もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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Fate/Zeroで気まぐれビミョーなBL言時(9)

2013-07-15 07:53:29 | 腐女子の御伴
※この小説はFate/Zeroの設定を基に、二次創作(夢小説)として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。



*腐はムリな方は回れ右*



         2013年 腐女子の暑中お見舞い マーボ豆腐と金ピカでびみょ~なBL  『昼顔の蔦(つた) (9)』






ギルガメッシュは私服姿で、ゆったりとした態度。酔いが廻り上機嫌な表情で瞳を細めて、言峰を手招きし自らの元に呼び寄せた。


時臣を相手にする時も、この様に機嫌が良ければいいのにと思い言峰は複雑である。自分が居る時の時臣に対してのギルガメッシュの横暴(おうぼう)な態度。

ソファーから上半身を起こすと、ギルガメッシュはぐいっと言峰の身体を引っ張り自分の身体の上に倒れ込ませる。

ギルガメッシュの高い鼻がぴくりと動き匂いを嗅(か)いでいる。その直後にギルガメッシュの表情が一変した。

深紅の瞳が大きく見開き怒りの色が伺(うかが)えた。言峰は何が何だか分からずただギルガメッシュを見つめた。

「あの男め!! 我より、先に綺礼に手を出すとはな。この臭いは───── あぁ、虫ずが走る!!あヤツめ綺礼に自分の、臭いを纏(まと)わせるとは万事死罪に値(あたい)する。綺礼、湯浴びをしてまいれ。」


「湯浴びだっと?? 昨日の晩は遠坂家で床(とこ)を借りたので、下着は変えられなかったがシャワーは浴びたさ。そうだろうな、さぞや臭うだろ雑種だからな。」

言峰はくくっと楽しげに笑う。 ギルガメッシュは形の良い眉毛を吊り上げ腹立ちげに言う。

「王の腹に玉(ぎょく)したのを、赦(ゆる)しのただぞ。その意味が分からぬか??」

聖遺物(いぶつ)で召喚されて以来から、ギルガメッシュは言峰に興味津々(しんしん)であった。とうとう言峰の元にお忍(しの)びで遊興(ゆうきょう)に来てしまった。

言峰は思う、つっけんどうな態度で英雄王を帰すと、時臣に狂暴な八つ当たりを食らわすだろうと。

致しかない─── 英雄王のご希望に添うのが、1番の得策であると言峰は結論に達したのであった。それもまた一つの、自己義務と。

「王の中の王よ、手をお離し戴(いただ)けますか。」

「綺礼、貴様に、我の名を呼ぶのを赦(ゆる)そう。さぁ、早く、湯浴びをしてまいれ。」

言峰はギルガメッシュの身体から立ち上がると、恭(うやうや)しく跪(ひざま)づき、深々と頭(こうべ)を下げた。

「綺礼、我の言う言葉が分からぬか?? その様な、形だけの忠義など要(い)らんわ!!さっさと、湯浴びに行け!!」


床に跪(ひざま)づいた言峰の頭上から、英雄王の不機嫌な声音(こわね)が降って来た。それを聞き言峰は何だか大声を出して笑いたくなったが、心中でぐっと堪(こら)えて床から立ち上がって室内のクローゼットへ。

クローゼットから着替えと下着を取り出し浴室に向かうので、私室の扉のノブを掴もうとした時に背後から声を掛けられた。

「あの酒で酔わぬか。」

「やはりな、お前の仕業(しわざ)か。酒に小細工で媚薬を、仕込ませて何がしたかった??」

「媚薬を仕込むとは聞き捨てならん。あの酒は飲むと幻惑(げんわく)を見て夢うつつとなり、前後の記憶が不覚になる。綺礼、貴様は飲んだのか??」

「飲んだが、何も変わらん。」



言峰は浴室へ。




脱衣所で衣服と下着を脱ぎ浴室に入った。

いつもなら、シャワーで全てを済ますが今日は浴槽に湯をはった。


シャワーを浴びながら言峰は思う。

ギルガメッシュが時臣の匂いを、あぁまでも毛嫌いするとはな。


言峰からすると時臣の匂いは世俗(せぞく)離れした、匂いで香水の類(たぐい)ではない。一般人にはきっと、それは美しい気高い香りと言うだろう。

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