文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

4月10日号NO.7

2010年09月06日 18時12分39秒 | 未分類
冷戦後に強大化した検察
政権にも「お墨付きの」怖さ

ジャーナリスト魚住昭

 冷戦構造が崩壊して以降、検察は徐々に縄張りを拡大してきたように思えます。
それまでは、検察があまりにも政権与党の腐敗を厳しく摘発すると、自由主義体制が崩壊して社会主義体制ができてしまう、という危惧があった。今はそれがありません。その結果、検察は、政治よりも強くなってしまったのです。

 西松事件は、戦後の検察の歴史の中で初めてと言っていい露骨な政治介入です
76年のロッキード事件以来、検察に敵対的だった小沢一郎という人は、検察に
とっては、脅威であり嫌な政治家でしょう。その小沢氏が首相の座に手が届きそうになっている。そんな状況のもとで、「議会制民主主義は、あくまでも選挙で民意を問うことが基本だ。選挙に影響を与えるような捜査は極力控えなければならない」という検察の常識がひっくり返ったんです。

 政治資金規正法違反は、形式犯的な要素が強い。そのうえ今回の摘発は、どういう形であれ表に出ている献金で、しかもこれまでの事件とは桁違いに少額です。今までは「闇献金で1億円以上」が摘発の相場でした。
 
従来なら、上層部が捜査に待ったをかけたケースです。でも、ブレーキが全く
利いていない。これは、麻生政権の指示で動いた国策捜査とは考えにくく、検察に組織防衛の意識が働いたのではないでしょうか。「検察という組織は壊れてしまった」と私は感じました。
 
検察の増長の責任は、マスコミにもあります。02年、検察の裏金づくりを内部告発していた三井環・大阪高検公安部長(当時)が逮捕された。これも、住んでいない場所に住民票を置いて登録免許税を免れた、という驚くべき微罪でした。テレビ局の取材を受ける直前の逮捕で、明らかな口封じです。しかし多くの新聞は、それを知りながら、裏金問題を本格的に追及しなかった。重要な情報源だから機嫌を損ねたくないのです。
 
西松事件では、東京地検の谷川恒太次席検事が「国民を欺く重大かつ悪質な事
案」と言いましたが、冗談じゃない。それなら自分たちの裏金づくりはどうなのか。政治資金規正法違反よりずっと重い業務上横領の
ようなことをして、年間5億円規模の裏金をつくっていたのです。まず自分たちの襟を正せと思いました。

 今回のような暴走を放置しておいたら、今後、検察が気に食わない政権を作ろうとしたら、すぐに何かの微罪に引っかけられてしまう。検察の「お墨付き」を受けた政権しか作れなくなる。これが最も重要な点で、議会制民主主義の根幹にかかわる恐ろしいことです。



4月10日号NO.6

2010年09月06日 17時52分15秒 | 未分類
官僚機構に公益は関係なし
検察は昔から権力の走狗


評論家室伏哲郎

検察官の職務規定を定めた検察庁法第4条にこうあります。「公益の代表者とし
て他の法令がその権限に属させた事務を行う」と。 
今回の検察の捜査は、この「公益の代表者として」に違反すると思うのです。
 自民党は、戦後六十数年の間、事実上政権を握っていた。その間、検察をはじめとした官僚機構が「公益の代表者」でいられるものでしょうか。
 
 一例が指揮権発動です。私は81年に出版した・『汚職の構造』(岩波新書)で、伊藤栄樹・元検事総長が書いた『逐条解説検察庁法』の一節を紹介しました。
 〈指揮権発動は、昭和二九年(一九五四年)四月、いわゆる造船汚職事件に関して行なわれたそれがもっとも有名であり、また、一般には、それが唯一の例であるかのようにいわれているが、必ずしもそうではない〉
要するに、指揮権発動は、あたりまえに行われてきたということです。
 
もうひとつの例が、漆間巌官房副長官です。前警察庁長官の漆間氏は、記者たちとのオフレコ懇談で、西松事件の捜査が「自民党議員には波及しないと思う」という趣旨の発言をしました。しかし、それが表に出て追及されると「記憶にない」の一点張りです。
 20人もの記者に話しているのです。記者たちが覚えていることと、漆間副長官一人が覚えていることが違うなんて、そんな滑稽な話はないじゃないですか。

この一事をもってしても、日本で何か行われているかがわかります。小沢氏が130人もの行政官を新たに外部から導入することは、古い官僚組織にとっては一大事件。公益かどうかは、彼らには関係ありません。

 私は、『汚職の構造』を書くためにいろいろと調べていて、日本という国は、人権や民主主義が実現している国家ではないとつくづく思いました。

 中でも、検察は一貫して。「公益の代表者」ではなく、独善的な権力の走狗なのです。日本には、「公益」というものを裏付ける風土がないんです。なにせ、たった六十数年前まで天皇陛下のためなら何でもしてきた国民性ですから。
 
権力側は、メディアや世論などどうにでもできると思っていますよ。だから、
国民は、新聞、テレビの一般的な報道を疑ってかかることが大切でしょう。

 政治資金規正法は、いろいろと裁量で解釈できる法律です。この法律を通したのは、自民党です。小沢一郎という人も、かつて田中角栄元首相の下で人となりを築いてきた人物。今の状況は、ある意味で、昔自分で仕掛けた罠に引っかかったようなものです。


4月10日号NO.5

2010年09月06日 17時37分54秒 | 未分類
バランス欠如、組織防衛、世論作り

許されない恣意的な摘発
説明が大変になるのは自明

元東京地検特捜部長 宗像紀夫

 私は、小沢一郎氏の公設秘書の逮捕・起訴は、政界ルートの入り口だと見ています。私の経験から言えば、当然、検察は次の事件を捜査していると思わざるを得ません。そうでなければ。この程度の事件は、政権交代も考えられる選挙が迫った時期に、摘発するに値するものでしょうか。

私は検事だったときにリクルート事件などを手がけましたが、政治資金規正法違反を武器に政治家に襲いかかるようなことはなく、贈収賄、談合、脱税、特別背任といった中身の濃い事件で摘発してきました。

 しかし、いつの間にか、政治資金規正法に対する考え方が変わってきたのでしょう。この法律に対する価値基準が変わったのですね。検察が変えたと言うべきかもしれません。検察側はこう主張するでしょう。「政治資金が適正に扱われないから政治家の腐敗が起きる。だから、そこを断つことが重要なのだ」
 これを政治家の側からすれば「変わったのならまず警告を発すべきではないか。いきなり逮捕されてはたまらない」となります。

西松事件で議論になっているのは政治家側(小沢氏側)と検察側の間に起きている。〝常識のすれ違い“のようなことでしょう。

実は、いま問題になっている二つのダミーの政治団体に類似する団体は、山ほどあります。それらの団体からの献金は黙認して、なぜ小沢氏のケースだけを摘発するのか。橋本龍太郎元首相に手渡された裏金の1億円(小切手)をめぐる04年の「日歯連ヤミ献金事件」では、橋本氏らは不問で、派閥の会長代理だった村岡兼造氏が在宅起訴されました。

このとき同時に日歯連から自民党の政治資金団体「国民政治協会」を通して自民党の国会議員に多額の献金が行われていることが判明し、一部で問題視されましたが、結局、誰も摘発されませんでした。

 しかし、この国民政治協会経由の献金と、西松建設事件の献金とどこが違うのか。となるとやはり検察には、今回の事件についての説明責任があるでしょう。検察は決して、恣意的に事件を摘発してはいけない。
公平に見える捜査をしなければならない。

 これまでの検察は、たとえばリクルート事件では、与党側として自民党の藤波孝生元官房長官(故人)、野党側として公明党の池田克也元衆院議員を同時に摘発しました。これがバランス、公平ですね。
 公平に見えない捜査をすると、後で説明が大変になるのは自明の理です。
権力は抑制的に使うべきです



4月10日号NO3

2010年09月06日 16時37分30秒 | 未分類
報道されなかった〝重要部分”

「涙」と「続投」だけがクローズアップされた小沢一郎・民主党代表の記者会見には、報道されない゛重要部分。が隠されていた。それは、日本のジャーナリズムにとって画期となる内容だった。公設秘書起訴の会見で。小沢代表の□から重大公約を引き出した筆者が、その詳細を報告する。

「ジャーナリズム崩壊」の著者 上杉隆

3月3日の公設秘書逮捕以来、小沢民主党について、少なくともひとつのことが言えるようになった。
 それは、事件が議員本人に及ぶか否かは別として、小沢一郎代表が記者会見をすべてのメディアに開放し、説明責任を果たそうとしてきたということだ。当初、小沢代表の怒りは、検察の捜査そのものに向けられていた。だが、時とともにそれも変化していく。怒りの矛先は、捜査のみならず、検察からの情報をそのまま報じるメディアにも向けられ始めたのだ。読者にはわかりにくいかもしれないが、実は、日本のマスコミは大きく二つに分けられる。ひとつは新聞・テレビなどの所属する記者クラブメディア、もうひとつが雑誌、海外、フリーランスなどのそれ以外のメディアだ。今回、小沢代表が怒っているのは前者の方にである。

 検察は、小沢代表に辞任の意思のないことがわかると、司法記者クラブを使って盛んに捜査情報のリークを始めた。たとえば、4日以降、今回の政治資金規正法違反とは無関係の「胆沢ダム」などの記事が次々と紙面を飾り始めた。「小沢代表はカネに汚い政治家」というレッテルを貼ることで、捜査を有利に進める狙いがあったのだろう。これほどアンフェアなことはない。

「なぜ、検察の説明責任を求める声がもっと強く出てこないのだろうか。朝日新聞は3月10日、〈民主党、この不信にどう答える〉と題した社説を掲げたが、どうして〈検察、この不信にどう答える〉と問いかけないのか。検察のやることは絶対に正しく、疑う余地がないとでも思っているからなのか。マスコミは検察側か不機嫌になるような報道を自己規制して控えているからか」

こう指摘するのは、米コロンビア大学教授のジェラルドーカーティス氏だ(3月12日付、朝日新聞)。カーティス氏と同様に、これは、海外メディアが共通に持つ認識である。かつて海外メディア(NYタイムズ)で働いた経験のある筆者も、今回の報道には首を傾げざるを得ない。海外メディアのルールに従えば、公権力からのリーグ情報は、取材源を明記するか、もしくは改めて取材した上でないと記事にできないはずだからだ。

 ところが今回、日本の新聞、テレビはそうしたルールをいとも簡単に破っている。
 匿名の捜査情報を載せるのはいつものことだとしても、そのリーグ情報の裏づけ取材をせずに、そのまま掲載し続けている。胆沢ダムの記事が、まさにそれに該当するだろう。
 記者クラブメディアが検察情報をもとにした小沢代表に不利なニュースを一方的に流す中、非記者クラブメディアは検察批判にシフトしていった。そして、画期的な瞬間が訪れた。


 公設秘書が起訴された3月24日、小沢代表は会見の中で、記者クラブの開放を公約したのだ。これは何を意味するのだろう。30年来、記者クラブは首相官邸、自民党、検察庁をはじめとするすべての官公省庁のアクセス権を独占し、その既得権益を守るため、排他的なルールをつくり、雑誌や海外メディアを排除してきた。 ゆえに記者クラブは権力と癒着する事で、すっかり一体化し、権力側の漏らす情報のみに頼る習慣が身についてしまった。それが権力による政治利用だとも知らずにー。

民主党の政権奪取時の記者クラブ開放の公約は、日本のジャーナリズムにとって記念すべきことだ。

実は、全ての記者クラブメディアが黙殺した当日の小沢代表のコメントは、筆者の質問に答える形で明らかにされたものだった。

〈ジャーナリストの上杉隆と申します。3月4日の記者会見以来、代表は説明責任を果たそうと、私のようなフリーランス、雑誌記者、海外メディアに記者会見を開放し続けてきたことについて、まずは敬意を表したい。一方で、自民党、首相官邸など全官公省庁は、私のような記者が質問する権利はおろか参加することすらできない。そこで質問です。仮に、政権交代が実現したら、民主党は今までと同じように記者クラブを開放し続けて首相官邸に入るのか。あるいはこれまでの自民党政権のように、記者クラブをクローズにしてしまうのか?〉

小沢代表は、こう答えた。
「私は政治も行政も経済社会も、日本はもっとオープンな社会にならなくてはいけない。ディスクロージャー。横文字を使えばそういうことですが。これは自民党の幹事長をしてたとき以来、どなたとでもお話をしますということを言ってきた思いもございます。そしてまた、それ以降も特に制限はまったくしておりません。どなたでも会見にはおいでくださいということを申し上げております。この考えは変わりません」

この回答によって民主党は、正式に記者クラブの開放を宣言したことになる。もはや後戻りはできない。なぜなら、会見に出ていた非記者クラブのジヤーナリストたちが動かぬ証人となってしまったからだ。

後戻りできない記者クラブ開放

「ありがとう」「素晴らしい質問だった」「おめでとう」会見後、こうした言葉が筆者に対して、異口同音に投げ掛けられた。握手を求める小さな列ができた。こんなことは初めてだった。

 一方で、記者クラブメディアは、この日の筆者の質問と小沢代表の回答を完璧に黙殺している。新聞、テレビともに一切報じない。思えば、新聞紙面に「記者クラブ」という文字が躍ったのを見た覚えがない。彼らの中では、そうした問題は存在しないことになっているからだろう。

だが、はからずも今回、小沢代表の公設秘書逮捕という事件から、検察の匿名リークを含む記者クラブメディアのこれまでの欺隔が明らかになってしまった。

仮に、民主党政権が誕生すれば、記者クラブは次のように変わるだろう。週刊誌の記者が、政府専用機に乗って首脳会談の同行取材をし、海外メディアの記者が、官邸で行われる首相のぶら下がり会見に自由に参加し、フリーランスのジャーナリストが連日、官邸での会見で厳しい質問を連発するi。

 実は、これは特別なことでもなんでもない。世界中の報道現場で普通に起こっているシーンだ。なぜなら、海外では記者クラブというシステム自体が存在しないからだ。

 いまや、日本の報道機関は、選択を迫られている。民主党という権力によって勝手に記者クラブを開放されるのか、あるいは、メディア自らの自主的なルールに基づいて開放するのか。決断を下すのは難しいことではないはずだ。



週刊朝日2009年4月10日号

2010年09月06日 15時37分28秒 | 未分類
政治資金規正法違反の疑いのある事案への検察の対応

麻生太郎首相
「㈱麻生」から、02年に支部長を務める党支部に650万円の政治献金。前年度に「麻生」は国から補助金1458万円を交付されていた。補助金交付企業からの献金禁止違反の疑い
報告後に返金。収支報告書を修正
捜査せず

二階俊博経済産業相
04~06年に支部長を務める自民党支部(30万円)や代表を務める二階派(838万円)のパーティー券を西松建設ダミー団体が購入。虚偽記載の疑い
二階氏は「適法に処理」。二階派は返金の意思表明
未捜査

塩谷立文部科学相
日本道路興運が運転手給与を一部肩代わり。00~03年分で約913万円の献金不記載。企業献金上限違反
地元の自民党支部への献金として訂正
捜査せず

河村建夫官房長官
3つの政治団体が05~07年に元公設秘書の自宅マンションを事務所として届け出て、事務所費など計約2200万円の経費を計上していた。虚偽記載の疑い
Γ事務所として使用実態はあったが、誤解を受ける恐れがあると判断し解散した」
捜査せず

山口俊一首相補佐官
西松建設ダミー政治団体から04年に代表を務める党支部に200万円献金。虚偽記載の疑い
「法律上問題なら返還」
未捜査

細田博之自民党幹事長
日本道路興運が運転手給与を一部肩代わり。96~03年分で約3143万円の献金不記載。企業献金上限違反
地元の自民党支部への献金として訂正
不起訴(年間400万円と少額のためか)



週刊朝日2009年4月10日号

2010年09月06日 15時16分52秒 | 未分類
国民の99%は、この記事を読んでいないと思う…何せ発行部数でも26万部ですから。

週刊朝日2009年4月10日号

検察の劣化  検察よ、それならみんな逮捕するのか?

大山鳴動して秘書ひとりとは。政界を揺るがした西松建設献金事件の東京地検特捜部の捜査は、「国策捜査」と呼ぶにも気恥ずかしくなるほど迷走している。小沢一郎民主党代表(66)に関する事件は、公設秘書の政治資金規正法違反容疑での起訴でほぼ終結した。政治資金規正法という“ザル法”を伝家の宝刀のように振りかざす姿に、巨悪と闘うかつての検察の面影はない。なぜ、検察はここまで劣化したのか?   

ジャーナリスト 松田光世

小沢氏の第一秘書、大久保隆規被告(47)の起訴容疑は、西松建設のダミーの政治団体からの献金と知りながら、他人名義の献金を受け取り、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたというものだ。「大山鳴動して秘書ひとり」とはいえ、それすら危うい。
 これを裁判で立証するには、検察側が秘書の主観にかかわる微妙な認識の問題を証明する責任を負うことになる。虚偽記載罪が成立するにはこの場合、秘書が資金の出元が西松側だったことを知っていただけでは不十分で、「政治団体が実体のまったくない完全なダミー団体だと秘書が知っていた」ことを証明しなければならない。仮に、秘書が「西松の社員の政治団体で、実体があるものだと思っていた」という一点を主張し続けるだけでは、実は有罪にするのはかなり難しい。
 最近になって、秘書が「大筋で」容疑を認めたとする報道もあるが、民主党側はこれを強く否定している。実際は検察が核心の供述を得られないまま、「見切り発車」で起訴に踏み切ったとしかいいようがない。
 そもそも検察の狙いが、実は小沢氏本人の逮捕だったことは疑いようもない。秘書逮捕直後の小沢氏の“検察批判”の記者会見を聞いた東京地検幹部はオフレコ懇談で、「上まで行く」と自信に満ちた表情で語ったという。
 それが「あっせん利得」での小沢氏本人の逮捕を指すものだと受け止めたからこそ、マスコミ各社は、小沢氏が今も東北地方の公共工事を牛身っているかのような“大本営発表”を報道し続けたのだ。
 しかし、あっせん利得罪が成立するのは、小沢氏や秘書が「行政機関に対して不正な行為をするように」あっせんした場合のみだ。その後、捜査は当初の目論見とは様変わりの展開をみせる。
 小沢代表の地元、岩手県で知事を95年から07年まで務めた増田寛也前総務相は、「自分は2期目の途中から小沢さんとは仲たがいして、事務所の人とも会っていない」と早々に地元紙のインタビューに答えていた。
 実際、特捜部の捜査が進んでも、西松建設が受注した工事の入札関係者に対する小沢事務所の関与の事実は出てこなかった。
 そこで、特捜部は方針を転換し、秘書を逮捕した政治資金規正法の虚偽記載に関する小沢氏の監督責任を問うため、小沢氏本人の事情聴取を検討した。しかしこれも、罰則を適用するには、監督責任だけでなく会計責任者に秘書を「選任」したことの不正の証明が必要になる。
 実際には、秘書に前科があるとかの相当の事由がない限り、「選任の不正」の立証は困難である。結果的に小沢氏の事情聴取も見送られることになった。
 慌てた特捜部は急遽、地方の検察庁から検事を増員して、岩手以外の東北各県の建設会社と入札関係者をしらみつぶしに捜査した。それでも、「不正なあっせんや談合に口出ししたような事実は、浮かんでこなかった」(捜査関係者)というのだ。
 結局、最後に残ったのは、大久保被告の政治資金規正法違反(虚偽記載など)だけだった。捜査容疑が猫の目のように変わること自体が、検察の見込み捜査の失敗を端的に示していた。
 だが、迷走した今回の捜査は、政治資金規正法の罰則適用のハードルを一気に引き下げた。収支報告書に記載された「表の献金」の虚偽記載だけでの摘発は初めてのケースだ。

事件化の判断は検察の裁量次第
 従来検察は、日歯連事件で1億円のヤミ献金が問題になったように、終始報告書に記載されていないヤミ献金を摘発するか、表の献金の虚偽記載を突破口に秘書給与詐欺など別件を立件してきた。
 麻生内閣、与野党幹部の政治資金規正法違反の疑いのある、主な事実を見てみよう(20ページの表)
 自民党の細田博之幹事長は2004年、官房長官当時に発覚した日本道路興運からの運転手給与の一部肩代わり分を地元支部への献金だったと修正報告した件で、大阪の市民団体「政治資金オンブズマン」から東京地検に虚偽記載容疑で刑事告発されている。東京地検は、日本道路興運を「起訴猶予」にしているから、クロの可能性が濃厚だという判断だ。しかし、細田氏はなぜか嫌疑不十分で「不起訴」処分になっている。年間400万円程度のヤミ献金は取るに足らないということだろう。しかし法律違反や明白なヤミ献金が見逃される一方で、表の献金でも検察の裁量で今回のようにいきなり逮捕されるというのは、釈然としないものがある。
 さらに問題なのは、別の法律違反が見過ごされたことだ。日本道路興運は、もともと自民党の政治資金団体「国民政治協会」に毎年400万円献金していたほか、小渕優子・少子化担当相らにも献金していた。そこに細田氏と同様に運転手給与を一部肩代わりさせていた塩谷立・文部科学相らの訂正分が加わった。結果的に03年は、同社の企業献金上限額750万円の倍に当たる約1500万円に献金額が膨らんでいた。明らかな、企業献金の総額規制違反だ。「報告書の修正の結果、献金総額が上限を超えた場合は、その時点で法律違反となり、
有罪が確定すれば献金は国庫に没収になります。」(総務省政治資金課)
 しかし、このような官房長官らの明白な法律違反について、東京地検が丹念に調査して処分を決めた形跡はまったくない。
 今回の捜査を陣頭指揮したのは、東京地検の岩村修二検事正と佐久間達哉特捜部長の
コンビだ。この二人は「国策捜査」のプロと言われているようだが、実際は「見込み捜査」のプロ。ともに大失態を演じた過去があるのだ。
 98年に経営破綻した旧長銀の粉飾決算事件の主任検事が佐久間氏で、当時の大野木克信頭取らが粉飾決算の罪に問われた事件だが、08年7月、最高裁は逆転無罪の判決を下している。筆者は、国会議員の政策秘書時代に金融再生案などの議員立法を作成し、与野党の修正協議の事務局を務めた。一時国有化された銀行について、犯罪があれば立件することを法律で義務付けたことに基づくこの旧長銀捜査は、文字通り「国策捜査」だった。その立件意図は、4兆円もの税金投入を必要とするまでに、長銀の経営を破壊させた真犯人を捕まえることにあった。
 しかし、彼らは支店に青天井の融資を認め、イ・アイ・イなどの問題企業に追い貸しを重ねた責任者ではなく、すでにボロボロになった旧長銀の当時の経営者を逮捕してしまったのだ。その経営陣の罪は問えないとした最高裁判決は妥当である。
 銀行法や銀行経営について、特捜検事がもっと勉強していれば、こんな失態はなかったであろう。今回も政治資金規正法に対する根本的な理解不足が捜査の失敗を招いているのだ。 しかし検事個人の能力に帰せられることばかりではない。検察組織全体の劣化を痛感させられる出来事が02年に起きた。
 4月22日、検察の調査活動費の裏ガネ問題を内部告発しようとした三井環大阪高検公安部長(当時。現在服役中)が、詐欺容疑などで逮捕された。実はその前日、筆者の手元には、三井氏本人からFAXで送られたB4数枚の裏ガネ関連資料が届いていた。
 その翌日から、法務省刑事局の検事が連日、「質問取り」と称して筆者を訪ねてきた。
三井氏からどれだけの裏ガネ情報が漏れているか、採りに来ているのは明らかだった。
連日の‘雑談‘の中で、日頃から疑問だったことをその検事にぶつけてみた。
「検察は独自官庁。一人でも志のある検事がいるなら、法律上は証拠が揃えば、現職の
首相や大臣も逮捕できるはず。政治判断を加える検察首脳会議があるから過去一度も現職の大臣が捕まっていないのでは?」「・・・・」「時の権力とは闘えない。現職大臣は逮捕できないというのでは、巨悪と闘うとはいえない。それどころか検察不祥事を隠すために
内部告発者を逮捕する。あなたは胸につけている秋霜烈日のバッジに恥ずかしくないのか」
「・・・・」
西松マネーをめぐる検察の捜査は、現職の二階堂俊博経済産業大臣とその周辺の疑惑に向かっている。小沢氏の捜査が秘書一人の起訴に終わったことで、失われかけている「検察の威信」を取り戻そうとでもいうのだろうか。これ以上の‘検察の劣化‘を食い止めるのは、胸のバッジに恥じない一人の検事の志にこそかかっている。 


携帯について

2010年09月06日 10時56分48秒 | 未分類
僕は以下の事を反省する

毎日、地下鉄の行き帰り 地下鉄の中は言うに及ばず 改札口への行き帰りでは
歩きながら 殆どの人と言っても過言ではないぐらい 沢山の人が 携帯でメールを
打っている 読んでいる

僕は そこまでする必要があるかと否定的に思っていた 昨日までは

毎日 ああして指を鍛えているからこそ 現場中継の あの圧倒的な声に成っている事に
どうぞ どんどん 寸暇も惜しんで指を鍛えて下さい いざというときに何時でも
昨日の様な民主主義の醍醐味を味あわせて頂くように

これまで朝日論説委員の様な立場で 高みから あなたたちを批判していた事を
僕は恥ます。

桜の枝に止まったモズを撮る事も出来ない(瞬撮と言う名の携帯を買っていながら)
僕では現場の臨場感は伝えられないのですから。



朝日よ、お前もそうだったのか。

2010年09月06日 10時43分33秒 | 未分類
最低でも40数年の、君に費やした時間を返せ 購読料をかえせ

なんという酷さだろう 管を首相として置きたいと言うのが 貴紙のコンセンサスなのだとしても あまりにも酷いのではないか いまだに大本営発表を繰り返して国を潰した体質が抜けていないか

念のためと思い、前述した知人ではない、もう一人の知人…30歳の温厚なお嬢さん育ちの女性である 勿論全くのノンポリ 今回は何故か どうしても見に行かねばと思ったのだそうだ 足を踏まれ押し合いへし合いの大混雑に巻き込まれながら

今朝の朝日朝刊の世論調査の数字を伝えたら 一瞬キョトンとして 何の事か分からない 理解をするのに少し時間が掛った後で言った 管首相は3%ぐらいだった

前述した知人が現場で出会った経営者は長い付き合い 毎日蟻の様に働いて
大きな会社を築き上げた 仕事一本やりの 真面目を絵に描いた様な男である

「小沢だけは見ないとアカン…」との思いで来ていたのだそうだ 「大阪の人間は
小沢一郎の方が好きや…」 当然ながら 今朝の朝刊については「信じられない!」

1面は今の日本のマスコミの共同歩調 一言 言わせてもらえば 彼らの世論調査なるものの対象に 一生働いて年収500万円の労働者層は入っているのだろうか?

地域・地区の有力者の類やエリート層だけが入っているのではないか?
それはさておいても、社会面での昨日の立会演説会に対する記事は
あれで良いのか? あれだけの大群衆が…普通の老若男女が梅田に集った

阪神タイガースの優勝祝賀会等ではない 事は首相を決める公党の立合い演説会である その場の光景 優劣を正しく伝えなければ どんなジャーナリズムだと言うのか?

「あきれかえる」とは、この事である。

冒頭の知人は30歳だからパソコンにも精通している 一昨日 民主党が ネットで生中継をしている事を教えてくれた それで新宿の分は その日 寝る前に観た。

家で生中継で観ていた時 僕は思った これは本当の民主主義 直接民主主義
マスコミが独占している情報を観たり読んだりしている マスコミからの一方的な
一方向の情報では無い 市民参加の民主主義が始まっていると僕は思った。

古代ローマでカエサル等が広場で演説をしたのも かくやと思わせた
勿論、このネットで全国中継 現地の参加者 TVでの参加者が 一斉に
ツイーターする様は 古代ローマの比ではなく 文明の利器の進歩と
それによる民主主義の 比較に成らないほどの深化 拡散

日本のマスコミよ 時間を返せ お金を返せ この20年を返せ
貴方たちの報道は あまりに酷い 冒頭の知人が ネット中継を教えてくれず
現場に行きもせずに居たら 僕も 貴方の言う事を鵜呑みにしている所だった
背筋に寒いものが走る ゾッとする。

この僕をも欺き続けたのだから 戦後60年経っても わたしたちの国に
民主主義が完成していなかったのは 当然なのだと 今日 僕は確信した。


ネットで見ていた者の全てが 現場に居た僕の知人二人も 管直人の失意の表情は目に焼きつき 心に残ったはずだ

既製のメディアに居る人たちは ネットを軽んじて観てもいないのだろうが
今回だけは 貴方がたの企てが 透けて見えてしまった

僕は 貴方たちが 今までのやり方 特権的な記者クラブで得た官製情報の垂れ流し 或いは権力者たちの意向に沿った記事を書き続けるならば 

貴方たちの没落は すぐそこに来ていると僕は思う
民意を無視した民主主義など在る訳はなく

不断の声を上げる 日々に 不断に 現実を克服する事にしか民主主義はないのだから



ジョバンニの「おっ母さん」

2010年09月06日 02時10分56秒 | 未分類
ネットの現場報告を見れば、今日の大阪・梅田だけではなく先日の東京・新宿でも小沢一郎の圧勝だったようだ。

最新号の週刊朝日で気鋭のジャーナリストが対談の中でヨミウリ・オンラインともう一つのオンライン調査では、マスコミの世論調査とは逆の結果が出ていると指摘していたけど、本当だった訳です。

僕は思う…これだけ民意に差が着いたのは、管さん、貴方が寄りかかった面々…イケメン軍団の未熟さが庶民には見抜かれていたと言う事…TVメディアのおかしさは、ネットの莫大な拡大と同じスピードで見ぬかれていたようです。

ネットの拡大と反比例して、間違った高説を述べ続けて来た既製メディアが、皆、苦境に立たされ出しているのは因果応報だったのですね。

貴方方がこれまで情報を独占し、規制された歪められた情報に加工して発信して来た部分が貴方達の致命傷に成りつつあるのだと僕は思う。

この20年をもたらした罪を、神様は、ちゃんと裁き出していると言うことなのでしょう。

管さん、札幌でも、大阪の様に圧倒的に民意から見放されていたら、貴方は降りる事も選択すべきだと、今日の大阪を見て、僕は思った。

例え、勝ったとしても、貴方は、仙谷由人は切るべきだ…小沢なんか検察に売り飛ばしてやる…この一言で、彼は熟議の民主主義などと言う資格も何も無い、本当の権力主義者だと言う事を満天下に知らしめたのですから…この男にシンクロしていた朝日の論説委員たちの罪も、とても深いと僕は思う。

現場の第一線の社員達や、週刊朝日が、朝日の精神を100%保持しているから救われてはいるが。

今、労働者=一般国民の大多数が小沢一郎の登場を待ち望んでいるのは何故か?彼の信念の強さ…「自立」と「真の民主主義」この二つが彼の核心である事に、一般大衆も気が着きだしたのだと僕は思う。

彼の信念とは、僕が物心着いた時に自分の使命として書かなければならないと思った事とシンクロしているはずだと僕は確信している。単に東北人だからというだけではない無口さも、其処に在るはずだと僕は思っている。

あえて、文学的な、無理やりの様に見える表現をすれば、宮沢賢治の魂は小沢一郎の魂の中にも宿っている…僕はそう思う…

彼に取って、ジョバンニの「おっ母さん」とは戦後の日本のはずだと僕は思う…多分、間違っていないはず。と

おっ母さんの為に自分には何が出来るのか?

戦後の日本を、焼け野原に成った日本を繁栄する国にすること、それが小沢一郎の絶対的な唯一の信念だと僕は思う。

自分は知的エリートだとして年収1,000万円の生活に安住し、日本が生まれ持って豊かな国であるかのように錯覚し、この20年、己だけの幸福の中に居たマスコミが決して彼の事が分らなかったのは当然なのだ。

満を持して登場した芥川賢治を大新聞やマスコミが理解できていないのと同じ事。

「自立」ということは、擬制や儀式の犠牲には成らない、と言う事なのだから。

彼は自立出来ていない者、自立出来ていない事は明らかなマスコミに媚を売る様な人間は大嫌いというよりも、馬鹿に見えていたはずだ。

マスコミがこぞって壊し屋と名付けて事足りたと思っている彼の、
それが深層なのだろうと僕は思う。