文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

ベタの亡者記事でも勿体ないのに、朝日は評伝に加え天声人語で池の嘘の数々をあたかも真実かのようになぞって見せた

2022年01月29日 16時30分01秒 | 全般

以下は1/27に発売された週刊新潮の掉尾を飾る高山正之の連載コラムからである。
本論文も彼が戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである事を証明している。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
TK生の嘘
日本人にとって韓国の大統領はみな碌でもない人のように見える。
初代の李承晩は日本が占領下で手出しができないのをいいことに漁船員を拘束し、竹島まで盗った。
吉田茂が切れて在日の追放と韓国艦艇の実力排除を下知すると、李承晩は慌てて「日米韓三国平和条約」を提案し、米国のスカートの中に逃げ込んだ。
実に卑劣な男だった。
金泳三は人気回復のために日本が建てた朝鮮総督府を爆破した。
山ほど爆薬を仕掛けたのにドーム部分にぽこり穴が空いただけだった。
それでも支持率は80%を越えた。
以来、人気回復は反日が常套になった。
ただ日本には碌でなしでも、韓国の為政者としては評価される者はいる。
例えば朴正煕だ。
彼が政権を取ったころの韓国は[分裂と腐敗と因循姑息に塗れ、工業化など神話](米経済学者W・ロストウ)でしかなかった。
朴はそれを承知していたので「韓国人でなく日本人にやらせよう」と考えた。
彼は血書で日本人を感動させ、満洲軍官学校に裏口入学した過去がある。
日本人の操り方を知っていた。
で、ライシャワーに頼んで日韓会談を再開させ、日本人を怒らせた「謝罪」の文言を引っ込めた。
そして「我々は共産主義の防波堤になって日本を守っている」「自衛隊の代わりにベトナム戦争にも参戦する」と言った。
日本人はころり騙された。
5億㌦の経済援助に加え、半島に残した7兆円の日本資産から工業化のノウハウまでくれてやった。
かくて韓国人が一切関与しない「漢江の奇跡」ができあがった。
朴正煕に次ぐのは彼の暗殺後に出た全斗煥と慮泰愚の軍人コンビになるか。
全もただわあわあ騒ぐだけの民の性状を知っていたから戒厳令で黙らせ、まともさを教え込んだ。
漢江の奇跡は一時の徒花に終わらず、一人前の工業国家に育て上げられた。
慮泰愚はそれを受け、ソウル五輪を成功させ、国連加盟も果たした。
ロストウの見立てたダメな国は三人の軍人大統領によって大きく化けた。
しかしそこはごねる民情の国だ。
勝手を言っては暴れる。
北朝鮮が支援して光州市で火を噴いた。
武装した市民が警官と衝突し、国軍も制圧に出る血みどろの騒ぎとなった。
厳重な報道管制下だ。
何も聞こえてこないときに現地の「T・K生」が「貴重な真実」を雑誌「世界」に報じ続けた。
「全斗煥は空挺部隊員に覚醒剤を飲ませ、全羅道市民の皆殺しを始めた」
「タクシー運転手も殺され、女子高生は裸に剥かれて銃剣で刺された」
「妊婦を刺し、胎児を投げ捨てた」「虐殺された市民は2000人にのぼった」
T・K生の報告に、例えば西岡力も全斗煥の政治に眉を顰めたと『日韓「歴史認識問題」の40年』にある。
日本人はもっと初(うぶ)だから金大中みたいなのをいい人と思い、「まだ北の方がまし」風の空気も生まれた。
現場の韓国はもっと酷い二人の大統領は光州市大虐殺の廉(かど)で裁かれ、後に減刑されるが、全は死刑、盧も無期が宣告された。
そして何年かして元在日の池明観が「私がT・K生です」と志村けん風に名乗り出た。
彼は東京女子大で先生をしながら見てきたようなお話を書いていたのだ。
それが事実ならまだしも後の検証でT・K生の話はほぼ嘘。
市民の死者数は10倍も誇張され、裸に剥かれた女子高生も、殺された妊婦もいなかった。
連載は本多勝一より酷いデマと嘘の塊だった。
池の嘘は日本にも影響があった。
「北の方がまし」論のせいもあって拉致問題は朝日が一笑に付し、吉田康彦が大声で否定して、被害者救出は大きく遅れた。
嘘つき池が先日、死んだ。
ベタの亡者記事でも勿体ないのに、朝日は評伝に加え天声人語で池の嘘の数々をあたかも真実かのようになぞって見せた。
そんなのを子供に書き写させて楽しいか。


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