09年の出版業界、2兆円割れへ デフレの深刻化で(共同通信) - goo ニュース
年末ともなると、いろいろな一年間の総まとめが発表される。
これもその一つ。
数年前までは、あまくさ(本渡市内)で書店といえば、
ブックセンターまつした
ヴィジョン
明林堂書店
の3店だった。
今は3店ともつぶれている。
しかも、建物はそのままだ。
3店がなくなったあとで、書店と呼べるのは
TSUTAYA
ぐらいだった。
つい最近、熊本市の老舗書店・まるぶんが
ジャスコ内に新たに店を開いたので、2店となった。
結局、地元の書店はつぶれ、
残ったのは全国展開している店だけ。
本が売れないからね。
09年の書籍と雑誌の推定販売金額が、89年から20年間維持してきた2兆円台を割る見通しであるらしい。
毎月書籍代に最低3000円は使っているワタクシとしては、なんとも悲しい限りだ。
「今はわからない言葉があったら電子辞書を引けばいいし、小説だってケータイで見る時代だよ」と言われても
「何か違う」と思ってしまう。
何が違うのかはよくわからないが、そんなになんでもかんでもデータ化してよいものかと思ってしまう。
ふと、夢想する。
これからン十年後の未来。
この世の映像・画像・書籍がすべてデータ化される。
夏目漱石もトルストイも、黒澤明もジョン・フォードも、みんな携帯端末でお手軽に見られる時代になる。
ところが、ある日のこと、それらのデータがすべてこの世から消えてなくなってしまう。
フィルムや書籍に頼ろうにも、そんなものはすべて博物館の中にあり、
閲覧するには、高い金を払わないといけなくなってしまった。
文化を享受できる富裕層。
文化を失った貧困層。
貧困層の人たちは、自分たちの記憶を頼りに、自分たちから失われてしまった文化を再現しようとする。
はたまた、新しい文化の創造に挑もうとする。
なんていう小説を、村上春樹あたりが書いてくれないかな。