鶴岡法斎のブログ

それでも生きてます

小説6回目

2016-03-25 05:31:55 | 小説(新作)
ある売春婦の告白  はい、あの頃は売春婦でしたよ。 もう借金がどうしようもなくなって、そういう理由でなんて自分でもドラマみたいって思いましたけどね。最初は東京で働いていたんですけど稼いだぶん使っちゃうから一向に負債が減らなくて。それでどんな店でもお茶引くようになったからあの町に流れたんです。ええ、自分の意志で。 狭い場所にそういう店がたくさんあって、お客も多いんですけど、なんでしょうね。飲む打つ . . . 本文を読む

小説五回目 ちょっと色っぽいシーンも出てきました

2016-03-14 17:39:06 | 小説(新作)
 そのままビルのなかにある宴会場で始まって。新鮮な牛肉豚肉は貴重品でしたけどこういう場でしたから。すき焼き作りましたよ。例の女は、「酒は飲めない」って。お茶かなんか飲みながら肉食ってましたね。あれだけ人を殺して、血だの生首だの見ても平気で肉を食えるってのは、まあ才能なんでしょうね。プロの人殺し。 親分は甲斐さんが殺された直後だったけど、この女を幹部として迎える、とかいってね。どうせ何日かしたら猿の . . . 本文を読む

小説の続きです。四回目

2016-03-13 19:24:29 | 小説(新作)
 犬神の親分が一番奥で、ひな祭りみたいな柄の着物を無造作に羽織って。あの時で四十いくかいかないかくらいかな。普段は静かだけど荒れると怖いからみんな緊張するんだよ。番頭の紀州さんとシバさんが一緒に来て。 紀州さんは付き合いも古いらしくて、どういう風に知り合ったのかわかんないけど親分より年上、還暦手前ぐらいで、いつもスーツをピシっと着ててね。偉い役人みたいだったよ。賭場の会計は全部仕切ってて、ヤクザっ . . . 本文を読む

小説、三回目。まだ続くし、まだタイトルはないです

2016-03-10 05:28:22 | 小説(新作)
 いままで喧嘩とか、そりゃあ人が殺されるのも見たよ。だたあの時は本当に驚いた。首がふっ飛ぶんだよ。目の前で。ギロチン、でかい刃物で首をちょん切るのは相手に苦痛を与えないための人道的な処刑だって話を聞いたことあるけど本当かもしれないなあ。殺されたほうだって実感ないだろうね。あんな一瞬で。 それにても三人であの女に話しかけて、俺が生き残れったのも運だったんだろうなあ、って。運はね、昔から強いんだよ。ギ . . . 本文を読む

小説、続きです。まだ続きます。タイトル未定

2016-03-08 19:46:20 | 小説(新作)
 その人がね、自分の読んでた漫画に気づいたんですよ。こっちは拾った漫画でなんとも思ってないんですけどね。「それ貸して」って。 パラパラ読みながら、「懐かしいなあ」ってずっといってるんですよ。「この本だと載ってないけど、のっぺらぼうが出てきてね。それが人魂を天ぷらにして食べるんだよ。それが怖いんだけどなんだかとっても美味しそうに見えてね」とか話すんですよ。こっちはまだ驚いたまんま。近くで見たら二十歳 . . . 本文を読む

小説、続きます、そのうちタイトルつけます

2016-03-07 20:51:03 | 小説(新作)
 いまだって景気や治安がいいとは思わないけど、あの時は本当にひどかった。 もうね、警察とかそういう権力が影も形もない。そうなったのは政変とか情勢とかいろいろあったらしいですけど、自分は無学なんでよくわかんないです。 過疎化が進んだ町にならず者が集まって勝手に住みだして、そいつらが何をしでかすかわからなくて怖いから地元の人間が減っていく。そうしたら空き家で博打だ、売春だ、薬物だと勝手に店を開いてなら . . . 本文を読む