以下は前章の続きである。
当時と認識が違う証拠
そしてもう一つ。
「薬物を盛られてレイプの被害に遭った」と思っている人ならば、絶対にしたはずの行動をあなたはしなかった。
それは病院での検査内容にかかわることです。
あなたは、ホテルを出て数時間後に婦人科に行ったと証言しているが、そこでどんな検査を受けましたか?
妊娠していないかどうかだけを検査し、ピルをもらったと言っている。
ホテルの部屋での、英語の独り言の内容と符合します。
病院やその後、連絡したNGOの対応に不満を述べてはいるか、どう言い訳しても、あなたは結果として血液検査を受けなかった。
あの段階では、「デートレイプドラッグを飲まされてレイプされた」とは思っていなかったからではありませんか?
もしあなたが、実は血液検査を受け、その結果を持っているなら、ぜひそれを提出してほしい。
「デートレイプドラッグ」の成分は出ていましたか?
出るはずがない。
そんなものは誰も使っていないからです。
検査結果さえあれば、「薬を盛られて抗拒不能な状態にされた」というあなたの主張は根底から崩れることになります。
結局のところ、あなたがいま「薬を盛られてレイプされた」と思い込んでいるのであれば、それはあの朝からそう思っていたのではなく、あとから時間をかけて自ら思い込んでしまったということになります。
違いますか?
それを示すもう一つの物証がある。
それは、私のTシャツを着て部屋を出ていった詩織氏を見送ったあと、ワシントン到着後の四月六日夜に受け取ったあなたからのメールです。
「山口さん、お疲れ様です。無事ワシントンへ戻られましたでしょうか? VISAのことについてどのような対応を検討していただいているのか案を教えていただけると幸いです。 伊藤」
これが、被害者がレイプ犯に送る文面でしょうか?
私をレイプ犯と思い込んでいるのであれば、最初のメールで一切そのことに言及しなかったのはなぜですか?
事案から二年以上過ぎてから記者会見まで開いて、「薬を盛られてレイプされた」と訴えたあなたとは、当時は認識が違っていたからではありませんか?
そして、このメールに関してもう一つ、あなたの悪意を指摘しなければならない。
あなたはこれまでに、週刊誌などに対して、私とのメールのやり取りを部分的に公表していますが、このメールはあえて伏せている。
それはなぜですか?
都合が悪いと思っているからですか?
それならば、私を犯罪者に仕立てるという目的において「都合のいいメール」と「都合の悪いメール」があるということになる。
全てのメールが時系列で明らかになれば、私が何を言いたいかわかってもらえるでしょう。
私の主張に矛盾があるというなら、ぜひ指摘してほしい。
なぜ「犯罪が行われなかった可能性」を否定できないのに、あなたの心中では長い時間をかけて断定的な被害者感情と私への憎悪が醸成されたのか。
そして、都合のいい事実だけを提示するという操作まで行って、私を犯罪者に仕立て上げようとしたのか。
本当のところは、あなたにしかわからないことだ。
今後の民事訴訟のなかで明らかにされていくことを期待します。
しかし、ここまでわかっている事実関係から、一つの可能性を類推することはできます。
この稿続く。