MARUMUSHI

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『空気人形』。

2009-10-04 19:43:47 | 映画日記
『空気人形』を観て来た。

ざっくり言うと、心を持ってしまったダッチワイフの物語。
エロくて、残酷で、キモチワルイ内容やけれど、ポップな感じに仕上がってる童話みたいな映画。
いや、待てよ。そういやグリム童話とかも元々はエロくて、残酷で、キモチワルイ内容が多いんやったっけ?
じゃあ、童話その物なんかな?

映画に出てくる人物は、全員がちょっとした何かの問題を抱えてて、見栄っ張りで、小心者で、それでも、毎日を一生懸命生きている。そんな人達だ。
空気人形は、そんな彼らの行動に傷付いたり喜んだり、そして悲しい思いをしたり。
けれど、
「心なんて持たなければ良かった?」
と訊ねられれば首を横に振る。
「汚くて、嫌な事ばかりの世界にも、少しは綺麗なものがあった?」
と訊かれれば、首を縦に振る。

映画の最後。心を持ってしまった空気人形は、もとの空気人形に戻ってしまう。それも燃えないゴミの中で。
映画の終わり方は、ハッピーエンドとは言えないし、周りの皆も、たった一人を除けば、昨日までと変わらない今日を過ごしている。
ちゃんと朝が来て、ちゃんと夜が来る。
世界は少しも良くなんかならない。極端に悪くもなってない。

でも、そんな彼らに、
「心なんて持たなければ良かった?」
と訊ねれば、きっと首を横に振るのだと思う。


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