郵趣手帖の収集日記

切手収集について、日々感じたことや考えたことを気ままに紹介。

Efiro・タイトルページ

2008年07月19日 | 雑文
 Efiro出品作品「ハンガリー19世紀の郵便印」は、そのうちに本ブログの親サイトである「郵趣手帖」に公開するとして、その前に幾つかのリーフについてここで紹介しておきたいと思う。
 最初に紹介するのはタイトルページで、下部にタイプ別の消印変遷表を掲載して、その上に解説を配置している。表が入っているので、本文スペースが小さくなってしまい、けっこう苦労する。その日本語訳は下記のとおり。

 ハンガリーにおいて初めて郵便印が使用されたのは1752年であり、それ以来現在までに多くの種類が使用されている。
 本コレクションでは、種類が多く複雑なハンガリー19世紀の郵便印について、編年体を用いて展示している。
 19世紀の郵便印は、18世紀に登場したタイプAと分類される郵便局名のみを表示するタイプに始まり、タイプB、タイプCのような幾つかの単純な形式の郵便印を経て、近代的な二重丸形印であるタイプDへと変遷します。タイプDは円の中心に日付が入るものの年号は入りません。続くタイプEでは単円印となりますが、タイプDと同じく年号はありません。年号入りとなるのは、19世紀後半から使用されたタイプFからです。このタイプの使用数は多く7,000個を数え、書体や日付部のバラエティも多く、本コレクションでもサブタイプとして扱っています。タイプGは少数のグループですが、その形態において以後の郵便印に与えた影響は大きいものです。タイプH・J・Kは、タイプGを改良したタイプであり19世紀末に登場し、以後20世紀の郵便印の標準形式となります。
 このように、19世紀の郵便印を概観することにより、単純で原始的な形式から多くの形式を経て、郵便印としての完成度を高めた形式への移り変わりを理解することができ、本コレクションでも郵便印の変遷を理解することを目的としています。
〈 参考文献 〉
" The Cancellations of Hungarian Post Offices on the Stamps of Austria 1850-67 " G. S. RYAN, 1980.
" Die Abstempelungen Der Ungarischen Postmter Auf Der Ersten Ausgabe Von Ungarn 1867-1871 ” G. S. RYAN, 1988.
" Handbook of the Hungarian Pre Stamp Mail “
“ The Postmarks of the Hungarian Post Offices and Postal Agencies (1871-1920) “ 1995.