鶴岡法斎のブログ

それでも生きてます

3年前にエロ本で書いた原稿

2006-12-04 18:41:30 | 原稿再録
※雑誌がなくなるというので最終回だった原稿。
AV業界に対して何か漠然とした不安を持っていた。
現在その不安は現実となった。ちなみに本稿で紹介したアダルトDVDはいまは何処にあるのかもわからない。

 さて今月で雑誌がお休みということでこの連載も終わってしまうのですが、まあ短い期間ながらも自腹でアダルトビデオ、おっとDVDを買うというのはなかなか貴重な体験でしたわ。
 さて前述もしましたがアダルト系のみならず時代はVHSからDVDに変わろうとしています。一部のメーカーではすでにDVD作品のみのリリースにするといっているところのあるみたいですね。時代が、また大きく変わろうとしています。でもやっぱり「AV」って呼ばれ続けるのかな。よくわかんないですけどね。ファミリーコンピューターがなくなっても「ファミ通」みたいなもんですか。ちょっと違うかな。
 まー、最後なんで所感といいますか、ちょっといくつか書かせてください。
 さっきも書きましたがいまは時代の転換期なんだと思います。ま、変わっていない時代なんかないのだけれど、特に激しく変わっているというか。アダルト系の世界は大きく変わっているなあ、とビデオ誌や風俗誌での仕事をしなくなっていた自分としてもちゃんとそれが理解できるくらいに変わってきている。
 まずセルという概念がここまで定着したということ。これは十年はかかってしまったがいまとなっては非常に当たり前のことになってしまったのではないか。
 レンタルビデオ時代と違い、とりあえずジャケだけ豪華に、という風潮は確実に時代と逆行しているな、と。
 何でしょうか。各自の趣味嗜好にピンポイントで攻撃してくるパターンが多くなってきた。いつの間にかみんながマニアになってしまったのである。フェチって言葉がここまで市民権を得てしまう状況ってのもよく考えたら変だしなあ。
 逆にいえば裸が供給過多ではないかな、と思える。もうネットであれなんであれ、結構こだわりさえなければエロい画像なんてのは、すぐに手に入る状態だしな。
 自分が一生懸命になっていままで集めていたのはなんだったのか、と。ええとね、一同マニア化してしまったからこそ、真のマニアは口うるさくなってしまうのではないか。好きなジャンルのものもそこそこ手間と金があれば手に入る。そうなると状況には不満がなくて、次に作品の内容に矛先が向かっていくわけです。
 まあ、この連載もそういう意思の名のもとに動いていたんだろうな。きっと。そんな訳で流通事情ではなくて作品そのものに対する苛立ちが前面に出てしまう。「俺だったらこうするのに」とか考えてしまってね。別に頼まれてないって話なんだけど。
 その反面、細分化の果てに各々の趣味嗜好が偏っている。断言するけどこれから暫くAVではみんな知っている作品、なんてのは出ない。ソフトの数が多すぎるから。巨乳マニアならみんな知っている作品というのはリリースされるだろうけど一般大衆巻き込んでそれに興味のない人まで見てしまう、というようなものは出ないだろうなあ・・・。これはこれでちょっと切ない、と思いつつもそれも時代だと納得してしまう。
 不況でも強いはずのエロがここに来て不況の波にさらされているのはそういう理由もあるんではないかな。細かくなりすぎ。でもそれには当然恩恵もあるし、他ジャンルも細分化はどんどん進んでいるのだけれど。
 これから大ブームってのはパソコンを使えない世代が作っていくのではないかな。使える人は自分の趣味嗜好を満たせばいい訳でね。そういえば若い人がどんどんテレビを見なくなっているような気がする。自分のなかだけかな。
 さて長い前置きでしたが今回紹介するのは「威圧系肉弾女」という作品。本誌のほかの頁で紹介されているのかどうかなんて気にせず書きます。
 ええと、これはプチプラと捉えていいのかな。デブ、と呼ぶにはまだ脂肪が足りない気がする。
 自分はこういう体型の女性、嫌いじゃないですよ。何かこうエネルギッシュというか何というか。同じデブでもM女だと燃えないなあ。縛る人はそれもいいんだろうけどね。脂っぽいS女が2人っていい。ギトギトぬるぬるって雰囲気で。こう見ただけで胃もたれするメニューの如く。脂の浮いたラーメンに天丼まで頼んでしまうようなダイナミズム。
 ああ、苦手な人はダメだろうけど自分はこういう作品に関してのみS女性はそんなに美人でなくてもいい。むしろちょっと汚い感じが伝わってきてもヨシ。むしろそれを求めている。何だろうね、この感覚。
 いい感じの下品さなんで非常に好感が持てます。まあそれでも撮り方がとかいったらまた際限なく話題は出てくるんでしょうけどね。
 さて最後に告知というか何というか。人の作品をあーだこーだいっていた自分ですが、来年AV監督としてデビューすることになりました。当然フェチ物。まだ撮影に入ってないのでなんともですが、ショップなどで見かけたら「ああ、これか」と鼻で笑ってください。あと払ったお金の分だけの文句はいっていいです。ただ家に来て直接訴えるのは止めてください。困ります。
 そんな感じです。では、また何処かで。

最新の画像もっと見る