哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

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『エルフェンリート』

2008-07-14 | アニメ
エルフェンリート 1st Note

バップ

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 エログロという評判ながら、評価の高いアニメとして『エルフェンリート』を見た。萌えアニメっぽいところとホラー映画っぽいところが混在していて、どこかで見たような設定や展開も多いが、素直に楽しめるアニメだった。
 
 あらすじとしては、
(萌えアニメ)大学に通うために鎌倉に引っ越してきたコウタは、海岸で角を生やして「にゅう」としかしゃべらない女の子を見つけ、”にゅう”と名付ける。いとこのユカに、もともとは料亭だった楓荘という家を借りて住むつもりが、ユカがコウタににゅうを預けるのは危険ということで、楓荘でコウタとユカとにゅうの奇妙な共同生活が始まる。その後も、楓荘には女の子の入居者が増えてきて…。
(ホラー映画)絶海の孤島にある研究施設から、実験体”ルーシー”が逃亡する。実験体は圧倒的な力で警備員を虐殺しながら研究施設を脱出するが、頭を狙撃されてしまう。行方をくらましたルーシーを追って、刺客が送られていくが、ルーシーは圧倒的な力でそれらを退ける。その一方で、研究施設でも陰謀が進行し…。
 という、二つの流れがある。表には交わらないこの二つの流れが、”にゅう”/”ルーシー”の存在を通して裏で交わっている感じ。

 なんというか、普通にわくわくして次のエピソードが気になるアニメだった。原作の漫画の展開を途中で切ってはいるが、まとめ方がうまくて一つの完結した物語として余韻も含めて楽しめる。絵柄は萌えアニメテイストだが、エロとグロが混在していて、それも悪趣味な感じではなく、作品のテーマや演出にマッチしているのも良い。そして、OPの「LILIUM」もただすばらしい曲というだけではなく、作中で引用されていることによる効果も良い。まあ、グロの点で多少人を選びはするが、基本的に非の打ち所のないアニメだと思う。
強いて言えば、人類と敵対する種とか、子供のときの約束が作品の最大のキーになるとか、どっかで見たようなモチーフが結構あるところがちょっと気になるか。でも逆に考えれば、最近意表を突いた展開をねらったアニメが多いが、王道ってのも結構いいものだなあと思いもする。まあでも、このアニメも、一見重要人物とおぼしきキャラがいきなり殺されたりもしているのだけど。でもこれも、わりとホラー映画的な殺し方だと思うのだが。

 オンリーワンな良いアニメだと思う。「LILIUM」とか飛び抜けた点を挙げればきりがない。いかにも続編ができそうなラストだから、二期を作ってほしいところだが、その可能性はほぼないらしい。漫画版を読んでみるかなあ。

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