中国の「極超音速ミサイル」に日本の最先端技術を流用か 注意すべき「スパイ留学生」の実態
(2ページ目)中国の「極超音速ミサイル」に日本の最先端技術を流用か 注意すべき「スパイ留学生」の実態 | デイリー新潮 (dailyshincho.jp)
中国のミサイル兵器に日本の技術を流用?
中国には人民解放軍が使用する兵器や装備品の開発を担う、『国防七校』と呼ばれる大学がある。(1)北京航空航天大学、(2)ハルビン工業大学、(3)北京理工大学、(4)ハルビン工程大学、(5)南京航空航天大学、(6)南京理工大学、(7)西北工業大学がそれで、これらは国家国防科技工業局が直接管理する。
文部科学省が昨年10月に改訂した「海外の大学との大学間交流協定、海外における拠点に関する調査結果」によると、日本では43もの国公立・私立大学が先の国防七校と提携を結んでいる。東京大学を皮切りに京都大学、東京工業大学といった我が国を代表する高等教育機関が、人民解放軍系の国防七校から留学生を受け入れて、軍民両用技術などの研究に従事させているのだ。無論、日本への留学生には、帰国後に兵器の開発や性能向上の研究に従事する者が少なくない。
今年2月20日、読売新聞朝刊は「[経済安保 見えない脅威](4)「極超音速」 和製技術も」とのタイトルで、中国が開発した新兵器である極超音速ミサイルに日本の技術が流用された可能性があると報じた。
スパイだった東北大学助教授
少し長いが引用する。
〈マッハ5以上の速度で飛行し、現状のミサイル防衛では迎撃が困難とされる極超音速兵器。戦争の様相を一変させる「ゲームチェンジャー」とも称される最新技術の開発を巡り、中国が日本の知見を流用した恐れがある――。
公安調査庁はこう警告する報告書を関係閣僚にひそかに提出した。昨年5月のことだ。
報告書は「我が国から帰国後、中国の大学・研究機関で極超音速関連研究に従事する中国人研究者が多数存在する」と指摘し、ジェットエンジンや流体力学、耐熱素材などの専門家9人を挙げた。
同庁関係者によると、うち1人は中国の軍需企業傘下の研究所研究員を経て1994年、東北大の助教授に就任。科学研究費助成事業(科研費)を受け、宮城県の宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))の関連施設に出入りした。2000年頃、中国に戻ると、中国科学院の研究所に所属し、17年にJAXAの施設と形状が似た極超音速実験施設の開設に関わったという〉
これが事実なら、日本独自の高度な技術が国立大学を通じて中国に渡り、それがほぼ迎撃不能とされる最新兵器の開発に利用されたことになる。これまで日本の学術界は一貫して「軍事技術開発には協力しない」との立場を取ってきた。ところが実際には、日本の安全保障には一切協力しないが、その裏では中国の軍拡にせっせと協力していたのだ。日本学術会議は、先の主張に基づいて、国防七校と提携する大学に提携の破棄を求めるべきだ。
この稿続く。