もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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オリジナル 霧島と夏貴の出会いの物語 summer Rose(7)

2010-12-21 00:07:01 | 腐女子の御伴
         *ご注意*




*もぐ菜がカキした鬼畜眼鏡の二次創作小説のオリジナルキャラで通常の本編の霧島×御堂さんに繋がる前の物語です。鬼畜眼鏡のキャラは登場しません悪しからず。




         summer Rose(7)




霧島はそれから屋根裏部屋に住み着き幼い夏貴に仕えた。夏貴の体調も安定し入院もせずに済み清水家は穏やかに夏を過ごそうとして居た。

約束通り夏貴は家族と出掛ける事になった。父親の親戚(しんせき)の家に行く事になり、霧島もこっそりと姿を消して付いて行く事にした。



農家なので庭は広く樹木(じゅもく)が多く植えられおり納屋(なや)や倉があり、外に出掛けなくっても充分に遊べる環境(かんきょう)で都会育ちの夏美と夏貴はおおはしゃぎで遊んだ。



夏美は昼寝をしており夏貴は霧島を呼ぶとやって来た。倉が古くなり建て替える事になり中の物を整理するとの事だった。

夏貴は白のリボンが飾られた麦藁(むぎわら)帽子(ぼうし)を被(かぶ)り青のワンピースを着ており霧島はいつもの通り上下は黒のカジュアルスーツ姿。



母親に二人だけで倉の中に入ると危ないと言われたが、入るなっと言われると余計に興味(きょうみ)が湧き入りたくなった夏貴だった。

霧島と一緒なら危ない事はないと夏貴は思い、興味(きょうみ)津々(しんしん)で倉の中を冒険が出来ると思った。

何日か前に見たテレビの時代劇で倉の中に宝物が、いっぱい隠されていたのを見て夏貴は倉の中にはきっと良い物が隠されると違いないと考えた。

倉は二階建てで古く使われてない日用品がゴロゴロしておりめぼしい物はない。倉の中は空気の換気(かんき)がされてないので埃(ほこり)っぽい臭(にお)いがする。

「おたからないね。つまんない。」

「上の様子でも見てみましょうか。」

そう言うと霧島は階段で倉の二階へ向かうと夏貴も付いて来た。段ボールや木箱があり既(すで)に整理された後だった。

霧島は積み上げられた段ボールを千里眼(せんりがん)で透視(とうし)をすると何かを見つけた。

「夏貴様が望まれるお宝はございませんが、珍しい古書がありますね。えぇ、江戸時代の本で妖怪の本です。6冊程あります。」

「ようかいのほん??」

「夏貴様がご興味(きょうみ)がおありなら、段ボールからお出し致(いた)しますよ。」

お宝がなくしょんぼりとしてた夏貴は喜んだ。

「やったおたから、だいはっけんよ。」

夏貴がピースをしてその場でピョンと跳びはねた。

霧島は夏貴を見て一安心をした。

「はやくはやく。」

霧島は夏貴に急(せ)かされて積み上げられた一番上の段ボールを丁寧(ていねい)に開けて中から本を取り出した。


霧島は段ボールから取り出した本を取り出し夏貴に手渡す。夏貴は霧島から手渡された本を受け取ると本と言っても夏貴がいつも見てる本とは違う作りの本だった。背表紙から糸が出ており難しい漢字が書かれており見た事のない変な奇妙な生き物??と漢字が書かれて居るだけ。

「へんなの。こわいかも…‥」

「大変古い本ですね。和書は和綴(わと)じと呼ばれおり、糸で製本されておりますね。 」

夏貴はもっともっと良い物があると思った。後は二束(にそく)三文(さんもん)の掛け軸(じく)があるぐらいと霧島が言う。

「これもらってもいい??」

「まぁ、良いのでは。」


二人はお互いの顔を見合わせニヤリッと笑う。
霧島は段ボールを開封したのが分からない様に元通りに段ボールを封をした。開封前と一切変わらない状態で誰も、霧島が段ボールを開封して古書を失敬(しっけい)したとは思わない。

夏貴と霧島が倉の階段を降(くだ)り倉から出て行った。


夏貴と霧島が倉を出て行って暫(しばら)くすると親戚の者と真っ黒な羽織(はお)りを着た着物姿の男性が現れて倉の中に入って行くのを見かけた。

夏貴は縁側(えんがわ)に座り三時のおやつに西瓜(すいか)を切って貰いご機嫌で食べる。ガラスのコップに麦茶を並々(なみなみ)と煎(い)れてお砂糖を入れゴックリと飲んだ。

冒険をした後のおやつは特に美味しい!!と夏貴は思った。残りの半分は夜になったら霧島と一緒に食べようと思い残す事にした。

そうこうして居ると真っ黒な羽織(はお)りを着た着物姿の男性が夏貴の方へ向かって来る。夏貴は何かを感じた──────────

霧島の気配(けはい)と異(こと)なる気配(けはい)だった。 その男性は歳で言うと若いが落ち着いた容姿で、夏貴からするとお兄さん風でもない父親と同じぐらいかも知れないと思った。
縁側(えんがわ)に座って居る夏貴の正面に男性はやって来た。夏貴は西瓜(すいか)を食べるのを止めしげしげとその男性を見つめる。

その男性は機嫌が宜しくないのか不機嫌な表情にも見える、男性は自分の顎(あご)に手を当てて何が愉(たの)しいのか口許(くちもと)が笑う。

「こんにわ、お嬢ちゃん。」

怖い声ではないので夏貴は安心した。十六歳の霧島よりは低い声だった。

「なぁに??」

夏貴はそう答えた。

「お嬢ちゃん君は、古い本を持ってないかな??」

一瞬、夏貴は本を持ち出した事を気づかれたと思ったが、霧島が気づかれる事はしないと信じてる。

「しらないよ。」

男性は眉を眉間(みけん)に寄せてむむと考えて居る。

「お嬢ちゃん君は、人ではない男の子と遊んで居るようだね。その男の子の名は、霧島秋彦と言うはずだ。」

夏貴はそう男性に言われびっくりと身体が反応し背筋がひんやりとした。男性の表情は何となく怒って居る様にも見えて怖くなってきた。





summer Rose(8)

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