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ウクライナ侵攻は…中国の習近平政権と親しいウクライナの政権を排除する狙いもある

2022年04月01日 22時05分46秒 | 全般

以下は昨日の産経新聞に、背後に中露の「緊張関係」、と題して掲載された、中国研究所・田中哲二会長の論文からである。
昨日の記事中の白眉と言っても過言ではない。
日本国民のみならず世界中の人達が必読。
本論文を読まれた方は、皆、目から鱗が落ちる思いがするだろう。
見出し以外の文中強調は私。
ロシアのプーチン大統領にとり、ウクライナ侵攻は北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大阻止だけでなく、中国の習近平政権と親しいウクライナの政権を排除する狙いもある。
中露は表向き“蜜月”を演出するが、歴史、地政学的にも真の友好関係に至らない緊張関係がある。
ウクライナは中露双方に重要な場所だ。
中国は巨大経済圏構想「一帯一路」でアフガニスタンを経て欧州に抜ける陸のシルクロードをつくりたい。
ウクライナはその最重要の要衝で、中国は執拗に接近してきた。
中国はウクライナから、後に中国初の空母「遼寧」となる廃艦空母を購入、2013年にはウクライナと核問題協力を含む協定も結んだ。
東ウクライナでは300万㌶に及ぶ穀物農地の長期租借計画に着手し、穀物を中国に輸出する港湾の掘削工事も始めた。
この港はクリミア半島のロシア黒海艦隊の母港の北にあり、中国海軍が付近を航行する可能性も想定された。
14年、プーチン氏がクリミア併合を急いだのは中国の動きを阻むためだったとの見方もあり、結果、中国の計画の大半が停止したとされている。
一方、ロシアにとりウクライナは同じスラブ民族の兄弟国家。
ウクライナは「ロシア的空間の前庭」で、ウクライナ問題は「ロシア圈の内政問題」との意識が強い。
そんな“弟分”の国で影響力を強める中国をプーチン氏は警戒してきた。
侵攻後、ウクライナを逃れた中国人が約7千人いたと報じられたが、ゼレンスキー現政権下で一帯一路計画が復活していたことの証左だ。
プーチン氏は侵攻を通じ、「中国と親しい政権は痛い目に遭う」と見せつけた面もある。
ただロシアの戦況は芳しくない。中央銀行の資産凍結などの制裁も予想外だった。
民主革命のような形での露政権崩壊を防ぎたい中国は慎重に出方を見極めている。
当面、停戦協議はNATO非加盟や中立化を軸に進むだろうが、両国と対話可能な中国の動きは注目だ。
ロシアの窮状を逆手に交渉に関わるだろう。
(聞き手桑村朋)

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