鉄人 須藤 將のホームページ

ホームページとして利用しています。モータージャナリスト、Webコンサルタントとしての活動をここに記載します。

「水素ロータリーがル・マンを制覇する日」その79

2009-10-11 10:54:10 | 車・バイク
6時間が経過した。
夜が訪れ、ライトを点灯した。
その後、2台とも順調に走行し、第13スティントに入った。
突然、1号車のヘッドライトが消えた。2号車に先導されてピットに戻ってきた。
1号車のカウルが剥がされた。
ヘッドライト、バッテリー、オルタネーターに異常はなかった。
配線である。
これは、非常にやっかいである。
配線の一部が焼損していた。
本格的に、配線のレイアウト、整理をしないと解決しない。
由香里は、即座に1号車の走行中止、2号車に必要な人員を残して、ガレージに集合することを大橋(真)と相談して決定した。
大橋(真)は、引き続き2号車の走行の指揮をとるためにピットに残り、由香里は、1号車と共にガレージに移動した。
由香里は、1号車のワイヤーハーネスを、すべて外して平面に展開し、接続先の部品には看板を立てて、電力負荷を一目分かるようにするようにメンバーに指示した。
作業が完了した。
各ワイヤーハーネスに均等に電力負荷がかかるように設計したはずであった。
ところが、途中での設計変更や不具合対策が反映されていないうえに、急遽対策したところは、電力負荷を考慮せず、近くの電源ハーネスから分岐されていた。
電力負荷の集中が起こって焼損していた。
由香里は、上月のアドバイスで各ワイヤーハーネスに均等に電力負荷がかかるように、展開されたワイヤーハーネスを組み換えた新しいセットを製作する指示を太田に与えると、すぐにピットの大橋(真)と連絡を取り、電力負荷が集中しないような対策を命じた。
大橋(真)は、問題の焼損したハーネスに接続された機器の内当面の走行に必要の無いもの電源をオフさせた。
データレコーダと送信装置が止められた。
これが、思わぬ影響を与えることになるのだが。

最新の画像もっと見る