以下は今朝の産経新聞のフロントページに太陽光発電「49kWの罠」と題して掲載された櫻井よしこさんの論文である。
日本国民のみならず世界中の人たちの必読の書であり、読者は私が櫻井よしこさんに対して最上級の敬意を持っている事が当然である事…彼女以上に国民栄誉賞に相応しい女性はいないとの私の言に黙って同意するはずである。
見出し以外の文中強調は私。
「旧民主党は東日本大震災の原発事故を受けて太陽光発電ありきで走ってしまった。自然再生エネルギーの前向きな評価だけに基づいて制度設計しましたが、当時は予想できなかった事態の発生に内心じくじたるものがあります」
「言論テレビ」でこう語ったのは、静岡6区選出の旧民主党、現在は国民民主党副代表の衆院議員、渡辺周氏だ。
氏は、同じく静岡県選出の細野豪志氏とともに8月22日、「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」の幹部らと資源エネルギー庁を訪れ、地元で進行中のメガソーラー建設計画の許可取り消しを求めた。
かつて原発ゼロ政策を方向づけ、再生エネルギー優先策を打ち出した彼らが、なぜいま、異議を唱えるのか。
「本来は環境に優しいはずの太陽光発電が環境を破壊し、C02削減のはずが山林の大規模伐採でC02を吸収する樹木を切り倒しています。住民を幸せにするどころか、感情を逆なでしています。太陽光発電自体に反対なのではありません。しかし、起きている現実には反対せざるを得ません」と渡辺氏。
伊豆高原では、韓国資本の「ハンファエナジージャパン」が104ヘクタール(東京ドーム約20個分)に相当する緑の高原を買い取り、その約半分の森林を伐採し、12万枚のギラギラのソーラーパネルを建設する大規模計画が進行中だ。
伊豆高原の緑豊かな景観は一変するだろう。
静岡県と伊東市、住民がこぞって反対するゆえんだが、業者は8月10日、森林伐採に着手してしまった。
暑さの厳しかった今夏、電力の安定的供給、C02の削減、再生エネルギー活用の重要性はおよそ万人が共有する思いだろう。
平成24年にスタートした、自然再生エネルギーの固定価格實い取り制度(FIT)を法制化した菅直人氏もそう考えていたはずだ。
だが、伊豆高原のみならず全国各地でいま起きている地元住民の反対運動は、太陽光発電が当初予想から大きく外れて、暴走し始めたことを示している。
暴走は、太陽光が悪いからではない。菅氏らの制度設計が欠陥だらけで太陽光発電をボロもうけの手段に貶めたからだ。
そこには貪欲な利益追求はあっても、太陽光発電を真に有益なものにするための、例えば、太陽光を蓄えるバッテリーの研究開発を義務づけるなどの工夫が全くない。
FITの仕組みによって、電力各社は再生エネルギー全量を、当初、1kW時、42円という国際価格のほぼ倍の高値で買い取るよう義務づけられた。
価格は20年間固定され、事業者には長期にわたり潤沢な資金が入る。
買い取り価格は、現在18円だが、それでも国際価格より高い。
業者に莫大な利益をもたらす枠組みの中でも、とりわけあしき制度が「49kW(キロワット)の罠である。
この稿続く。