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MARUMUSHI

映画とかTwitterとかとか。

『BLAME!』。

2017-07-27 22:24:00 | 映画日記
『BLAME!』を観てきた。

ディストピア。
人は荒廃した世界にあこがれる。

猿の惑星
planetarian
ターミネーター
宇宙戦艦ヤマト
風の谷のナウシカ

極度に発展した世界の成れの果てを描く作品は数多ある。
不思議なのは作品に一縷の希望を残すことだ。なぜ、壊れた世界に希望の種を残す必要がある?もう、とっくに枯れてしまっているはずで、ユートピアがディストピアに変わるほどの時間があったはずなのに、なぜ世界が壊れるまで放置していたんだろう?

僕たちが生きている世界は、ある程度ユートピアに近い環境だ。労働という対価を払えば、それ相応の賃金が手に入り、生きていくことが出来る。何もかもが与えられるわけではないけれど、得たい物があればなんとかなる。
もちろん、世界中がそうではないけれど。

でも、どこか閉塞的で、どうにも今を変えられない、という点においては世界中全ての人が感じていることなんじゃないだろうかと思う。
希望なき世界。
東日本大震災のとき、正直、ワクワクした。福島原発の状態がどんどん悪くなるのに胸躍らせた。
日本が、世界が終わるかもしれない!
自分も人事ではなくなるのに、そう思った。
チェルノブイリの時もそう感じた人はいたはずだ。
終末思想を唱える宗教なんてのが存在するということは、世界が終わって欲しいと願う人たちがそこそこいるということだ。
希望なき世界を終わりにして欲しい。
それが具体化したのがディストピア。

でも、そのディストピアにすら崩壊を祈る。ディストピアのまま閉塞してしまう世界を認めたくない。
希望なき世界に希望を。
大抵の物語は何かを語り継ぐ、という形でENDを迎える。
希望を希望のままにして。

例えば、核戦争が起こったり、隕石が衝突したり、巨大な火山噴火が起きたり、そういった滅亡は当面のところ考えなくて良いし、僕たちが生きている間には多分ないだろう。次の世代もちょっと怪しい。
当面、この国だけ見れば、少子高齢化に伴う人口減が一番のディストピアへの入口だろうか。
世界で見ると、まぁ、僕の狭い視野でみてだけれど、人口の増大。それに伴う食料、水などの問題。これに付随しての様々な国家間のいざこざ、戦争、といったところだろうか。
いずれにしても、ディストピアとしての入口はなんだかショボイ。
ロボットにAIに支配される、ぐらいの崩壊感が欲しいところだけど。
ていうか、仮に支配されたとしても『BLAME!』のように人間を殺しにかかってくるというのもちょっとピンとこないところがあるけど。。。

中途半端な希望を抱えたまま、僕らは生きていく。
だからこそ、希望なき世界の希望を観たいのだろう。


『心が叫びたがってるんだ。』。

2017-07-23 19:18:18 | 映画日記
#心が叫びたがってるんだ

『心が叫びたがってるんだ。』を観てきた。
同名のアニメーション映画を実写化にした作品。

#中島健人 #芳根京子 #石井杏奈 #寛一郎

前評判からしてあまりパッとしなかったけれど、客足もパッとしていない印象。
でも、見る価値は絶対にある。
”銀の玉-silver ball-”よりはある。
すごいと思った。
アニメに忠実。でも、オリジナリティーいっぱい。

アニメの時から田崎というキャラクターがとても好きだ。
この男はものすごく複雑で難しい。
彼の存在はこの作品そのものなのだと思う。人の気持ちは一つではない。真逆の気持ちが同時に存在している。
その気持ちのまま言葉を紡ぐ。その言葉は一つを肯定するけれど、もう一つを否定する。
野球がやりたい。でも出来ない。その気持ち言葉で後輩にぶつける。
出来ないことを必死でやろうとした成瀬を目の当たりにして、彼は実行委員をやらなければと思う。たぶん、成瀬に惚れたのもこのときだろう。
野球と実行委員へのやる気。
それは後輩を傷つけることになる。
彼の凄いところは、自分がどれだけ人を傷つけてきたかに気付き、それをきっちりと謝るところだ。
それは簡単で当たり前のようだけれど、なかなか出来ることじゃない、と思う。
恋するよりも、失恋するよりもずっと難しい、慮るという行為。

ミュージカルのシーンは、アニメを完全に越えたと思う。
2つの気持ちを言葉にして、歌に乗せて見ている人に伝えようとする。その姿が美しい。
2つの気持ち?違う。クラス全員分以上の気持ちだ。

心は人と人の間に生まれるもの。1人では無いもの。
だから、最後に実行委員"たち"は叫ぶのだ。

心が叫びたがってるんだ!!


『銀魂』。

2017-07-17 00:40:20 | 映画日記
#銀魂


『銀魂』を観てきた。

すごいね。もう、色々。

いや。これはダントツの悪ふざけ。
絶対にやったら駄目なことをやったよね。
マジで、ガリガリガリクソ○なんか出てても問題ないぐらいのことやったよね。
センテンススプリングなんて問題にならないぐらいのことになってるよね。

大体のキャラクターの再現度は半端ないんだけど、菜々緒の来島ま○子は思ったよりも来島ま○子やったなぁ。岡田仁蔵もすごいな。
千年に一度の神楽は、見事『卒業』出来たね。

でもさ、
いや、サンライズはサンライズだからシ○ア専用○クが出てくるのはいいけど、砂漠の熱い砂が作った、ミツハの中の人をやってた人がやってたキャラを出しちゃうのは本当に大丈夫なのか?
腐海はないと思うけどなぁ。。。でっかいダンゴムシみたいのもいないしなぁ。。。

いやー、“ルフィー・クォーター”から“サトシ・ダブル”と言われて欲しいね、銀さんには。でも、それでも“スパロウ・クォーター”かな。。。
いつも、いつでも、上手くいくなんて、保証はどこにもないからな。
キンプリもいてるしな、結城友奈もいてるしな。
来週からは銀さんが膵臓を狙われることになるしな。


その者 青き衣を纏い 金色の野に降り立つべし。。。




『夜明け告げるルーのうた』。

2017-07-17 00:08:10 | 映画日記
#夜明け告げるルーのうた

『夜明け告げるルーのうた』を観てきた。

しくじったー!見逃したー!
と思っていたところにシネマート心斎橋さんで上映が始まったので飛びつく勢いで感激。

この映画は家族の映画。
父と息子。
父と娘とその祖父。
祖父と孫。

人は大切な人のためにはどこまでも残虐になる。
人どころか、土着の神さえも殺そうとする。
それは優しさが故。愛が故。

でも、人は優しい。好きな人のためならばどんなことだってできる。
ルーはカイが大好きで、カイもルーが大好き。
だから、ルーはカイの大事な人のために、カイはルーの大事な人のために、そしてみんながみんなの大事な人のために。
優しさを歌にして。
優しさをステップにして。

ルーが姿を消すと夜明けが来る。
そして、カイに新しい日がやってくる。

きっとルーはまた、新しい日を連れてカイに会いに来る。



ルー カイ ダイスキ!



『メアリと魔女の花』。

2017-07-10 22:44:43 | 映画日記
#メアリと魔法の花

『メアリと魔女の花』を観てきた。

僕は、魔法という技術はあると思っている。
科学が解明できるのは全体のおよそ4%。それ以上は解明できていないし、出来るかどうかも怪しい。
では、残りの96%はなんなんだろう?
科学と魔法。人類は扱いやすかった科学をたまたま使っただけで、魔法を使うことだって選択できたんじゃないだろうか?その中に分からない96%があるんじゃないだろうか?
じゃぁ、ひそかに魔法を使っている人たちがいるんじゃないだろうか?
そして、分からない96%の内の魔法の部分を研究しているんじゃないだろうか?

夜間飛行

それが魔法の力を引き出す花。
そして、人の心を惑わす花。
科学だろうが、魔法だろうが、扱いきれない力というものがあるのだろう。制御するなどという概念ではない力。禁忌として扱わねばならない力があるのだろう。
過ぎたる力は滅びを招く。
それでも人は強い力を追い求める。それは魔法使いだろうと科学者だろうと同じこと。人の欲求であり業なのかもしれない。
メアリは最強の魔法使いになりながらも、それをほうきに乗って飛んだり、姿を消してみたり(ただし強制的に)、魔法を解くことにしか使わない。誰かを傷つけるような使い方はしないのだ。
そして、「魔法なんていらない!」と叫ぶのだ。
祖母からの血脈なのかもしれないが、彼女自身のパーソナリティーなんだろう。
魔法は楽しいものだけれど、必要以上には要らない。彼女はそう言っているのだ。
きっと魔法大学では今でも日々研究が行われていることだろう。
「上手くいかない。上手くいかない」と言いながら。
それは悪いことではない。魔法だって研究を進めれば新しい可能性があるはずだから。

メアリは科学の世界に帰ってくる。魔法を捨てて科学の世界に。
正直、そのことは彼女にとってどうでもいいことで、家族がいて友達がいる。そんな日常の方が好きなだけだ。
でも、彼女はきっとテストの前とかに思ったりするんだろうな、「夜間飛行を残しておけばよかった!」と。




スタジオポノック第一作目。
今後にも期待できそう。