もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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Fate/Zeroで気まぐれビミョーなBL言時(3)

2013-07-15 07:46:16 | 腐女子の御伴
※この小説はFate/Zeroの設定を基に、二次創作(夢小説)として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。



*腐はムリな方は回れ右*



         2013年 腐女子の暑中お見舞い マーボ豆腐とワインでびみょ~なBL  『漆黒(しっこく)の天(そら)と深紅(しんく)の月 (3)』






言峰はベッドに乗り上げてから、時臣の隣に身体を横たえた。時臣のリボンタイに指先を絡めてシュルリと解(ほど)く。

ぐちゃぐちゃにするのは、気が引けるのでベッドサイドテーブルにおいた。スーツの上着とベストを器用に言峰は脱がし床に放り捨てた。

スーツの上着とベストはクローゼットに掛けたいが、そこまでの時間の余裕がない。言峰は早急に、この行為を終わらしたい。

同じワインを飲んだはずなのに、言峰には媚薬の症状がいっこうに出ない。やはり魔術回路が関係あるのだろうか??

時臣の真っ白のワイシャツのボタンを一つづつ外してゆくと、とても甘い匂いが鼻を掠(かす)めた。言峰は自分が大輪の花の櫁を吸う蝶の気持ちを感じた。

時臣は言峰の唇(くちびる)を捜し口元へ。言峰は口元を時臣の耳へ寄せ舌先を耳の奥に捩込む。 時臣は瞳を強くつぶった。

「うっんん。」

時臣の躯(からだ)が激しく反応し、首をイヤイヤと振る。ギュッと言峰の躯(からだ)に爪を立てる。

ふぅと言峰は息をつき、なんとも歯がゆい行為だろうと時臣を睨む。時臣の目尻から光りが一つこぼれ落ちる。


(この私に涙を見せるとはな──── もっと激しく痛めつけて乱暴に犯す様に抱いたら、どんな顔で良い声で泣き叫ぶのだろう??)


言峰はギラリと獲物を狙う瞳で時臣を見つめた。 そんな事を考えて居るのも知るよしもない時臣はこっつりとおでこを、言峰の広く深い胸元に寄せた。


(このまま、乱暴な行為に及(およ)べば、俗物(ぞくぶつ)の王の計略(けいりゃく)にまんまと嵌(は)まる様なものか。奴に腹を抱えて高見の見物をさせるとは許しがたい。ならば私が一方的に時臣師を、愛撫(あいぶ)をしてやれば良いか。)


言峰は両腕で抱き閉じ込めた時臣の背中をあやす様に撫(な)でてから、両肩に手をおきベッドにぐいっと力強く押し付けた。

不安げに時臣はベッドから降りようとしたので、言峰は完全にすっぽりと覆(おお)った。

言峰はベッドサイドテーブルから、リボンタイを手に取り時臣の両手首を揃えて頭上でリボンタイで縛り拘束した。

「あぁ、なんて事を。嫌だ。」

時臣は少しずつ媚薬から醒(さ)め始めている様にも思えたが、開(はだ)けたワイシャツからは熟れた熱を感じる。

熟れた熱を持て余し独(ひと)りでは散らす事が出来ない。時臣をこのまま放置したら精神を激しく消費させて、必要以上に心身を疲労させてしまう。聖杯戦争を優位に進める為にも良い事ではない。

時臣は今だかつてない未曾有(みぞう)の大勝負に挑む。 自分の命さえも賭けての、血戦を経験した事はないだろうと。




だからこそ、自分はこの聖杯戦争に招かれた───────



言峰は手の甲(こう)に赤々と浮かび上がる令呪の刻印を見つめた。諜報員であり、ある時は危険因子(いんし)を狩る者として。

そう時臣は血で血を洗う実戦を知らない。生まれながらの貴族であり、気高い美しい魔術師は外道で卑劣(ひれつ)な闘いを蔑視(べっし)するだろう。

言峰の結論はただ一つ。どんな理(ことわり)を打ち砕き曲げ様とも、時臣に聖杯を授(さず)ける。全ては敬愛(けいあい)する父の為に。


時臣の労(いたわ)る優しい声が聞こえた。

「綺礼、辛そうだ。私の事で心配させてしまったね。私から離れなさい。お願いだから、身体に触れないで。熱で意識が、これ以上は保てない。ぁっんぅ‥」

時臣は頭上で縛られた手首を見つめ何かの魔術の詠唱(えいしょう)をするが魔術が発動しない。媚薬で魔術が封じられている様だった。

しっとりと濡れた前髪を時臣の顔から、言峰はそっと掻(か)き上げた。

「これは悪い夢です。どうか、お忘れください。」


言峰はそう言い含めると、時臣の唇(くちびる)に接吻(せっぷん)を落とした。



時臣の瞳は夢心地でワインに仕込まれた媚薬で再び意識が奪われ、熱に浮かされた様に足を綺礼の身体に絡(から)めた。

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