※この小説はFate/Zeroの設定を基に、二次創作(夢小説)として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。
*腐はムリな方は回れ右*
2013年 腐女子の暑中お見舞い マーボ豆腐とワインでびみょ~なBL 『思量深(しりょうふか)き侵入者 (2)』
遠坂家の屋敷は廊下はどこを見渡しても幅広く長い。時臣が聖戦争に参戦するにあたり使用人達に隙を言い渡したので誰、一人居ないはずなのに屋敷は隅々(すみずみ)まで小綺麗である。
それが言峰にとって不自然さと違和感を感じとっている。そして、弟子として屋敷に招き入れられた時から感じてるのは、自分自信を拒絶するかの様な気高い澄んだ気の流れと魔力。
当初から、わかりきってる事だった。自分は聖杯戦争に参戦する理由である動機や願望が何一つない事を。この世で奉信する神の次に尊敬し敬謙(けいけん)の念に値(あたい)する父親の切実の願いによりに言峰は、遠坂家の門に下っただけの話し。
くくっと小さく皮肉めいた笑いを言峰は零す。
物知らぬ幼い娘の凛は自分の、底無し沼の如(ごと)くどす黒く澱(よど)んだ何かに気づき警戒してると言うのに────── 夫婦揃いに揃ってお人良し過ぎる。
階段を登り奥へと廊下を歩くと、遠坂夫妻の寝室の前に辿(たど)り着いた。夫妻の寝室は、愛娘の凛でさえもむやみに立ち入る事をしない様に時臣から言われて居る。
愛娘の凛でさえも絶対入室禁止命令である。時臣にとってこの夫妻の寝室は神聖な領域なのだろうと言峰は思う。
その夫妻にとって神聖な領域に踏み荒らす自分は、如何様(いかよう)な者だろう。両腕に抱きかかえられた時臣が、か弱い力で必死になり言峰を止めようとしているのが伺(うかが)える。
そんな時臣を見つめ言峰は、英雄王の取り計らいは何か考える。それとも退屈な時臣に飽きて気まぐれの思いつきで、ただの暇つぶしなのだろうか??
外界と神聖な夫妻の寝室を隔ててる、美しい装飾(そうしょく)が施(ほどこ)された重厚な作りの扉を開く。
夫妻の好みが随所(ずいしょ)に垣間見るシンプルな部屋でありながら、遠坂家の当主に相応(ふさわ)しい部屋である。クローゼットやチェストを見るだけで豪奢(ごうしゃ)な生活をしてるのが伺(うかが)える。本人達にとっては、ごく当たり前で普通なだろうと。
厚地の遮光カーテンで遮(さえぎ)られた小さな世界は雑音は聞こえない。夫妻の寝室はどうやら間続きでソファーが置かれた部屋で談話室のようだ。
扉が二つある。片方はきっと浴室と洗面所ではなかろうか?? とベッドルーム。
さすがの言峰も苦笑した。分別のある常識人でありながら、どうりで何か一般人の常識からは大きく外れてる気がよくわかった。
言峰は時臣を抱きかかえながら、夫妻のベッドルームに続く扉のノブに手をかけた。
部屋の中の豪奢(ごうしゃ)な家具や骨董品に贅をつくした部屋を見ても幾分か慣れた。部屋の真ん中に広々としたベッドが一つ置かれていた。
ベッドスプレットと羽毛シュレープをはぎ、時臣を寝かせた。ベッドに運びさえすれば時臣は、安心して寝落ちするだろうと言峰は思った。
あれ程に抵抗してた時臣が、今度は言峰の身体に腕を回し離そうとしない首筋に熱い息がかかる。
「時臣師。」
「綺礼??」
甘ったるい声音(こわね)で名を呼ばれ言峰は時臣を見つめると、宝石の様なアイスブルーの瞳は物欲しげに誘う。
「時臣師、今、少々お待ちを。私にも心構えをさせてください。」
言峰にそう言われると時臣は、小さく首を傾(かし)げると身体から腕をそっと離した。その仕種は少女のように可憐である。
「アサシン。」
言峰に呼ばれふっと風の様に黒い影が綺礼の背後に跪(ひざま)づく、かいがいしく手の平に何かを乗せて差し出す。先程、客間で時臣が飲んでいたワイングラスだった。
「貴方だけ、痴体を曝(さら)す訳にいけません。この、私めも御一緒させてさせて頂きます。魔術回路が持たない私に、この媚薬がどの程度効くか分かりませんがね。」
言峰はアサシンから受け取るとワイングラスを口元に寄せて、一気に呷(あおる)と空になったワイングラスを背後に跪(ひざま)づく影に投げ渡たす。影はワイングラスをしっかりと手の平で受け取った。
「下がれ、アサシン。警戒を怠るな。」
「仰(おお)せのままに。」
影が消えると言峰はカソックを脱ぎ、欲望に汚され艶やかに濡れた瞳の時臣に微笑みかけた。
それに答える様に時臣は、言峰の首筋に唇(くち)づけた。
*腐はムリな方は回れ右*
2013年 腐女子の暑中お見舞い マーボ豆腐とワインでびみょ~なBL 『思量深(しりょうふか)き侵入者 (2)』
遠坂家の屋敷は廊下はどこを見渡しても幅広く長い。時臣が聖戦争に参戦するにあたり使用人達に隙を言い渡したので誰、一人居ないはずなのに屋敷は隅々(すみずみ)まで小綺麗である。
それが言峰にとって不自然さと違和感を感じとっている。そして、弟子として屋敷に招き入れられた時から感じてるのは、自分自信を拒絶するかの様な気高い澄んだ気の流れと魔力。
当初から、わかりきってる事だった。自分は聖杯戦争に参戦する理由である動機や願望が何一つない事を。この世で奉信する神の次に尊敬し敬謙(けいけん)の念に値(あたい)する父親の切実の願いによりに言峰は、遠坂家の門に下っただけの話し。
くくっと小さく皮肉めいた笑いを言峰は零す。
物知らぬ幼い娘の凛は自分の、底無し沼の如(ごと)くどす黒く澱(よど)んだ何かに気づき警戒してると言うのに────── 夫婦揃いに揃ってお人良し過ぎる。
階段を登り奥へと廊下を歩くと、遠坂夫妻の寝室の前に辿(たど)り着いた。夫妻の寝室は、愛娘の凛でさえもむやみに立ち入る事をしない様に時臣から言われて居る。
愛娘の凛でさえも絶対入室禁止命令である。時臣にとってこの夫妻の寝室は神聖な領域なのだろうと言峰は思う。
その夫妻にとって神聖な領域に踏み荒らす自分は、如何様(いかよう)な者だろう。両腕に抱きかかえられた時臣が、か弱い力で必死になり言峰を止めようとしているのが伺(うかが)える。
そんな時臣を見つめ言峰は、英雄王の取り計らいは何か考える。それとも退屈な時臣に飽きて気まぐれの思いつきで、ただの暇つぶしなのだろうか??
外界と神聖な夫妻の寝室を隔ててる、美しい装飾(そうしょく)が施(ほどこ)された重厚な作りの扉を開く。
夫妻の好みが随所(ずいしょ)に垣間見るシンプルな部屋でありながら、遠坂家の当主に相応(ふさわ)しい部屋である。クローゼットやチェストを見るだけで豪奢(ごうしゃ)な生活をしてるのが伺(うかが)える。本人達にとっては、ごく当たり前で普通なだろうと。
厚地の遮光カーテンで遮(さえぎ)られた小さな世界は雑音は聞こえない。夫妻の寝室はどうやら間続きでソファーが置かれた部屋で談話室のようだ。
扉が二つある。片方はきっと浴室と洗面所ではなかろうか?? とベッドルーム。
さすがの言峰も苦笑した。分別のある常識人でありながら、どうりで何か一般人の常識からは大きく外れてる気がよくわかった。
言峰は時臣を抱きかかえながら、夫妻のベッドルームに続く扉のノブに手をかけた。
部屋の中の豪奢(ごうしゃ)な家具や骨董品に贅をつくした部屋を見ても幾分か慣れた。部屋の真ん中に広々としたベッドが一つ置かれていた。
ベッドスプレットと羽毛シュレープをはぎ、時臣を寝かせた。ベッドに運びさえすれば時臣は、安心して寝落ちするだろうと言峰は思った。
あれ程に抵抗してた時臣が、今度は言峰の身体に腕を回し離そうとしない首筋に熱い息がかかる。
「時臣師。」
「綺礼??」
甘ったるい声音(こわね)で名を呼ばれ言峰は時臣を見つめると、宝石の様なアイスブルーの瞳は物欲しげに誘う。
「時臣師、今、少々お待ちを。私にも心構えをさせてください。」
言峰にそう言われると時臣は、小さく首を傾(かし)げると身体から腕をそっと離した。その仕種は少女のように可憐である。
「アサシン。」
言峰に呼ばれふっと風の様に黒い影が綺礼の背後に跪(ひざま)づく、かいがいしく手の平に何かを乗せて差し出す。先程、客間で時臣が飲んでいたワイングラスだった。
「貴方だけ、痴体を曝(さら)す訳にいけません。この、私めも御一緒させてさせて頂きます。魔術回路が持たない私に、この媚薬がどの程度効くか分かりませんがね。」
言峰はアサシンから受け取るとワイングラスを口元に寄せて、一気に呷(あおる)と空になったワイングラスを背後に跪(ひざま)づく影に投げ渡たす。影はワイングラスをしっかりと手の平で受け取った。
「下がれ、アサシン。警戒を怠るな。」
「仰(おお)せのままに。」
影が消えると言峰はカソックを脱ぎ、欲望に汚され艶やかに濡れた瞳の時臣に微笑みかけた。
それに答える様に時臣は、言峰の首筋に唇(くち)づけた。