郵趣手帖の収集日記

切手収集について、日々感じたことや考えたことを気ままに紹介。

舞踊シリーズ改版

2006年05月31日 | 郵便史
 画像は、琉球で1961年から発行がはじまった舞踊シリーズの改版切手を貼ったカバーである。5セントと1セントの合計6セント料金は、日本宛の印刷物料金。那覇1964年7月1日で、兵庫御着の到着印は7月7日。琉球切手は美しい切手が多いので、1種1枚の未使用のカタログコレクションに、安物のカバーを加えて楽しんでいる。

ドクター

2006年05月30日 | 雑文
 6月になると目白の切手の博物館で「市田左右一回想展」が開かれるという。亡くなられて20年である。郵趣界で「ドクター」と言えば市田氏を指すことに、過去も、現在も、未来も異論は無いはずである。本物のドクター(製鉄関係)であったと同時に切手学のドクターでもあった。そんなドクターに1度だけお目にかかったことがある。もちろん話しなどするはずもないし、ただ単に「ああ、あの人がドクター市田なのか」と、実物を見れただけで満足しただけのこと。81年の東京国際展でのことである。
 国際展に現代郵趣部門を創設したのもドクターの仕事の1つなのだが、意外と知られていないようである。

チョロ消しでも

2006年05月29日 | 郵便史
 久々にネパールの話題。ネパールの初期消印は日本と同じく不統一印なので、各局ごとに印影が異なる。そのため、画像のようなチョロ消しでも局の特定は可能で、このばあいはJaleswar局と言う南部のインド国境近くの局所であることがわかる。ネパールのばあい、確認1点のみという初期消印がゴロゴロしている。前途多難・・・。

エピルス

2006年05月28日 | 切手
 北陸郵趣連盟のホームページの「小型印」と「エコーはがき」のコーナーに新情報を追加。ここをクリック!
 画像は、ギリシャ北西部に位置するエピルス1914年発行の切手。発行の前年、つまり1913年からギリシャに属している。安物の切手であるけれども、中型で図案もスッキリしているし、配色もこの当時の切手としては明るいので好きな切手である。日本の切手商ではあまり見ることの無いシリーズである。

いずみ

2006年05月27日 | 文献
 「郵趣手帖」のホームページでそのうちに紹介したいと思っている雑誌の1つが、この「いずみ」誌。北上健氏による「いずみ切手研究会」の会報なのだが、中々バラエティに富んで質の高い雑誌に仕上がっている。以前にはこうした雑誌が幾つも存在したのだが、今ではほとんどが廃刊になってしまっている。1960~70年代は会員数100とか200程度のミニ雑誌の黄金時代であった。

大絵巻展

2006年05月26日 | 雑文
 今日は、京都国立博物館で開催中の「大絵巻展」を見に京都へ。京都のみでの展覧会なので超長蛇の列。もし、見に行かれる方がいらしたら、朝一番をオススメします。昼近くになると恐らく1時間以上は並ばないと入館できません。
 内容はと言うと、16世紀までの主要絵巻がほとんど出品されていて、今回を見逃すと、一度にこれだけのものを見る機会はしばらくは無いでしょう。もちろん切手の題材になった「鳥獣人物戯画」「紫式部日記」「信貴山縁起」「源氏物語」なども出品されていて、オリジナル原画として楽しませてもらいました。

なぜ研究史なのか

2006年05月24日 | 雑文
 今までにも何度か郵趣研究史の大切さを述べたことがある。
 一つのテーマを持って何かを語ろうとしたばあいに最初にすべきことが、それまでに発表された該当するテーマについて扱われた資料報告や論文を漏らさずに集め、読むことである。なぜなら、そうすることによってテーマの中における自分の置かれている位置がわかり、今後どのような方向性をもって進めば良いのかが理解できるからである。
 すでに他人が言っていることを、はじめてのような顔をして発表することほど恥ずかしいことはない。

中東戦争

2006年05月23日 | 切手
 昨日に続いてエジプト切手。画像は1956年12月20日発行の第二次中東戦争の切手なのだが、実際の発行は停戦後の発行である。図案に描かれている敵の落下傘部隊は、落下傘がボロボロであったり、兵士が落下傘を着けたままグッタリ(つまり、降下中に弾に当たって死んだってこと)と描かれている。僕が一目でこの切手に印象づけられたのは、左端の女性の表情である。エジプト女性が「敵がやって来た!」とばかりに絶叫しているのであるが、とにかくスゴい表情。

パレスチナ加刷

2006年05月22日 | 切手
 エジプト切手というのは、特に美しいわけではないのだけれども、どことなく惹かれる要素があって好きな切手の一つである。そんなエジプト切手の中からパレスチナ加刷を1枚。本国ではなくてガザ地区用の切手である。1948年に最初のものが発行されて、通常に記念、航空、速達、不足料と一応一揃えが存在する。こうしたほとんど知られることの無い切手達が、国内展でも出品されて来ると面白いのだが・・・。

わからないことも楽しい

2006年05月21日 | 郵便史
 画像はハンガリーのプレスタンプカバーで、消印使用以前の物なのだが、手紙の日付から1769年7月7日のカバーということがわかる。黒で「8」と書かれているのが郵便料金で、この料金は1lothまでの重量であった。まだ勉強不足で差立て地と、左上のヘンテコな記号がわからないところが痛いのだが、わからなくて保留にしておくのも楽しいものである。後々入手した文献によって解明したことが数知れずあるけれども、解決した時の充実感にはなんとも言えないものがある。
 「わかない=つまらない」から集めないという人もいるけれども、わからないことを解決していく楽しみも知ってもらいたいと思う。

昨日入手のマテリアル

2006年05月20日 | 郵便史
 画像は、1839年5月9日の使用例で、右上にNeutra局の日付印が押されている。この局は現在はスロバキアになっており、宛先のMernyeは今も昔もハンガリーである。Neutra局は、1769年に開局された古い郵便局で、画像のタイプの消印を1839~45年の間に使用している。ペン書きされた12krは、1/2 lothまでの18郵便区間の料金を示している。

本日入手のマテリアル

2006年05月19日 | 郵便史
 「郵趣手帖」のホームページの「書き物」のコーナーに、「福井・三国局の林式機械印」を掲載。ここからどうぞ。
 ハンガリーから画像の落札品到着。1784年の使用例なのだが、「ハンガリー19世紀の郵便印」のコレクションに前史として使用する予定。
 右上に小さなハンコが見えると思うが、Pressburg局の消印である。この局は古くは1750年代から各種消印を使用している局である。中央下に朱書きされているのは一見「S」のように見えるが、郵便料金の「4」であり、重量1/2 lothまでの1郵便区間、つまり最低料金を示している。

逓信省絵葉書

2006年05月18日 | 文献
「郵趣手帖」のホームページに「北陸郵趣」624号に掲載した「逓信省絵葉書」の記事を追加。「郵趣手帖」はこちらです。
 逓信省絵葉書のハンドブックは、上の画像の「日本記念絵葉書総図鑑」がもっともまとまった良書なのだが、白黒なのが玉に瑕といったところか。とりあえずカラーで見たい人は「国際グラフ」の切手百年第2集が手頃かも。

スペインの大聖堂

2006年05月17日 | 切手
 画像は、スペインが1931年に郵便連合会議を記念して発行したものの中からの1枚。図案は大聖堂の廊下である。切手の出来映えとしては、凹版彫刻が素晴らしいのだが、それ以上に素晴らしいのが遠近感の表現である。ディスプレイを通して、この素晴らしさが皆さんにも伝わるだろうか?