郵趣手帖の収集日記

切手収集について、日々感じたことや考えたことを気ままに紹介。

道草

2008年07月29日 | 雑文
 今から思うと、ここ10年程になってようやく専門収集における自分の収集スタイルが固まって来たと思う。これは何もテーマが固まったという事ではなくて、専門コレクションの方向性というか、あり方という意味でである。少なくとも91年の国際展からしばらくのうちは、人様の真似ごとをして追いかけていた。つまり「皆もこうだから・・・」的な集め方だったということ。
 それが、「伝統郵趣とは何か」とか「未使用の持つ意味は」「使用例の表現とは何か」などと、その答えが正解かどうかは別にして、一応は自分なりに考えて、答えを出しながら収集するようになった。
 では、その結果どうなったかと言うと、不要品の山が出現した。以前に「皆もこうだから・・・」的に集めたマテリアルの大部分は、今となってはほとんど役に立たない。だからと言って処分する気にはならない。過去の道草の記念碑(戒め?)として残しておきたいのである。

第3次昭和10円

2008年07月28日 | 切手
 画像は、第3次昭和「10円梅花」の第3コーナー15枚ブロックで、消印は「砧/21,11,10/東京都」。見てのとおり別納使用から切り取ったと思われるけど、この当時の10円切手ならこれが当たり前で「郵便使用じゃないじゃん」などと贅沢を言ったらバチが当たること間違いない。田型ブロックは時々見かけるけど、15枚という大ブロックは少ないのではないだろうか?と、門外漢ながら思っている。

Japanese Philatelists Vol.6 No.4

2008年07月27日 | 文献
 「Japanese Philatelists」Vol.6 No.4 が昨日到着。
 今号は、イスラエル展とブカレスト展のレポートが主体。特にブカレスト展の斉藤氏のレポートは、バンコク展の時のエキスパートチームからの勧告書に伴うご自身の体験なども紹介されており、すこぶる興味深い内容。最終ページにはブカレスト展におけるエキスパートチームレポートも掲載されている。

英国切手部会報166号

2008年07月26日 | 文献
 JPSの「英国切手部会報」166号が到着。
 編集者が交替して2号目であり、誌面の中に新編集者のオリジナル色が出てきた。
 今号の表紙はペニーブラックの版番号付ブロック3点が落札価格付で紹介されているし、「チャネル諸島の郵便印」は全くの門外漢には、なかなか勉強になる。欲を言えば紹介されているリーフの書込みがもっとしっかりしていると良いのだけどな。リーフタイトルだけでは、せっかく貼付されているマテリアル個々の意味を理解することができないのが残念。長期連載の「迷珍虎の巻」(この当字のセンスがなんとも素晴らしい!)は、コイル切手で快調に飛ばしています。

観音10円

2008年07月25日 | 郵便史
 ちょっとリーフの紹介が続いたので、今日は日本切手のお話し。
 透かしなし切手や円単位切手の中でも、好きな切手の1つが観音図案切手。画像は、そんな観音図案を2枚貼った第1種重量便カバーからの一部分。
 一見何でも無いようなカバーに見えるけど、よく見ると透かしなし切手と円単位切手が仲良く並んでいる。消印は「大阪/28,7,15」で円単位10円切手発行5日目の使用例。だからこそ、新旧が揃って貼られているのだと思う。専門外の僕が持つには、微笑ましいカバーだと思っている。

Efiro2008・37リーフ目

2008年07月24日 | 雑文
 マテリアルの中には、どうにもこうにもカッコの悪い物がある。画像のカバーがその1つで、カバーの横幅が13.8センチなので本来ならばリーフに収まりの良いはずなのだけど、裏面の消印を見せたいので広げたら横20.9センチになってしまい、リーフに正位置に収まらなくなってしまった。裏面はコピーで代用して正位置に貼っても良かったのだけど、珍しい型式だったので実物を見せたくて、このような斜方向の配置になってしまった。右下に出来てしまったスペースにテキストを配置をしたので、スカスカにならなかったのがせめてものなぐさめ。ここが空いてしまうと、みっともないリーフになってしまう。あと、左上のスペースに消印タイプを記入したので、この部分もガランとしなくてすんだ。

Efiro2008・31リーフ目

2008年07月22日 | 雑文
 昨日、カバーは原則として1リーフに2通と書いたけど、大形のカバーやオープンカバーではそうはいかない。画像がオープンカバーの例で、裏面の消印も見せたいので、こんな形でリーフに貼ってある。
 作品の中にこうしたカバーが所々にあると、作品全体の印象が単調にならないで良いと思う。肝心なのは、頭の位置を揃えることなのだけど、下手をすると頭の方に重心が行ってしまい見難いリーフになってしまう。そんな時はテキストの分量と配置でバランスを取るようにすればよい。

Efiro・6リーフ目

2008年07月21日 | 雑文
 今日のリーフは、タイプAと分類される局名のみの枠無しタイプ。
 基本的に1リーフにつきカバー2通を貼り、空白部分もできるだけテキスト等で埋めるようにしている。
 各リーフに共通したノートは、次のとおり。
・局名(局名が途中で変っている所は、最も新しい局名で統一)
・現在の国名
・開局年
・展示に示した消印が使用された期間
・マテリアルの消印と逓送データ

 そのほかに、マテリアル個別の紹介すべきノートは、上記のデータの下に掲載。例えば、画像の上のマテリアルのばあいだと日本語で表示すると次のようになる。
「Presburg郵便局では、タイプAの消印を1760 - 1866年の間に使用しているが、字体および大きさにより細分が可能である。37×5mmを測る本タイプは、1822 - 34年の使用が確認されている」

Efiro・2リーフ目

2008年07月20日 | 雑文
 昨日のタイトルリーフに続く2リーフ目。19世紀の前史と言うことで、18世紀の無消印のカバーを2通並べた。

 上部にはテキストとして、次の文が入れられている。
「ハンガリーにおける郵便印は、18世紀中頃からタイプAと分類される消印の使用が開始されたが、18世紀の間は多くの手紙は本使用例のように無消印だった」

 カバー上の矢印ラベルが示しているのは、郵便料金でその解説をスペースが無いのでカバー上にヒンジで出力紙を貼付けている。上のカバーのテキストは下記のとおり。
「手書きによる郵便料金8Ftは、1Lothまでの国内料金」

Efiro・タイトルページ

2008年07月19日 | 雑文
 Efiro出品作品「ハンガリー19世紀の郵便印」は、そのうちに本ブログの親サイトである「郵趣手帖」に公開するとして、その前に幾つかのリーフについてここで紹介しておきたいと思う。
 最初に紹介するのはタイトルページで、下部にタイプ別の消印変遷表を掲載して、その上に解説を配置している。表が入っているので、本文スペースが小さくなってしまい、けっこう苦労する。その日本語訳は下記のとおり。

 ハンガリーにおいて初めて郵便印が使用されたのは1752年であり、それ以来現在までに多くの種類が使用されている。
 本コレクションでは、種類が多く複雑なハンガリー19世紀の郵便印について、編年体を用いて展示している。
 19世紀の郵便印は、18世紀に登場したタイプAと分類される郵便局名のみを表示するタイプに始まり、タイプB、タイプCのような幾つかの単純な形式の郵便印を経て、近代的な二重丸形印であるタイプDへと変遷します。タイプDは円の中心に日付が入るものの年号は入りません。続くタイプEでは単円印となりますが、タイプDと同じく年号はありません。年号入りとなるのは、19世紀後半から使用されたタイプFからです。このタイプの使用数は多く7,000個を数え、書体や日付部のバラエティも多く、本コレクションでもサブタイプとして扱っています。タイプGは少数のグループですが、その形態において以後の郵便印に与えた影響は大きいものです。タイプH・J・Kは、タイプGを改良したタイプであり19世紀末に登場し、以後20世紀の郵便印の標準形式となります。
 このように、19世紀の郵便印を概観することにより、単純で原始的な形式から多くの形式を経て、郵便印としての完成度を高めた形式への移り変わりを理解することができ、本コレクションでも郵便印の変遷を理解することを目的としています。
〈 参考文献 〉
" The Cancellations of Hungarian Post Offices on the Stamps of Austria 1850-67 " G. S. RYAN, 1980.
" Die Abstempelungen Der Ungarischen Postmter Auf Der Ersten Ausgabe Von Ungarn 1867-1871 ” G. S. RYAN, 1988.
" Handbook of the Hungarian Pre Stamp Mail “
“ The Postmarks of the Hungarian Post Offices and Postal Agencies (1871-1920) “ 1995.

無事返却

2008年07月18日 | 雑文
 先日、"Efiro" への出品作品が無事返却されて来た。EMSの中身には作品の他に、メダル・カタログ・パルマレスリストが同封されており、実にスマートな返却方法のように思えます。僕の場合は中部国際から入国していて、しっかり空港内の通関では開封チェックをされていましたけど、中身が外国切手であるにもにもかかわらず一切問い合せ無しで、スムースに配達されてきました。まぁ、税関の人も中身を見て納得してくれたのでしょう。もし、作品のみの返却だったらこうもスムースに事が運んでいたかしら?などと思ってしまうのだけどね・・・。

懐かしいな、鉄道郵便

2008年07月16日 | 雑文
 画像の消印は見難いかもしれないけど鉄郵印で、データは「会津若松川口間/42,6,30/上二」。ここで言うところの川口と言うのは只見線の会津川口のこと。
 昭和40年代後半には自宅近くの東海道線大船駅で、よく郵便車を見た記憶がある。客車で荷物列車との混合編成や客車急行に連結されたものもあったけど、普通電車の先頭に連結された郵便電車を一番よく見たと思う。車両の側面には、郵便が投函できるようにポストの入口が付いていた。今から思うと、鉄道郵便が元気だったあの頃に色々と集めておけば良かったと思う。現行物は毎日の積み重ねが大事だからねぇ。でも、そういうのが一番苦手・・・。

シリンダーナンバー

2008年07月15日 | 切手
 ワイルディング・シリーズの未使用の収集単位と言うと、単片を除けばシリンダーブロックを集めるのが一般的。画像は第3コーナーの6枚ブロックからの一部分で、下から3段目の切手の左脇にシリンダーナンバーが付いている。画像の切手だと左のブロックが「4」で、右のブロックが「4.」。つまり右の切手には数字の後に「ドット」が付いているわけ。この「ドット」の意味は、印刷に用いる円筒(シリンダー)に2版が取り付くので、区別するために片方には「ドット」を付け足したもの。

別府観光

2008年07月14日 | 雑文
 昭和24年3月10日発行の「別府観光」の初日カバー。温泉街の遠景を描いたカシェは川瀬巴水の作。この切手に限ってもう1種のカシェがあるのだけど、なぜ巴水が別府に限って2種のカシェを製作したのかは不明。夜の温泉の温もりが伝わって来る逸品だと思う。

郵楽会切手展

2008年07月13日 | 雑文
 画像の絵葉書は、大正15年4月1日~4日に開催された郵楽会主催の第2回切手展の記念絵葉書。描かれているのは、会場となった逓信博物館の正面と左上には会長の木村梅次郎である。
 第2回とあるのだから第1回があるわけで、それがいつなのかと調べてみたら大正2年6月7日~9日のことで、その間13年もの間が空いている。インターバルが随分と長いわけなのだけど、当時の郵趣会はそういう雰囲気だったのだろうと思う。