もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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Fate/Zeroで気まぐれビミョーなBL言時(8)

2013-07-15 07:53:08 | 腐女子の御伴
※この小説はFate/Zeroの設定を基に、二次創作(夢小説)として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。



*腐はムリな方は回れ右*



         2013年 腐女子の暑中お見舞い マーボ豆腐とワインでびみょ~なBL  『つかの間の羽休め (8)』






時臣は食事を終えると、いつもの様に地下室の魔術工房に降りて行った。言峰はその様子を見て、いつもの時臣に戻れた事を安心した。

英雄王の思うままの策略(さくりゃく)に自(みずか)ら嵌(は)まり、自己の義務で時臣を抱いた事は悔いてはない。

英雄王はけして無意味な事をしない。何が意味が隠されているはずと言峰はそう結論を下した。


時臣は出された物は残さず食べたので食欲もあり言峰は安心した。メイン厨房(ちゅうぼう)で食事の後片付けを終えた。

言峰も地下室の魔術工房へ。



時臣は精悍(せいかん)な顔つきで、いつもの気高く美しい瞳。デスクチェアーに深く座り足を組んでる姿なのに実に優雅が栄(は)える。

「君は段取りと手際が素晴らしい程に良い。早かったね。妻の後片付けは、こんなにも早くはないのだよ。」

「いえ、大変遅くなってしまいました。葵殿はきっと色々な、事細かな雑務をされるのでしょう。」

「葵にそう伝えておくよ。」

差し当たりのない日常的な会話をし、時臣は終始温厚な表情だった。今は魔術師としての遠坂時臣ではなく、独(ひと)りの夫であり父親で在(あ)りたいのだろうと言峰は思った。


言峰がそう思った矢先に、時臣は真剣な眼差(まなざ)しで言峰を見つめた。


「君が女性であったなら、君を妻として娶(めと)った事だろう。葵の母胎は魔術師を産むには実に優秀であった。が、彼女は魔術師ではない。」

「何の悪いご冗談で、ございましょうか?? 我が師よ。私は葵殿と同じく、魔術師ではございません。」

「冗談ではない。私は自分の意見を述べたまでの話しだ。私は凛が次期、遠坂家の当主になるまでの短い間の当主に過ぎない。あの子に、潜在する魔術師としての才能は親である私でさえも驚いてる。私を、たやすく超える存在になるだろう。私には共に、聖杯戦争に参戦出来るパートナーが必要だったのかも知れない。」

「ご息女は我が師と葵殿が共に、存在したから誕生したのです。どうされたのですか?? その様な弱気では困ります。」

「そうだな。少々、君を困らしてしまったね。私の気持ちを君に知って貰いたかったのだ。では本題に入ろう、今後の陣営戦略だっが。」


「連日連夜、児童達の連続失踪と、立て続けに冬木市内で多発している、無差別一家虐殺事件をアサシンに調べさせたのですが─────」


「その事件の事で、嫌な予感がするのだ。」



アサシンが調べて来た事を全て、時臣に報告を済ませて言峰は教会へ帰途(きと)に着いた。


見上げると陽は傾いており、どれだけ遠坂家の屋敷に拘束(こうそく)されて居たのか時間を確認しなくってもおおよそは分かる。


平和な光景の閑静(かんせい)な住宅街は、聖杯戦争前と何も変わらないがピリピリとした雰囲で張り詰めているのを感じた。



(現代の世で、聖杯戦争とはな。それも今回は、聖杯を望む者同士の戦いではなく、派手に事件を起こし廻ってる輩(やから)も居る。何故(なぜ)、私が聖杯に招かれたのだろうと。)



時臣の采配(さいはい)が問われる。実戦経験のない、時臣を考慮したからこその布陣(ふじん)。言峰は馴染む事ない街並みを突き切った。



教会に帰宅し、礼拝堂で祈りを捧げた。教会敷地内の居住区である自分の私室へ。


部屋に入ると強く飲み込まれそうな魔力が、言峰に纏(まと)わり付く。ソファーには退屈に飽きた我が物顔で、英雄王ギルガメッシュが私服姿で寝そべって居た。

「遅いではないか、綺礼。疲れて居るが、実に晴れ晴れしい顔つきだな。そうか、貴様には効かなかったのか。我は茶番劇の観賞を、愉(たの)しみにしておったのだぞ。」

ギルガメッシュを鋭い険(けん)を含む瞳で睨む言峰。そんな言峰を、もし一般人が見たら、その場で倒れ込むぐらいの睨みには殺傷力がある。

ギルガメッシュは、ソファーに寝そべりワイングラス越しに言峰を見つめご機嫌に笑う。

「貴様の酒蔵は実に良い物だ。褒めて遣わそう。どの酒も、我、好みで美味(びみ)であった。近行(ちこう)寄れ、雑種。」

言峰は怒りよりも呆(あ)れ返りの境地。床に転がる大量の空になったワイン瓶を避けながら、私室の扉の前からギルガメッシュが寝そべってるソファーへ近寄った。

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