文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

ホイジンガはブルクハルトのルネサンス観には、疑問を持っていた。彼は『中世の秋』で14-15世紀の

2016年12月06日 17時40分52秒 | 日記

思想
ホイジンガはブルクハルトのルネサンス観には、疑問を持っていた。彼は『中世の秋』で14-15世紀のブルゴーニュ公国の文化について考察を行っているが、第8章で遊びと真面目が截然としていない文化たるキリスト教社会にあって、卑猥な言葉も隠し言葉もこれらは全て民族的背景を基盤とし、貴族文化の成熟の象徴であると称えている。これを発展させ、人間の本質を「遊戯」に見出したのが『ホモ・ルーデンス』(1938年)である。

『中世の秋』の訳者で、ホイジンガ研究の第一人者である堀越孝一は、ホイジンガのシンボリック的暗示のもつ偉大なる魅力にとりつかれたと述べている。神話学者のカール・ケレーニイとも交流があった。伝記に、里見元一郎『ヨハン・ホイジンガ その歴史観と文明論』(新書判:近代文芸社、2001年)がある。

ホモルーデンス (homo ludens)
〔遊戯人の意〕 オランダの歴史学者ホイジンガの用語。遊戯が人間活動の本質であり,文化を生み出す根源だとする人間観。遊戯は生活維持を求める生物学的活動を超え,生活に意味を与えるものであると主張される[3]。

著書
日本語訳
『ホイジンガ選集 (全6巻)』(兼岩正夫・里見元一郎ほか訳、河出書房新社、1971年、新装版1990年) 
  1.ホモ・ルーデンス、2.明日の蔭の中で、3.歴史を描くこころ、4.ルネサンスとリアリズム、5.汚された世界、6.中世の秋
『中世の秋』(兼岩正夫・里見元一郎訳 創文社、1958年/角川文庫(上下)、1976年、新版1984年)-新版が「選集6」 
『中世の秋』(堀越孝一訳、中央公論社 「世界の名著55」、1969年(のち新版)、単行判1971年/中公文庫(上下)、1976年/中公クラシックス (I・II)、2001年)- 単行判解説は堀米庸三
『ホモ・ルーデンス 人類文化と遊戯』(高橋英夫訳、中央公論社、1963年、新装判1971年/中公文庫、1973年)
『文化史の課題』(里見元一郎訳、東海大学出版会、1965年、新装版1978年)、史学論考
『エラスムス 宗教改革の時代』(宮崎信彦訳、筑摩叢書、1965年、復刊1985年/ちくま学芸文庫、2001年)、人文主義者エラスムスの評伝
『レンブラントの世紀 17世紀ネーデルランド文化の概観』(栗原福也訳、創文社〈歴史学叢書〉、1968年、新版1987年 ほか)
『わが歴史への道』(坂井直芳訳、筑摩叢書、1970年、新装版1985年)、自伝・史論などの論考集
『朝の影のなかに わたしたちの時代の精神の病の診断』(堀越孝一訳、中央公論社、1971年/中公文庫、1975年) 
『アメリカ文化論 個人と大衆』(橋本富郎訳、世界思想社、1989年)
『祖国の歴史より ホイジンガ歴史画集』(里見元一郎訳・解説 河出書房新社、1972年)


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