卒業して社会に出て行く大部分の学生にとってどういう意味があるか。
■例えば、あるテーマでは外部の機関と共同で進めている。打合せの日が決まる。その日にデモをする。それに向けて準備を進める。、、、と順調に行くことはほとんどない。気がつくと、学生たちは直前になってやおら準備を始める。すぐに終わればよいがそうはいかない。間に合わない。んじゃ徹夜も辞さず、、、の覚悟が伝わっては来るが、覚悟だけでは進まない。現実は甘くない。
■打合せ日はだいぶ前から決まっている。デモの内容も決めている。となると、準備する項目は何で、いつまでに、、、と計画を立てかつ実行すれば、、、いや、それは社会にでたらイヤでも身につくのだが、逆に言うと訓練が必要だ。
■このように、自分で計画を立て、実行するための訓練を積む良い機会だ。そういうと聞こえが良いが、計画不足→準備不足→実行力不足→間に合わない→失敗となることが多い。学生は失敗しながら学んでいく。繰返されるとさすがにまいる。顔では笑っていても、、、である。が、忍耐である。
■以前、外部から大学と付き合っていたとき、ずいぶんだらしがないなとおもっていた。それは研究機関としてしかみていなかったからだ。教育機関としてみると、だらしがないのではなく、忍の一字で教育効果を見極めていたのかもしれない。

イヤ言いましたけど

2009年05月20日 08時50分03秒 | Weblog
■パンデミック一歩手前ですね。関西方面出張の禁止・自粛指令を受けました。でも、福岡はまだまだ、、、なんて思っている人が多いせいか、列車の中でマスクをしている人は、3~4人/60~70人くらいでした。
■さて、ふと作業をしていて思い出した。ある人と会うといつもお互い20代のときの話になる。「あのとき、、、、、と私に言ったよね。印象的だったなあ。いろいろ考えるきっかけになったね。」と肯定的に言ってくれる。しかし、私は言われるたびにすごく恥ずかしいし恐縮する。確かにそう言った、はい、覚えています、しかし、いつもは忘れいているし、今はそんな考え持ってないし(どちらかというと逆)、相手にも忘れてほしいのだが、、、ああ、どうしよう。
■当時からすごく仕事のできるその人に、当時もそして今もあまりモノを知らない自分が生意気にも教えてあげた、、、なんてかっこうになっているからだ。
■もうひとつは、当時と今は全く違った考えをもっていることだ。若気のいたりで尖った考えをつい披瀝してしまったのが、その後いろいろな経験をするうちに違った立場に立つようになった。
■その人は、(当時の)若者が言った変なコメントをちゃんと受け止めて自分の糧になるよう消化したわけだ。そしてそれを今でも大事にしてくれている。でも、こっちは汗顔ものである。
■時間がたって次第に異なる考え・人格になった。でも過去の自分についてずっと責任がついてまわる、、、20代のときはわからなかった。(でも、スミマセンン、できれば忘れてください)

副作用 1

2009年05月19日 09時03分22秒 | Weblog
■朝方は気持ちがよいですね。
■さて、いつも学生たちに言っているのだが、卒研は一生懸命に。ただし、どういう効果を期待するかが問題だと。
■技術の習得、、、もちろんそうだ。どの研究室でもある意味先端の研究成果や課題に触れることができる。その分野でしか触れることの出来ない技術(装置など)もあるだろう。貴重な経験だ。大事である。
■だが、一般的に考えると、その研究室ですごすのは、長くて1年半、短い場合は、実質半年くらいだろう。その間触れた技術を後生大事に持っていられるのか、、、一部の研究者となる人以外の大部分の学生にとって、おそらく、長くて5年、早ければ1年以内に学んだ技術は陳腐化するだろう。先端技術に触れるのはたしかに貴重な経験だ。しかし、学んだ技術からは、その後、長い効果を期待できない。んじゃど~すんの。卒研やって何の意味が、、、?

仏壇でオロオロ

2009年05月18日 07時14分18秒 | Weblog
■体調はどうですか?
■さて、御住職が来られた。仏壇の前に座られて、しばし、じっと仏壇をご覧になった。と、手前に置かれた位牌に手を伸ばす。仏壇に入れようと試される、が、当然入らない。「入らないな、コレ」と小声で言われる。何事もなかったかのように読経が始まる。
■式が終わり、お話が始まる。仏教とは何かなどひとしきり説明があったあと、仏壇についてコメントがある。そもそも仏壇とは仏様が入っておられる場所であり、位牌は本来別の場所に安置されるものだそうだ。それを略式にして通例一緒に入れておくとか。(つまり、遠まわしに位牌が入らなくても大丈夫ということか)ただし、もう少し高い位置に置く、つまり仏(の絵)と目線の高さを調整すべきとのこと。さすがお坊様である。ほっとする。