哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

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CIRCUS『舞-HiME 運命の系統樹 修羅』

2007-02-24 | ギャルゲー
「想い人……。なんだか、甘いような、切ないようなその響き。俺も、誰かに想われるような人生を歩めているだろうか」


 CIRCUSの『舞-HiME 運命の系統樹 修羅』を攻略。2、3ヶ月ぐらいかかったかな、長いよ。

 原作アニメとの主な違いは、新任教師で媛伝説を研究する新任教師の主人公が登場したり、原作とは登場人物が少し変っていたりするところ。まあ、それ以上に違うのは、原作のテンポのいい展開と比べると、割と普通のギャルゲーな雰囲気の点。
 評価は、まあまあ、というところかな。取り立てて面白いわけではないが、原作アニメがテンポ重視で謎の解明など設定の点で甘かったのに対し、『系統樹』は謎の解明が充実している。シナリオも、評判の良いなつきシナリオをはじめとして、ギャルゲーとして良くできている。僕が好きなのは、なつきシナリオ、深優シナリオ、朔夜シナリオ。なつきシナリオは、本作の中でもっとも劇的な展開があり、深優シナリオは星詠の舞から外れるものの物語の骨子がよくできている。朔夜シナリオはラストが納得できないと評判がよくないんだけど、星詠の舞で負けたHiMEたちに償うという意味ではまあ、悪くない結末だと思う。それに、OPの『阿修羅姫』などに表されるような作品全体のテーマ、他人の犠牲を引き換えにしなければ守れない大切な人、というモチーフをもっとも忠実になぞっていたのも朔夜シナリオだったと思う。
 ツボは、超ツンデレキャラになってしまった、なつきか。変態教師と不良少女のからみは笑いと微笑と失笑を誘う。しかし、なつきはあんなに弱いキャラクターだったかなあ。『舞-乙HiME』の中盤の次回予告で、シズルが「ナツキはヘタレなんが可愛いんや」とか言っていたけれど、それを地でいっている気がする。キャラクター自体の原作からの再現度は高いんだけど、作品自体の雰囲気の違いで、はて、と疑問符がついてしまうところもある。まあ、プレイヤーの代理たる主人公が物語や戦闘に影響を与える必要があるので、HiMEがただ強い、というのでは主人公の存在感が薄れてしまうのだろう。しかしこの主人公、ヘタレでもない代わりに、イマイチだよなあ。

 音楽は、普通、というかつまらない。OPのALI PROJECTとか挿入歌の妖精帝国とかEDの美郷あきがなければ辛かったところ。グラフィックは、デザイナーが複数いて、それぞれ違う特徴の絵を描くせいでまとまりがないが、平均以上。声優は、原作の声優をそのまま移行させているだけあって豪華。
 まとめて言えば、原作のゲーム化として、十分及第点な内容。しかし、ギャルゲー界全体で見ると、『Fate』シリーズとか強烈な作品がたくさんあるせいで、かすんでしまうのは致し方ない。

 とりあえずシナリオのお勧め攻略順。

1、舞衣シナリオ
2、命シナリオ
3、なつきシナリオ
4、静留Other Story
5、深優シナリオ
6、碧シナリオ
  奈緒シナリオ
7、朔夜シナリオ(作品のグランドエンド的なものは、舞衣か朔夜シナリオ)
0、他のOther Soryは適当に。

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