文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

施行から73年間、条文を一言一句変えていない日本国憲法は、やはり異常なのです

2021年03月09日 11時24分50秒 | 全般
以下は、百田尚樹の日本国憲法、からである。
憲法は変えるのが、世界の常識 
日本国憲法は1947年5月3日に施行され、2020年5月3日で73歳になりましたが、作成された経緯やその中身など“突っ込みどころ”が満載です。
にもかかわらず、一言一句改正されることなく今日に至っています。
本章では、日本国憲法が世界的に見ていかに珍妙なものであるか、加えてこれを後生大事にしている日本人の愚かさ、そして改正の議論さえ許そうとしない日本社会の異常性についても語っていきます。 
まず前提として理解してもらいたいのは、憲法は数学の公式や物理法則のように不変なものではないということです。
1+1が2であることは、いつの時代も変わりません。
100年経とうが、1000年経とうが、1+1=2です。
アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア…地球上のどこで計算しても答えは2です。
また光の速度は未来永劫不変です。  
しかし、憲法は違います。
「人類にとって、これが正しい」という憲法は存在しません。 
その証拠に国ごとに憲法は違います。
同時に時代や情勢が変われば、それに合わせて変わるものであり、変えなくてはならないものです。
実際、他の国は憲法を何度も改正しています。
時代にそぐわなくなったら変える、それが世界の常識なのです。  
たとえば、アメリカの合衆国憲法には修正条項があります。
そもそも合衆国憲法は、上院と下院の規則や州権限の制限などを羅列しただけでした。
しかし、1788年に発効(成立)すると、国民の権利についても規定すべきではないかという声が上がりました。
そこで、連邦政府は修正条項を第1条から第10条まで追加して、国民の権利を規定したのです。
第1条では信教・言論・出版・集会の自由を、第2条では武器保有権(銃を所持する権利)を保障しています。 
憲法を施行したあとでも、時代に合わせて必要なものを付け加え、不要なものを削除する。
それが憲法というものです。
ちなみに第2次世界大戦後の1945年から2018年末までに、オーストラリアは5回、アメリカは6回、韓国は9回、イタリアは15回、フランスは27回、そして日本と同じ敗戦国のドイツは62回も改正しています。
メキシコに至っては、1917年に制定した憲法を200回以上(400回以上という説もあります)も改正しているというから驚きです。
200回以上も変えるなんて、施行当初の憲法がどんなに穴だらけの内容だったのか気になるところですが、それはともかく世界では改憲が当たり前のように行なわれていることが、よくわかります。 
ちなみに、イギリスは不文憲法(文字や文章で表すことなく慣習や判例の形式を取る憲法。慣習憲法とも言う)を採用しています。
つまり、成文憲法である日本国憲法とは異なり、成典化していないのです。
その代わりに「マグナ・カルタ(大憲章)」や「権利の章典」などの歴史的文書や過去の最高裁の判決を憲法としています。
ということは、時代に合わせてどんどん変わるということです。 
このことからもわかるように、施行から73年間、条文を一言一句変えていない日本国憲法は、やはり異常なのです。
すべての国を調べたわけではありませんが、もしかしたら、日本はまったく憲法を変えていない世界最古の国である可能性が高いです。
言うなればギネス級です。

 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。