2019年2月10日初版発行の「マスメディアの罪と罰」高山正之×阿比留瑠偉は活字が読める日本国民全員が必読の書である。
戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之と現役最高の新聞記者である阿比留瑠偉、産経新聞社記者の先輩・後輩が対談の形をとった、この本は老眼の人たちにも優しい本である。
*~*は私。
はじめに
2017年の話だが、森友学園・加計学園を巡る一連の疑惑を取り上げた朝日新聞の報道が「JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞」を受賞した。
JCJ賞は優れたジャーナリズム活動に贈られる賞だということになっている。
何かの間違いか、あるいは悪い冗談だろう。
いまや日本のジャーナリズムは業界全体で迷走している。
恥ずかしげもなく「報道しない自由がある」などと主張するメディアまで現れている。
とくに昨今の朝日新聞は、血迷った挙げ句に、逆恨みして安倍政権と日本人に向かって呪いの言葉を口走るだけのデマ新聞になり果てた。そんな新聞に本気で賞を出しましたとJCJは言う。
ジャーナリストの名が泣くし、それを異様とも思わないマスコミの対応にもっと驚かされる。
日本のメインストリームメデイアはもはや死んだのだろうか。
マスコミの使命は反権力の言論にあり、リベラルこそが絶対の正義であり、反権力とリベラル・イデオロギーのためならばいくら墟をついてもかまわない、などという幼稚な価値観はいつ生まれたのか。
*私が気付いた概念である「左翼小児病」についての完璧な定義である。*
朝日新聞が臆面もなくそう公言したのは2007年、朝刊一面トップで表明した「ジャーナリズム再興」においてだ。
それほど昔のことではない。
しかし、その根は深い。
日本は清を倒した。
当時の最強国だったロシアも破った。
いずれも自衛の思いからの戦いだったが、気が付いたとき、日本は白人優越主義をかざすアメリカの「倒すべき敵」になっていた。
挑まれた戦いに日本は粛々と応じ、それでも最善の戦いをした。
戦争には敗れたものの、日本は白人帝国主義の土台を成していた植民地をすべて解放し、白人種だけでなくアジア人もアフリカ人もそれぞれが自立し独立した国を営める新しい時代を生み出した。
「戦争とは他の手段をもってする政治の継続」とクラウゼウィッツは言う。
人を人ともみなさなかった白人帝国主義を速やかに終結させたという意味で日本は見事な国際政治を行ったともいえるが、その分、日本は白人の妬みや恨みを一身に負い、戦後政策という名のもとに国の形も歴史も日本人という民族意識も物理的、心理的に解体される。
代わって日本は残虐な侵略国家でアジア諸民族を虐げ、殺戮したという自虐史観を植えこまれた。
彼らのいうウォー・ギルト・インフオメーション・プログラム(WGIP)による歴史の捏造だった。
朝日新聞やNHKはそんな現場に立ち会いながら、それを偽りと知りながら日本解体と自虐史観を受け入れて己の生き残りを図った。緊急避難と言ってもいいが、彼らは日本が独立した後も己を正当化するため、そんなまがいものの価値観、歴史観を守り続け、いまだに吹聴し続けている。
そのいびつさを日本人自身が気づき始めた。
安倍晋三は、正しい歴史を取り戻すために努力している数少ない政治家のひとりだ。
第二次政権を立ち上げる直前、彼はWGIPに未だにしがみつく朝日新聞を名指しで、フェイクニュースと指摘したのはまさに正しい歴史を取り戻すための宣戦布告と理解していい。
自らは絶対の安全地帯にいると信じ、偽りを報道して恥じなかったマスメディアには驚天動地の出来事だっただろう。
しかもそれは朝日新聞の「吉田清治」の記事全面取り消しという大きな敗北を味わうことになった。
今はなりふり構わぬ安倍潰しに狂奔する理由はそれに敗れればもう廃刊しかないからだ。
私も17年前はマスメディアの中にいた。
一介の新聞記者であった。
ゆえによくわかるのだ、連中の欺瞞や特権意識が。
本書は、産経新聞の後輩記者にあたる阿比留瑠比氏との対談本である。
世代は異なる。畑も違ったが、当時からできる記者だった。
阿比留氏は今や隠れもない産経新聞の看板記者だ。
眼力も筆力もある。
こちらが0Bとなった後も交流はある。
彼は90年代から安倍晋三をマークし、以来、第一次政権崩壊後の失意の時代も通して接し続けていた。
今や世界のキーマンともなった安倍氏の数々の肉声を記録してきた数少ない記者のひとりだ。
*その安倍氏に対してNHKは今日(2019/2/12)も、朝日新聞と反日国家の代理人であると言っても全く過言ではない野党の政治屋達とNHKが作ったフェイク報道であるモリカケ問題で作り上げた嘘である…安倍首相の人柄が信用できない、などという項目を今日も入れて、たった2,000人にも及ばない調査を世論調査だなどと言って発表していた。Watch9での桑子の発表の仕方も正に印象操作そのものだった…支持率47%に対して不支持率37%と読み上げるのである。印象操作したい意図がなければ、単に支持率47%、不支持率37%と言うはずである。…に対して、という言い方をすることに依って、不支持率が、こんなに高いんですよ、と、この報道部を支配しているエージェント達は強調し深層心理に植え付けようとするのである。自民党の支持率は常に50%前後で立憲民主党の支持率は5%前後しかないのだが、この件についてはアナウンスもしないし、ましてや自民党の支持率50%に対して立憲民主党の支持率は5%などとはアナウンスした事も無い。それどころか今日は終に政党支持率は発表もしなかった…きっと信じがたいほどに低い支持率だったのだろうと日本国民全員は推測すべきなのである*
阿比留氏はまた、多忙な記者生活の中、実名でブログを書き、著作も次々と執筆するバイタイタリティも持つ。
そのコラムは若者の間でも確かに人気が高い。
視点も確かだ。
そんな後輩と日本のメディアの在り方を忌憚なく語り合ったのが本書である。
日本を考えるとき少しでも参考になればと願っている。
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