ホンダのメンバー、ジル・ド・フェラン、サイモン・ペジノ、デイビッド・ブラバム、スコット・シャープ、エイドリアン・フェルナンデス達とド・フェラン・モータースポーツ、パトロン・ハイクロフト・レーシング、ロウズ・フェルナンデス・レーシングのピットクルー、ケータリングスタッフ、総勢80名が集合した。
1日目、早速、彼らはレーシングスーツに着替えて、アレクサンダー・ヴルツに車両の説明とドライビングのポイン . . . 本文を読む
スタートはアレクサンダー・ヴルツがハンドルを握った。ジル・ド・フェラン、サイモン・ペジノの順に約1時間ごとの水素充填スティントで交替した。
チーフメカニックの 日野栄治を中心に編成されたピットクルーも、実戦さながらの動きを見せていた。
アレクサンダー・ヴルツのドライビングでセットアップしたキャパシタであったが、アキュラ・レーシングチームのドライバー達のドライビングでは、容量が不足であることが判明 . . . 本文を読む
こうした活動内容と、駆動・制動制御装置のプログラムの見直しを反映した2号車が9月末に完成した。
基本的なチェックを鈴鹿サーキットで行なった後に、アレクサンダー・ヴルツがハンドルを握った。
軽量化とキャパシタの採用の効果は歴然としていた。直線からコーナーに入るときの強烈な回生制動の利きは違和感の無いものになっていた。油圧ブレーキを利かすための踏み増しはわずかで良くなった。S字カーブも軽量化でやりやす . . . 本文を読む
ホンダは、2008年5月に鈴鹿テストコースでシェイクダウンされ、各種のテストを経て、アレクサンダー・ヴルツのドライブで本格テストに入った。
物凄い加速力である。基本的には電気自動車であるので、ギアチェンジはない。アクセルとブレーキのみでクラッチはない。最初、アレクサンダー・ヴルツは戸惑ったが、24時間の耐久走行ではギアチェンジをしなくてすむ分だけドライバーの疲労を軽減できると考えた。
最高速は文句 . . . 本文を読む
14時間経過した
2号車は、第13スティントに入り夜明けを迎えたのだが、空は暗く、雲が低くたれこめていた。突然、雷鳴がとどろき、大粒の雨がポールリカールを襲った。
バケツを逆さまにしたような降り方であった。
雨天走行の車両の状態を把握するためにしばらく走行させることにした。
大橋(真)が2号車にピットに入るように指示を出そうとすると、無線が利かなかった。先ほどの雷の影響を受けたようだ。
テレメータ . . . 本文を読む
6時間が経過した。
夜が訪れ、ライトを点灯した。
その後、2台とも順調に走行し、第13スティントに入った。
突然、1号車のヘッドライトが消えた。2号車に先導されてピットに戻ってきた。
1号車のカウルが剥がされた。
ヘッドライト、バッテリー、オルタネーターに異常はなかった。
配線である。
これは、非常にやっかいである。
配線の一部が焼損していた。
本格的に、配線のレイアウト、整理をしないと解決しない . . . 本文を読む
ル・マンと同じ午後3時に、2台のマツダ797は24時間のテスト走行を開始した。
スターティングドライバーは、1号車が片山、2号車がマンデビルJrであった。
第1スティントは、8500rpmに抑えてマシーンの調子を診た。
各部異常なく順調であった。
片山から全く問題ないから9000rpmにアップしたいと申し出があった。
大橋(真)は、9000rpmにアップする指示を出した。
水を得た魚のように2台は . . . 本文を読む
美雪たちと入れ替わりに、マツダ797とマツダスピードのル・マン部隊約80名がポールリカールに勢ぞろいした。
大橋(真)の指示で、各人がそれぞれの分担を着実にこなし始めた。
マツダ797の梱包を解きチェックする者、部品のコンテナから取り出した部品の整理をRFIDのリーダーを片手に、ノーパソのデーターベースとの確認を行ないながら進める者、備品を取り出しピットに運んでセットする者、セットしたテレメーター . . . 本文を読む
都市に人口が集中するにしたがって、都市には人流、物流の効率化が求められる。また、そうした巨大都市の機能を支えるエネルギーと情報、生活用品、生鮮食料品などの供給の仕組みを再構築する必要がある。
都市の主な人流の交通機関は垂直・水平移動、斜め移動、鉄道などの公共交通機関となる。つまり、エレベーターや動く歩道、エスカレーター、ビル間を結ぶ新交通システム、鉄道・地下鉄、それに老人用の進化した電動 . . . 本文を読む
大橋(孝)は、1スティントを50分とし25スティントで走行する計画を発表した。
4日目の午後3時から24時間耐久テストを開始した。
スターティングドライバーは、1号車がシューマッハー、2号車が関谷であった。
第1スティントは、順調に何事も無く経過した。
1号車がピットインして燃料補充、トゥルーリにチェンジした。
2号車がピットインして燃料補充しはじめたとき1号車がピットアウト、片山右京にチェンジし . . . 本文を読む
前編の冒頭で述べたように、21世紀後半には、電気エネルギーを主体とした社会に行き着かざるを得ない。だが、現在の自動車社会そのままの形で、電気自動車に置き換わるのではないと筆者は考える。それには、電気エネルギーを主体とした最適社会を実現させなければならない。
では、電気エネルギーを主体とした最適社会とはどんなものだろうか。それは、電気自動車の弱点である走行距離やコスト、重量などを社会シス . . . 本文を読む
美雪たち約100名とTSH021 2台の部隊がポールリカールに到着した。
美雪は、各セクションのチーフに24時間耐久テストの準備に取り掛かるように指示した。
各セクションは整然と準備を開始した。
組織的な動きであった。
TSH021 2台は、ガレージの工場に運び込まれた。
入念なチェック作業が開始された。
初日はチェック作業とピットの設営作業に当てられた。
日本人ドライバーたちは、TMGが用意した . . . 本文を読む
クリーンディーゼルが実用化できたのは、「コモンレールシステム」という電子制御式燃料噴射装置の登場が大きい。燃料を噴射するインジェクターの駆動にソレノイド(電磁弁)や、電圧をかけると変形するピエゾ素子を使って、燃料の噴射料を細かく制御する。1600~2000気圧と高圧の燃料を、1回の燃焼で3~5回に細かく分けて噴射するでき、燃焼状態を理想的にコントロールできるようになった。
さらに、排 . . . 本文を読む
16時間を越えるあたりで遊星歯車から音が出始めた。
ピットストップで交換作業に約1時間を要した。
20時間を超えるあたりから、外気温が上昇しモーターがダレ気味になり始めが、午後3時を迎え、どうにか完走することはできた。
美雪は、24時間耐久走行の結果をまとめ以下のようにル・マンまでに反映さすことにした。
・キャパシタの容量アップと回生制動力増強
・コントローラーの冷却
・モーターの冷却性能アップ . . . 本文を読む
日経トレンディネットに2009年09月29日に掲載した記事
業界の鉄人がトレンドを斬る クルマ編・須藤 將
鉄人】電気自動車の将来と未来のクルマ社会を占う《後編》
を転載します。
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20090728/1027985/?ml
電気自動車社会が実現するまでの現実的な解決策として、前編では主にハイブリッド車に . . . 本文を読む