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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

【映画ベスト100】 第6回 95位 難解な芸術映画『エクスペンダブルズ2』

2025-04-28 00:30:00 | 映画ベスト100
映画ベスト100を始めてみたが、100位ターミネーター、99位バックトゥザフューチャーって、結局エンタメ指向かい…って思われてそうなので、この辺で難解な芸術映画をランクインさせてみる。

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映画ベスト100

第95位 『エクスペンダブルズ2』(サイモン・ウェスト)(2012)

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映画史上三大難解映画作家といえば、
タルコフスキー、フェリーニ、そしてスタローン
…と呼ばれているそうである。出典は忘れた。
いやフェリーニなんてわかりやすい、むしろキューブリックだとか、ブニュエルを忘れるなとか、テレンスマリックだってとか、色々意見はあるだろうが、それでも三大の一人がスタローンであることは誰もが認めるところだと、どっかで聞いたことがあるような気がしないでもない。

本作『エクスペンダブルズ2』はまず、出演者が無名な役者や、役者でない人がキャスティングされていることで難解さが余計に際立っている。

本作でやたら「なんとかバック」としゃべるデカい男は、私の記憶違いでなければ俳優ではなく政治家だったはずだ。
それからMITの博士課程の男もキャスティングされていた。彼は映画を見る限りインテリで優しい男であり、はみ出し者どもの荒くれチームの一員としてはミスキャストではないだろうか。こういう役には世界チャンピオンをリング上で殴り殺した役を演じた役者をキャスティングすべきではないだろうか。
それから一人中国人の役者がいたが、この人も拳法かなんかのチャンピオンで役者ではないはずだ。間違っても過去にワイヤーで吊るされてドニーイェンと戦ったりはしなかったであろう地味っぽい役者である。
極めつけは中盤に登場するあごひげの老人である。あの男は有名無名以前に実在するかすらあやしい。

そんな無名な役者たちで繰り広げる反戦非暴力を訴えているに違いない難解な本作を、なんとか紹介してみたい。

冒頭、ネパールを舞台に地獄のような戦場描写が描かれる。デカい政治家の男は回転式のチェーンガンを持って登場したと思ったらすぐに消えてしまう。その彼に向かって誰かが言う「溶鉱炉に落とすぞ」とはどういう意味なのだろう?

地獄の戦場を命からがら脱出した主人公たちのチームはアメリカに戻る。
そこでチームの一員の若くてハンサムな男がスタローンに言う。
「次が最後の仕事です。それが終わったら結婚するんだ」
私はそれを聞いて本作のラストはその男が素敵な女性と結婚式をあげてみんなが祝福する素晴らしいハッピーエンドになるに違いないと、先が読めてしまった気がした。そんなわかりやすいストーリーなど難解作家スタローンも老いたものだと思ったが、まさかまさか、その若いハンサムは中盤でジャンリュック?ジャンポール?だかいう名前の悪役の華麗な開脚キックで殺害されてしまうのである!なんという意外な展開だろうか!バンバンババンバンババンダなんとかという謎の幻聴がこの男の登場シーンで響いてくる。
そしてスタローンたちは復讐に燃え、ジャンなんとかダムとの戦いに向かうのである。

全編にわたり難解この上ない本作だが、中盤の例のあごひげ老人の登場シーンは、特に難しい。あまりに多くの解釈が生まれ論争にすらなったほどだ。
スタローンたちが戦車と大部隊に包囲され絶体絶命なその時、突如現れたあごひげが敵軍を殲滅し戦車も破壊してしまう。そんなことがあり得るのだろうか?
スタローンとそのあごひげの会話はあまりに高尚すぎて誰一人意味がわからないことで有名だ。

スタローン「あんたはコブラに噛まれたって聞いたが」
あごひげ「ああ、本当だ。コブラに噛まれ三日間のたうちまわり、三日後…コブラが死んだ」

物語は進み、悪が支配する村の教会の場面になる。悪人たちが教会に入ると、善良さしか感じられない神父が出迎えるのだが、突如としてその神父がナイフを繰り出し敵を皆殺しにする場面も様々な解釈が可能だ。

そしてクライマックス
空港にて開脚男が部下たちを率いて歩いていると、なぜそんなものがあるのか理解できないが、目の前に巨大なすりガラスがあって、そこに3人の影が薄ぼんやり見えている…と、銃撃音と共にすりガラスが割れてスタローンと政治家と大ハードな感じの3人が並んでマシンガンを撃っている。
さらに、謎のあごひげまで参戦し、開脚男は慌てて逃げ出すのである。

戦争の悲惨さを描いているに違いないその混乱した戦いの中での政治家と大ハードの会話も難解である。
政治家はなんかやたらと〇〇バックと言ってどこかに行こうとするのだが、大ハードがなんでか引き止めて政治家を残して自分がどこかに行くのである。その後、政治家はこんなことをつぶやく
「イピカイエー」
もはや英語かどうかもよくわからない、謎の呪文である。我々はどう受け止めればいいのだろう?
ちなみにこの日本語訳不可能な呪文について、それでも無理やり日本語にするなら「てやんでー、あったりめーよ」とするのが現代の言語学者界隈における主流であるらしい。

そしてほとんど理解不能なストーリーがすすみ、スタローンは開脚男の跳び回し蹴りを顔面に3発ほどくらうが倒れることなく逆に開脚男をぶちのめし、この叙事詩のような物語は終わりを迎える。
そしてラストシーン
私は今までスタローンという人物をイケメンとは認識していなかったが、ラストシーンでスタローンたちと別れたヒロインがヘリから見下ろすとそこにいる色んな奴らの中でならスタローンがイケメン枠のような自分でも信じられない錯覚を味わうのである。
そんな幻覚!かつて、映画で覚えたことがあったか?!

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そういうわけで、映画ベスト100の第95位をやたら熱く語ってしまった。
お願いだから誰かこの難解映画を私に分かりやすく教えてくれ!

では今回はこんなところで
また映画ベスト100でお会いしましょう。

次回はドキュメンタリー映画を

#映画ベスト100

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ここまでの映画ベスト100

95位 エクスペンダブルズ2(サイモン・ウエスト)
96位 トニー滝谷(市川準)
97位 子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる(三隅研次)
98位 デジャヴ(トニー・スコット)
99位 バック・トゥ・ザ・フューチャー(ロバート・ゼメキス)
100位 ターミネーター(ジェームズ・キャメロン)

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