文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

半導体不足が叫ばれているのに、なんてぇことだ、俺はとっさに某国工作員の仕業じゃないかと思ったね。

2021年04月28日 11時34分25秒 | 全般

発売中の月刊誌WiLLとHanadaには本物の論文、論説が満載されている。それでいて価格は950円(消費税込み)である。
有数の読書家である友人は「本ほど安いものは無い」が口癖だが、両誌は、それが全く正しい事を実証している。
日本国民全員は今すぐに最寄りの書店に購読に向かわなければならない。
両誌に満載されている本物の論説、論文は日本人のみならず世界中の人たちが必読である。
世界中の人たちには、本欄が出来るだけ知らしめて来た。
文明のターンテーブルが回っている国であり米国と並んで後170年世界をリードして行かなければならない国である日本。
その日本で世界最高の論文が日夜発表されているのは当然の事である。
その論文群が本欄が登場する2010年7月以前までは、世界に全く発信されていなかった。
それが今日の不安定で極めて危険な世界を作っているのである。
サムスンが日本を凌駕してきた理由については何度か既述のとおりである。
本章ではHanadaに連載されている堤堯×久保紘之の対談「蒟蒻問答」第178回の中から、半導体に関しての章をご紹介する。
堤堯氏が私の母校の大先輩である事も既述の通り。
英が対中政策の軸
久保 
人権を武器にして中国包囲網を作ろうとする一方で、脱炭素など環境問題を協議するという名目で、親中派のジョン・ケリーをこのタイミングで特使として中国に派遣したことを見ればわかりますね。
決して中国批判だけをするつもりではなく、アンダー・ザ・テーブル(袖の下)はないにしても裏ではいろいろと内密の画策をしているんです。 
それはアメリカだけでなくEUだってそうでしょう。
ドイツのメルケルなんてCIAに盗聴されて以来、「ワシントンはもはや信頼できるパートナーではない」と中国への傾斜を強めているわけですから。
一見、人権でもって中国を批判しながら、経済などでは中国との関係は断たない。
うまく立ち回ろうとするに決まっています。
たとえばサプライチェーンの問題だって、どうにかしようと本当に考えているのか。
堤 
医薬品からレアアースまで、いまのとこ必中国頼みだからねえ。
中国頼みでないサプライチェーンを構築しようという協議が、日米首脳会談のテーマの一つになるはずだよ。
久保 
デカップリング(切り離し)なんてのも名ばかりで、現実にはコロナ以前よりも密着度は進んでいる。
人権問題で「中国に対峙する」と言っておきながら、サプライチェーンはじめ経済面で中国にカネを注ぎ込む。
火消しをやると口でいいながら、どんどん薪を放り込んでいるわけです。 
そういう経済構造が出来上がっている以上、いくら人権問題で抑え込もうとしたって、中国の勢いは止まらないんですよ。
そして、その経済構造のなかでも、やはり日本が一番弱い。
堤 
おバカなアメリカによって弱くさせられたんだよ。
たとえば「産業のコメ」と言われる半導体は、かつて日本が技術的にも一番優れていて、一大生産国だった。
ところが日米貿易摩擦でアメリカから圧力をかけられ、さらに韓国に少し譲ってやれと強要されて、サムスンやLGなどに技術移転させられた結果、韓国が人件費の安さもあって日本の半導体産業を抜き去ってしまった。 
軒並み日本の半導体産業が撤退していく。
これではいかん、日本国内にも半導体造りを残す必要があると、大手電機メーカーや自動車産業がカネを出し合って作ったのがルネサスエレクトロニクスだ。 
このルネサスの工場で、先ごろ火事が起こって操業停止だ。
半導体不足が叫ばれているのに、なんてぇことだ、俺はとっさに某国工作員の仕業じゃないかと思ったね。
カネを拠出した企業が、今度は人も出すというから少しは改善されるだろうけど。
久保 
そういう点から見れば、イギリスが対中政策の軸になるかもしれませんね。
EU離脱で足手まといになるやつはいないし、香港の件もあってはっきりとした中国批判姿勢を打ち出しています。
堤 
イギリスが中国に香港を返還する際、「一国二制度で完全な自治」を50年間維持する約定を中国と結んだ。
なのに中国はそれを反故にした。国際法(約定)違反だと、イギリスは中国を批判している。 
イギリスは軍事的にも「自由で開かれたインド太平洋地域」を「世界の地政学的中心になりつつある」として、年内に空母クイーン・エリザベスをインド太平洋地域に派遣する方針も明らかにしている。 
仮に中国が台湾を取ったら、アメリカと組んでマラッカ海峡を封鎖すれば、中国は「一帯一路」のうち「一路」が使えなくなる。
「一帯」のほうもEUの中国批判で、中国製ワクチンを使っているハンガリーまではともかく、その先はうまくいかなくなる。 
ボリス・ジョンソンは前任のメイとは全く違う。
EU離脱はゴルディアスの結び目にも似た複雑な問題だけど、メイは条件を決めてから離脱するとして、一向に離脱に至らない。
それもそのはず、EU側にしてみればイギリスを手放したくないから、ああだこうだと条件をつり上げる。 
ところがジョンソンは、まずは離脱し、あとで種々の条件を決めるという方式でグイグイ前進した。
発想が逆なんだね。
男と女の違いといえば森喜朗の二の舞になるけど(笑)、ジョンソンのほうがはるかに現実を見据えている。
政治家は現実を扱う。そして結果を出す。その点、ジョンソンはバイデンなんかよりよほど頼りになるんじゃないか。
この稿続く。


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