さかきの教授日記

九州産業大学 工学部 バイオロボティクス学科の教員である榊が、学生を教えていて気がついたことをつづった日記

温故知新 3

2009年05月29日 09時04分25秒 | Weblog
■風が強いですね。そういえば、田植えの準備がはじまりました。水を張っています。
■さて、つづき。中京地区の大先生から。ある有名メーカに就職すると、新人に試験があるという。小中学レベルのごくごく簡単な問題らしいが、、、8割が院生であるが、正解率が半分にも満たないことも。
■「そもそも(院にまで進学していながら)6年もかけていったい何を身につけたかが問われる」と嘆かれる。大学院であるから、それなりに何かしら研究(らしい?)をしてきたはずだが、、、現実は深刻だ。
■研究テーマに関する知識と技能はそれなりに身につけていると思われるが、広がりが無い、ということだろう。例えば、センサに関するテーマであれば、他の種類のセンサや信号処理など、センサを切り口に学ぶべきことはたくさんあるはず。そこからさらに広げて、、、と。
■テーマに直接関係あることだけに絞ってしまうと、手間はかからないが、基礎がおろそかになり応用がきかなくなる。これは学部生でもそうだ。

温故知新 2

2009年05月28日 09時20分26秒 | Weblog
■怪しい雲行きですね。傘いるかなあ。
■さて、つづき。今度は安全性の大家の先生から。逆説的だが、安全性だけでは駄目、と主張される。
■先生を慕って学生が集まってくる。先生のもとで安全性を学び、のちのちエキスパートになろうと、、、ところが、当の先生は「それだけでは駄目だよ」などというものだから学生はキョトンとするとおもしろそうにお話される。
■すべてに通じる万能のただ一つの規則なんてありえないように、安全性もそれだけを推し進めると、システムが複雑になるだけで、コスト的に引き合わなくなることが多い。使えるものにするには、使う対象や用途、条件をよ~く見極めて、適したものをあてはめることだと思う。

温故知新

2009年05月27日 09時38分44秒 | Weblog
■ちょっと蒸し暑いですね。
■さて、学会ロボメック09で得た貴重な話いろいろ、、、
■関西のある大先生がお話くださった。最近研究テーマを変えたそうだ。ロボットの制御など、どちらかというと基礎的で地味な課題。最近はロボット学会などでも発表が減っているが、なぜ今このテーマ?
■「確かにやる人は減っている。ところが考えてみると、まだまだ課題が多い。産業に直結するが、企業研究者はなかなかじっくりと取り組めない。だからこそ大学でやる価値がある」と。
■なるほど、産業に資するための基本中の基本の考え方だ。企業にいた人間としてはよくわかる。納期に追いまくられバタバタしてなかなか時間が取れない。大学で時間をかけて基礎を固め体系化し、その技術を産業界にフィードバックすると大変ありがたい。

高校生に学ぶ

2009年05月26日 07時08分11秒 | Weblog
■昨日は、日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会という学会が福岡であり、イベントの一つである高校生向け企画を担当した。
■参加したのは、博多高校、香椎工業高校、玄海高校と大分より個人参加の方、計22名だ。印象的だったのは、教諭A先生が「目の前に生徒がいて、わいわいと実習に取り組んでるのは、見ているだけで楽しい」というコメント。本当にうれしそうにされていた。
■ほぼ半日かけてロボットの講習を受け、そのあと自分たちで動かすソフトを入れ込み実際に競技する。なかなか思ったとおりに動かないのがミソ。現実のシステムの難しさを知り工夫すべき点を学んでくれるとありがたい。ただ、一日だけの講習ではなかなかこうした奥深いところを学ぶまではいかない。でも、今回の企画がそのきっかけにでもなれば主催者としてもうれしい。
■今回の企画では、県庁、県教育センタほかさまざまな先生方にご協力いただいた、感謝いたします。

自然に素直

2009年05月25日 07時49分24秒 | Weblog
■5月も後半ですね。
■さて、卒研も少しずつ波に乗ってきたようだ。あるチームはだいぶデータも取れてきた。さあて、思い通りの結果が出たかな?条件を変えたから少しは違いがみえるはずだが、、、
■ん…アレレ?違いどころかなんじゃこりゃ、、2つの条件をそれぞれ各人にしてもらった。ある作業におけるミスをカウントする実験だ。順序が関係するかもしれないので、ある人はABの準備、べつの人はBAといった具合。しかし、、、みな同じ傾向だ。一様に下がっている。
■う~ん、しばしにらむ。どうにかして違いが出ると言う事はいえないか、、、おっといけない。ここで師匠にいわれたことを思い出した。「自然は人の些細な知恵などに無関係に独立に存在するもの。自然は正直にそれを示してくれる。だから、予想がはずれることもある。素直にデータはみなさい」はい、、、わかりました。素直に見ると、条件は無関係といえる。別の要因が関係して一様に下がったようだ。
■そうだ、この結果を利用して逆に何かいえないか、、、また、違いを出す別の方法はないかを考えようっと。ある意味、フンギリがついた気がする。