文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

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最高齢奏者、芸術の可能性語る…日経7.24読書欄から。

2011年07月24日 20時25分35秒 | 日記
チェリスト、青木十良  大原 哲夫著  文中黒字化と拡大は芥川。
 
1915年7月12日生まれの96歳。チェロの青木十良は最高齢の器楽奏者という記録保持者にとどまらず、今月もJ・S・バッハの「無伴奏組曲第4番」の新譜(N&F)を出す現役の音楽家である。
 
小学館時代、CDと豪華解説書を組み合わせた「モーツァルト全集」「武満徹全集」を手がけるなど音楽通で知られた編集者の大原哲夫は2002年秋、青木が85歳で録音したバッハの「無伴奏組曲第6番」を偶然耳にした。初めて聴く「人魂の演奏」に衝撃を受けた大原は青木宅へ足かけ5年で20回も通い、計70時間のインタビュー録音から、対談形式の評伝をまとめた。
 
裕福な貿易商の10番目の子として生まれ、音楽から化学まで幅広い教養を身につけた幼少期。大家クレングルの教えを受けた在日ドイツ人商社員フィッシャーにより開かれたチェロ奏者への道。山田耕筰や近衛秀麿ら音楽家との出会い。終戦前後の楽壇の状況などが克明に語られていく。

  
「五〇、六〇歳は、一生懸命勉強しなくちゃならない。そして、七〇で花を咲かせたらいい」。

長寿に恵まれた青木が音楽、芸術に求めてきたのは日本語の「気品」「品格」に通じるフランス語の「エレガンス」だという。

欧州の大家も認めた脱力奏法に磨き岑かけ青木のバッハが「ほぐれてきた」のは90歳を過ぎてから。

可能性を信じ究めるこかの大切さが語られる。(飛島新社・2200円)
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