goo blog サービス終了のお知らせ 

MARUMUSHI

映画とかTwitterとかとか。

『はらはらなのか。』

2017-05-07 21:42:30 | 映画日記
#はらはらなのか #酒井麻衣 #松井玲奈 #micci_the_mistake
『はらはらなのか。』を観てきた。

【不思議の国のアリス】は、異世界に入ったお話。
『はらはらなのか。』は、異世界を上書きしたお話。
どっちも奇妙だけれど、異世界を上書きされた世界はよりややこしい。
どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが不思議の世界か。
この辛さは本当なのか?
この喜びは本当なのか?
舞台は嘘を作る場所。その嘘で客を楽しませ、そして自分が楽しむ。
でも、軸足は現実にいなくてはならない。そうでなければ嘘が嘘でなくなってしまうから。

原ナノカの側にいてくれた”原ナノカ”は、徐々に姿を消していく。
”原ナノカ”は原ナノカを現実の世界に繋ぎとめるための存在。
でも、リナや劇団の仲間たちと出会い、凛と出会い、原ナノカは大人になっていく。自分で現実をみて歩けるようになる。
そして、原ナノカは、二重写しの”はらはらナノカ”へと成長するのだ。




『マスタード・チョコレート』。

2017-05-01 21:31:44 | 映画日記
#マスタード・チョコレート

『マスタード・チョコレート』を観てきた。

他人と関わるのが苦手な少女の物語。
いわゆる、”コミュ症”というやつだ。
人間関係というのは、ややこしい。面倒くさい。
自分は、マスタード色とチョコレート色で絵を書いていきたい。
そこに他の色を混ぜるなんて、止めて欲しい。

でも、もし、自分から色を混ぜることが出来るようになったら。。。
海の色。空の色。そんなものを自由に使えるようになったら。。。

そう思いながら、小さな冒険を繰り返しながら、少女は、キャンバスに海を描く。空を描く。
マスタード色とチョコレート色で砂浜を描く。自分が立っている場所に大好きな色をつける。
そして、大切な人の前でしか見せない笑顔を見せる。



舞台挨拶では、主人公の山田菜々さんをはじめ、太田基裕さん、染谷俊之さんと主要登場人物3人が勢ぞろい。
正直、この作品に出ている方々で知っている名前は一個も無かったからか、映画の中と壇上の彼女らのイメージが全然違う。驚いた。
それだけ、お芝居がうまいということになるのかな?
面白い舞台挨拶だった。


『暗黒女子』。

2017-04-15 21:42:03 | 映画日記
『暗黒女子』を観てきた。
#暗黒女子

『女子高』『少女』よりも頭一つ抜けてると思う。。。後味悪い。。。
童貞皮被り中学生男子が観たら、座席立てないね。
一週間は持っていかれるね。
一か月は幼馴染を直視できなくなるね。
だってね、隣の座席の女子高生と思しき二人連れが、息を呑むのよ、女子高生がだ。
館内に異様な空気が出来上がるのよ。




五つの真実を描いた小説。
真実は美化され、捻じ曲げられた事実の一端。
嘘?
違う。
虚言?妄想?騙し?
違う違う。
全てが真実。
真実をいくら重ねてもそこには事実が浮かび上がることはない。

神とは確かにいるけれど、いるだけで傍観し続ける存在。何もせず、見るだけ。
その顔に微笑を称えながら。
でも、傍観者が、最後に、まるでドミノを倒すように軽く全てを掌握したら?
”ごきげんよう”の一言で全てを掌握。


主人公=犯人は推理小説のタブーの1つ。
これを言ってもネタバレにならない作品。
これが出来たのは「そして扉が閉ざされた/岡嶋二人」しか知らない。

もうすぐ公開が終わるかもしれないけれど、見といた方がいい。。。


『夜は短し歩けよ乙女』。

2017-04-14 23:55:12 | 映画日記
『夜は短し歩けよ乙女』を観てきた。
#黒髪の乙女

原作は序盤で挫折。
どうしても文体に気持ち悪さを感じて。。。
でも、映像化されると、面白いけれどもこんなに気持ち悪さがある作品だとは。。。

酒と書籍と学祭と風邪。
世間は狭い。京都の路地ぐらい狭い。
だから人生という物語は信じられないぐらいグルグルと複雑に入り組む。
それは確かに一大絵巻。ギュッと濃縮された時間がそこにはあって、その時間の進み方は人によって異なる。
夜は短い。それでもそこにとんでもない速度で時間を進ませることが出来る人もいる。
春夏秋冬。それぐらいならギュッと詰められる。それぐらいの速度で歩ける乙女。
そこに食らいつくような1人の青年。
パッとしない。ダサい。貧乏。将来貧弱。それでも乙女の後を追いかける。いや、彼女が影になるぐらい遠くに行ってしまっても追いかける。
滑稽で、無粋。
無邪気で道化。
それでも彼女と逢瀬を重ねてみたい!だって、大学生だもの!
ナカメ作戦が功を奏したのかどうかは、どうかなー。。。といったところだけども、まぁ、いいではないか。

綺麗ごとを言うのは容易いけれど、そこに説得力を持たせるのは難しい。どちらかというと言われた側は妬ましく鬱陶しいとしか感じない。でも、綺麗ごとを語る人が無粋、滑稽、無邪気、道化を兼ね備えていたら、説得されてしまうかもしれない。
きっと、乙女はそういう人なのだ。

おおっと。これ以上をここで語るのは、小生も無粋の極み。



古書を巡りをチョボチョボやってたので知ってる風景がいっぱいあった。
京都の古書祭りは、大きいものは年三回
2017年は、
春の古書大即売会 5月1日~5日(京都市勧業館「みやこめっせ」)
下鴨納涼古本まつり 8月11日~16日(下鴨神社糺の森)
秋の古本まつり   11月1日~11月5日(百萬遍知恩寺境内)
場所は、例年の場所なんで今年がどうかは分からんけども。
作中では下鴨神社の古書祭りが描かれてるけど、最後のシーンで登場するのは京都大学の近く、百萬遍知恩寺の交差点。古書まつりの雰囲気と作品の世界を同時に体感するなら、秋の古本祭りが良いと思う。
みやこめっせは、男と男の掛算や割算のベクトル積が大好きな腐のつく女性ならおなじみの場所かと。。。あの近くにもいい雰囲気の古書店があって、結構好きなところ。

物語は人の心を紡ぎだし、その心がまた誰かの物語を作る。
人の時間と物語は珍妙な世界だ。



『ゴースト・イン・ザ・シェル』。

2017-04-09 12:21:13 | 映画日記
#ハリウッド版攻殻

『ゴースト・イン・ザ・シェル(原題:Ghost in the Shell)』を観てきた。

攻殻機動隊が実際に実写になるとはなぁ。
これだけの作品を20年前に作ろうと思ったら、どれだけの資金がかかったか。。。
出来れば3Dで見た方が良いと思う。

常に鏡に映った自分を見ながら生きなければならないとしたらどうだろう?
外面も内面も、眠っている時も、ずっとずっと。
行く道は2つだ。ゴーストが壊れてしまうか、ゴーストにのまれるか。
記憶とは千切れて、捩れて、バラバラだから記憶たり、ゴーストを形成することができる。その曖昧な集合体を見て自己は自己を保つ。
千切れて、捩れた記憶は自分だけでなく、他者の中にも存在し、他者の記憶に紛れ込んでゴーストを作る。
ゴーストはプライベートでありながらパブリック。孤でありながら集合でもある、情報化されたもの。

草薙素子。
近未来に完成されている女性。
脳以外は自分の肉体を一切失った女性。
ゴーストに自分を投影しながら生きつづける自己。
士郎正宗という人物に描かれ、押井守、神山健治、黄瀬和哉など多くのゴーストに寄生した女性。
彼らの中で草薙素子は、同一の物でありながら違う女性だ。
女性を楽しむ女性。
足掻き、悟り、諦める女性。
正義たらんとする女性。
迷い、揺らぎ、苦しむ女性。
どれも草薙素子でありながら、寄生された者が作り上げたゴーストとしての存在。
ならば、彼女は描かれた世界から現実の世界にいるということなのかもしれない。
漫画から、アニメーション、そして実写。

さてどこへ行こうかしら ネットは広大だわ