期間限定の独り言

復興の道のりはつづく。

謹慎中なのです

2012-04-19 17:36:07 | 日記
 そんなわけで職場放棄して人でなしとなったので、しばらくは部屋で大人しく反省と懺悔の日々を送る。だいたい無職無収入に転落したので、出歩いて余計な金を遣っている場合ではない。
 しかし全くの一人で居るからには、完全に閉じ籠もっていては食うものも無くなる。それに懲役に掛かったのではあるまいし、部屋から一歩も出るなというのも無茶である。刑務所だって運動の時間はあるだろう。
 それでまず午前中、近くのマーケットに恐る恐る買い物に出かける。こうなってみると勤め先まで歩いて十分という部屋に越したのが仇となって、うろうろ出歩いていると生徒や教職員に見つかりそうで怖い。幸いマーケットは学校とは方角が逆なのでまだ助かる。
 もう一つ求めなければならないのが、痔疾の薬である。この二週間の仕事と、さらに辞職に伴うお詫び行脚のストレスで、あっという間に痔疾が悪化して下血が始まっている。早いところ治めないと、また去年の夏みたいに気息奄々になってしまう。
 ところがいま私が居を定めた辺りは、案外買い物には不便な所で、ドラッグストアの類は近くにない。マーケットから帰り道の調剤薬局では買えなかったので、少し離れたストアまで午後から歩いて出かけた。血行を良くするためにも運動は必要である。
 実はさらにもう一つ目論見があって、買い物には関係ない書物を鞄に入れて持って来ている。ドラッグストアからもう少し歩くと、なんとミスドがあるのである。実を言うとこの界隈は、昔の家に住んでいた頃バスでよく往来していた道筋で、あそこにミスドがあるというのは車内からいつも見ていてよく知っていた。しかし途中下車して入る機会はなくて、ずっと気になっていた。
 謹慎中ではあるが、ちょっと息抜きに寄らせていただく。初めて入ってなるほどこうなっていたかと思う。
 夕方になって、学校が退けて自転車で帰って来る生徒がちらほらと現れ出した。やはり出歩くのは午前中のうちにした方がよさそうである。マスクを掛けて気配を消して帰る。もし見つかって声を掛けられた日には、学校ではどういう話になっているかまず訊いてみなくてはいけない。たぶん急病でお辞めになりましたとでも取り繕ったのではないかと思う。であれば、下血が続いてと言っておけばよいかと考える。嘘ではない。