哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

映画、小説、芸術、その他いろいろ

戯画『パルフェ~ショコラ second brew~Re-order』

2006-07-20 | ギャルゲー
「馬鹿を救ってみろ」(『パルフェ』)

↑どんなセリフだ(笑)。
 というわけで、戯画の『パルフェ~ショコラ second brew~Re-order』をコンプリート。全体的に完成度の高いゲームでなかなか楽しめた。評判の里伽子シナリオもけっこうよかったが、それでも前回取り上げた由飛シナリオのほうが筆者の好みである。里伽子は前作『ショコラ』の香奈子シナリオと同じく、壮絶なすれ違いの話で、主人公は完璧に"Guilty(有罪)"だと思った。ただ、里伽子シナリオは、アイデア自体は比較的凡庸で、演出や謎の明かし方、シナリオのもっていき方でうまく盛り上げた、という印象である。よくできた作品ではあるが、気になった点をいくつか。

・主人公の玉子料理フェチはなんらかの伏線であろうと、明かされるのを期待していたのだが、(筆者の気づく限り)完全にスルー。
・舞台のアンティーク喫茶という設定にリアリティがイマイチ足りない気も…。恵麻の復帰と里伽子の入れ知恵があったとはいえ、あんなに簡単に立ち直るものか。それに、スタッフ営業時間中に厨房で雑談(ラブコメ)しすぎ。それと、各ヒロインのルートに入ると、喫茶店経営は、割と二の次にされてしまう。
・登場人物同士が依存しすぎ。それを肯定するために"家族"というテーマが安易にもってこられるのも、どうか思う。"友達"だの"恋人"だのの価値が"家族"の二の次とされるのは、ある意味で排他的である。また、家族"には、もっと他の見方からの肯定の仕方もあるのでは。
・主人公のよくわからん悪浅知恵。

 とケチをつけてみるものの、まあ、作品全体にとっては、たいした減点ではない。いずれにせよ、押しも押されぬ良作である(由飛シナリオは名作)。

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