文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

6Gの主導権は絶対に中国に渡さない、と決意した…日米を含めた西側で6Gの国際標準規格をつくりあげるためには、

2021年09月06日 22時33分54秒 | 全般

以下は、有数の読書家である友人から強く勧められて購読している、宮崎正弘氏の下記の著作からである。
彼は、机の前に座って朝日新聞の論説を読んでいる様な所謂学者達等の正反対で、民俗学者、人類学者としての基礎をフィールドワークに置いていた梅棹忠夫に等しい人間である。
彼の、旺盛な、今を解明する為の調査と著作活動と、その業績は、梅棹忠夫を超えたと言っても過言ではない。
日本国民の大半が全く知らない事実が満載されている。
日本国民のみならず世界中の人たちが必読の本物の本である。
P208
独自技術開発から協力開発に切り替えた日本
米国は5G開発競争で中国に先を越されたと自覚した。だから「次の次」を狙いだした。
6Gの主導権は絶対に中国に渡さない、と決意したのである。そのために必要なのが、6Gの国際標準規格化で主導権を握ることだ。
日米を含めた西側で6Gの国際標準規格をつくりあげるためには、6G開発で中国に先行する必要がある。 
日本の6G開発に関してはNTTとソニー、米インテルが連携することになった。当面は光で動作する新原理の「光半導体」開発などで協力する。
NTTはすでに消費電力が現在の100分の1になる光半導体の試作に成功している。
実用化すれば、1回の充電で1年もつスマートフォンが実現する。
またNTTは「IOWN(アイウオン)」と名付けたネットワーク構想を世界標準とする戦略目標を掲げ、6G開発競争で主導権を握ろうとしている。
さらには全国7300ヵ所の自社ビルに蓄電し、独白の電力網を構築するという。これらの投資額は6000億円だ。 
日本はアメリカと同様に5Gの研究開発と実用化に立ち遅れた。
その理由は半導体技術については米クアルコム、基地局ではフィンランドのノキア、スウェーデンのエリクソンに基幹特許を先に登録されたからだ。
その結果、世界規格の主導的ポジションから外れることとなった。
スパコン(スーパーコンピュータ)では中国に追いつかれ、追い抜かれたアメリカだが、巻き返しも早い。 
2019年10月には、世界最高速のスパコンが1万年かかる計算問題を、グーグルが開発した「量子コンピュータ」が3分20秒で解くことに成功したとグーグルが発表した。
CKOのピチャイは、「地球から最初に飛び立った宇宙ロケットに匹敵する成果だ」と胸を張った。 
これが朗報なのは、量子コンピュータが安全保障にも大きく貢献するからだ。
たとえば量子コンピュータによって、現在では事実上解読不可能な暗号を解き明かす可能性がある。
通信技術と暗号技術はいわば両輪で、たとえば「仮想通貨」と呼ばれていた暗号資産は高度な暗号技術があって初めて成立している。 
2014年1月3日付の「ワシントンポスト」に、アメリカNSA(国家安全保障局)の元局員、エドワード・スノーデンヘの取材によって、「NSAがほとんどの暗号を解読できる量子コンピュータを開発している」ことが明かされている。 
次世代コンピュータが「量子コンピュータ」となることは早くからいわれており、その開発にもっとも力を注ぎ、カネと人材を投入してきたのが中国だった。 
しかし、中国が目的とするのは次期軍事技術開発だ。量子コンピュータの軍事利用のために、社会科学院所属の「量子技術研究開発センター」の着工に踏み切った。
安徽省合肥市に隣接する37ヘクタールもの広大な敷地に、膨大な予算を投じて、量子コンピュータやステルス潜水艦の開発などの専門家を集めるプロジェクトで、総工費は約760億元(約1兆2000億円)である。 
ここでは暗号解読の研究や、追尾探索を逃れて3ヵ月連続潜行できるステルス潜水艦などの次期軍事技術開発に集中する。
2020年12月現在、優れた量子力学などの研究者をスカウトするべく、中国は中国全土ならびに世界各地に散った中国人留学生や技術者の選考に入っている。 
日本の科学技術振興機構(JST)の調べで、米中両国は量子コンピュータの関連研究に5年間で1000億円以上を投資する国家戦略を進めるという。 
とはいうものの、日本は深刻な人材不足で、日本共産党の影響力が強い日本学術会議は、安全保障が関係する研究については行わないと声明している。
局所的技術で世界一であっても、5Gのように基本特許を握られると二番手に甘んじざるをえなくなる。
こうしたことの自覚があるからこそ、日本は次世代技術の開発を独自ではなく、アメリカと連携する戦略に切り替えたのである。
この稿続く。

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