TOKI : LOG

LOGGYと竹坊の物見遊山

白金甚夢迎賓館(旧・渡辺甚吉邸) -前編-

2012-12-19 | 建築散歩
先日プラチナ通りを散歩した際、
「ランチなら手が届く店」
としてチェックしていたのがこの店である。

本来は結婚式場なのだが、
ランチやディナーの受付もしている事が判明、
LOGGYは早速予約をして仲間達と一緒に、ランチと建物見学に訪れた。



岐阜に代々続く旧家の12代目として生まれた渡辺甚吉は、
数々の会社代表を務め、貴族院議員、参議院議員としても活躍した。
甚吉は、欧米視察の旅でチューダー様式に出会い、
その建築構想をこの建物に注いだのである。

そして、1934年(昭和9年)に遠藤健三の設計で竣工。
ハーフティンバー(ヨーロッパの民家に見られる
建築技術で1階は石やレンガ、上を木造とする)
の外観には部分的にタイルや石積みになっており、
独特の風格がある。

室内の装飾や家具は考現学で有名な今和次郎が担当。
LOGGYは以前から内部見学をしたかったのだが、
長年、スリランカ大使公邸として使われていた為、
それも叶わなかった。
今回やっと願いが叶い、興奮気味に館内に入る。




まず最初に見学したのが旧・応接間。現在では結婚式の祭壇になっている。
内装はこれでもかと言う位、装飾が施されている。
施工にあたった大工が、設計者の意向を理解せず、丁寧な仕事を
した為に、チューダー本来の野性の味からは遠ざかってしまったそうだ。



今和次郎のセンスが光る室内装飾。

ランプはすべて手造りだという。

LOGGYは以前パナソニック汐留ミュージアムで
「今和次郎展」を鑑賞した事があるのだが、
その時にこの渡辺邸で使われていた椅子と
食器類の一部が展示されていた。
これらは工学院大学図書館今コレクション
して管理されている。

(後編へ続く)

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