ぼちぼち スウェーデン

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晩秋のある日

2010-11-09 | 日々雑感

 

太極拳の体験教室のあと、何人かですしを食べに行った。太極拳はストックホルムの街はずれにある Sveaplanという所であったが、そこから日本料理店「清香園」まで歩くことにした。距離は3キロ足らずだが、それだけで街はずれから買い物客でにぎわう街の中心地を通って、メーラレン湖がバルト海に流れ込んでいる水際に着いてしまう。対岸は旧市街だ。 

歩いてみて、ストックホルムという街は小さいなとあらためて思った。40分くらいで端から端まで歩けてしまうのだ。こういうと、旧市街や南の島(Södermalm)があるではないかと抗議がでるだろうが、官庁や銀行の本店、デパート、おもなショピングモールは街の北半分に集中している。

 

舗道には秋らしく枯れ葉が舞い、かさかさと音をたてていた。そこでMさんが興味深い話をした。われわれが日本に住んでいた時に使っていた言葉についてである。  

彼女にいわせれば、わたしたちは「鉄かぶとにチョッキ、バンド」世代だそうだ。今様には、「ヘルメット、ベスト、ベルト」というので、われわれになじみのある言葉をつかうと、いまの日本ではひんしゅくをかうのだそうだ。 

考えてみると、私たちがここに住みついてから、かなりの月日が経っている。Mさんと私は1960年代から、N子さんにいたっては50年代からだ。日本を離れて40~50年たつから、軽度の浦島太郎症候群なのかも知れない。もっとも、本人たちはあまり気にしていないが・・。 

レストランに着くとランチ客でいっぱい。3人座れる席は空いていないので、随分と待たされた。入口のすぐ横に、食前酒などを楽しむバーの席があるのだが、そこにかけてお待ちくださいなどとは、絶対に思いつかないようだ。多分、客がたくさんくるので、そんな心配をする必要はないからだろう。 

それにしても、ストックホルムの老舗の日本料理店は、この「清香園」と「将軍」であるが、両方とも経営は日本人ではなく、「清香園」は確か韓国人の経営で、「将軍」は中国人である。日本人が経営するのは、もっと小型の飯屋だ。この住み分けには、なにか特別な理由があるのだろうか。

 

 中華材の宝庫

帰りに中華食糧品店に立ち寄った。看板に漢字で「夏華」と出ている。文化館(Kulturhuset)の南側にある小さいが掘り出し物が山ほどある食べ物の宝庫だ。それに安い。近所に住む中国人のジェニーが教えてくれた店だ。 

信州漬物のような古漬け菜は逸品だし、生の冷凍カニは鍋ものに欠かせない。鶏の足など飲茶用の食材もある。

まだ、試していないがウナギかアナゴらしき冷凍袋もある。いろいろとわけのわからないものを買って帰って試食してみるのは楽しい。そのおかげで、おしいしい古漬けにめぐりあったのだから・・。 

散々考えて、たまに買うのは中国から空輸されている菜っ葉。農薬がこってりかかっているということで、ゼッタイに食べてはいけないはずなのだが、冬になり普通のスーパーに野菜が少なくなる時、つい買ってしまう。 

いずれはみんな死ぬのだけど、中国采を食べると、死期が早くなるのだろうか、それとも大病に罹るのか?そんなことをぐずぐず考えはするが、たいてい最後に勝つのは、とりあえずの食欲である。 


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