郵趣手帖の収集日記

切手収集について、日々感じたことや考えたことを気ままに紹介。

「トルコ狂乱」非郵趣本

2008年10月30日 | 文献
 「トルコ狂乱」は、880ページというとても分厚い本。だけど読みやすいのでスラスラと読めてしまいます。この分厚い本の内容を大胆にも一言で片付けてしまうと「欧州列強のドロドロとした時代に、トルコ共和国が成立していく過程を知ることができる本」ということになります。帯にも書かれていますけどトルコ本国では60万部のベストセラー、そして驚くことに本国では海賊版が正規版の5倍の300万部売れたそうです。
 トルコやその周辺の収集家は、教養として読んで絶対に損の無い本。定価3,800円はお買い得なお値段だと思います。

田沢3銭の機械消カバー

2008年10月29日 | 郵便史
 画像は、お得意の即売百均カバー。いやいや、30通以上50円だったので、50均カバーからの1通。
 貼付切手は、田沢の昭和白紙3銭1枚貼りだから第1種印刷書状。封筒の右上が開封のため斜めにカットしてある。消印は「京橋/13/10,28/后4-8」で、標語は「胸に愛国/手に/国債」。
 3銭貼の封書が欲しかったのだけど、櫛形印のパッとしないものばかりの中で見つけた機械印の使用例。ほぼ葉書と同じ規格の封筒だし、きっと1度に多量に差立てられたのだと思う。だから機械印。

パナマ1928年

2008年10月28日 | 切手
 何か無いかとアルバムをめくっていたら、こんな切手が!
 リンドバーグの中央アメリカへの親善飛行を記念して発行された2種の内の1枚で、パナマの地図をバックに、リンドバーグの愛機スピリット・セント・ルイス号を飛ばしている。印刷は地元パナマのCanal社で、いかにも地元で印刷したという感じの平版印刷のベタな仕上り。ビッチ7のルレット目打が地元印刷の雰囲気を盛り上げている。
 こういう貧乏臭い切手って好き。

マラヤ連邦1900年

2008年10月27日 | 切手
 トラを描くマラヤ連邦の切手は有名なので、皆さんも見覚えがあるのではないでしょうか?
 1900年に発行が始まり1934年発行分まで、改色や透かしを含む用紙の変更などがあり、大きく3または4グループに分けるのが収集の基本。このシリーズには、数種類の切手帳(「スコット」には未掲載)があるのだけど、どれも数千ポンドもするので永久に入手は不可能。万が一間違って軍資金があったとしても、オークションでも滅多には出て来ない。

アイボリーコースト1936年

2008年10月26日 | 切手
 画像は、アイボリーコーストで1936年から発行が始まった通常切手シリーズで、全部で41種ものロングセットの内の1枚。一見して仏領の切手とわかる特徴を備えている。壺を持って川に水汲みに来ているデザインが、発行当時の現地人の素朴な生活の様子がわかって面白い。
 アイボリーコーストは、象牙海岸とかコートジボワールとかとも言われ、かつてはアフリカの中でも繁栄した国であったけど、1999年に起きたクーデターにより混乱が起き、6万人ほど居たフランス人も今では2,000人程度で、外国企業もほとんどが撤退しているとのこと。

「日本切手専門カタログ」戦前編 2009-10

2008年10月24日 | 文献
 日専が到着。前回の版よりほぼ100ページ増ということで、持った感じで厚みが増したことがすぐにわかります。
 もちろん梱包を解いたばかりなので見てないに等しいのだけど、「小判切手の模造・変造品」のページに載っている、45銭の和田小太郎製のキャプションに「本物より多い」と書かれているのを発見!こんなキャプションに思わずニャッとしたしだい。

エジプト・国際電気通信会議1938年

2008年10月23日 | 切手
 画像は、カイロで開催された「国際電気通信会議」を記念してエジプトが1938年に発行した3種セットの中からの1枚で、図案は全て共通である。
 この図案、何とも奇妙と言うかセンスが無いと言うか、全くの駄作だと思いますね。エジプトだから、やっぱりピラミッドと巨像ということでバックにそれを配し、電気通信会議を記念した切手だから電線を手前に描きました。ということで出来上がったのがこの切手。ピラミッドの手前に電線という景観的に全く奇妙というか、センスの無い切手が出来上がったしだい。

新と旧

2008年10月22日 | 郵便史
 画像は、菊3銭を貼った国内便カバーでいわゆる駄物というやつだけど、どういうわけか切手の色がものすごく鮮やかなのが印象的。
 消印は、抹消印が丸一印で「大宮郷/四十三年一月/六日/ニ便」で、到着印が櫛形印で「津/41,1,8/后1-3」。
 櫛形印は、1・2等局で明治39年から使用が開始されたけど、3等局では明治43年からの使用であったことから、画像のような新旧日付印の組合せが残されたしだい。

裸のマハ

2008年10月21日 | 切手
 画像は、スペインで1930年に発行された「裸のマハ」を描く切手。
 この切手はゴヤが死んでから100年になるのを記念して(1828年に死んでいるので、100年ちょうどではない)発行された17種の中からの1種にすぎないのだけれど、発行当時はヌード切手ということで、この切手ばかりが有名になってしまい、他の切手は全くと言ってよいほど話題になっていない。
 切手自体は、大形の凹版切手で素晴らしい仕上りではあるのだけれども、そこは1色刷りの悲しさ、原画のリアル感は伝わって来ない。

フランス領ソマリー・コースト1915年

2008年10月20日 | 切手
 紅海の出口に面したアフリカの小さな仏領。そこで1915年に発行が始まった17種セットの通常切手の1枚が画像のもの。17種セットが3種の図案に分かれていて、画像の現地人が太鼓を叩いている図案は低額4種ニ採用されている。
 用紙は一応チョーキーペーパーを使用しているから、そこそこ手の込んだ切手になっているけど、印刷の粗い現地っぽい雰囲気がなかなか良い。

かんたんポジショニング

2008年10月19日 | 切手
 手彫切手の楽しみの1つはポジショニングができること。
 とは言っても、龍や桜和紙シリーズならともかく、桜洋紙シリーズになって来ると難しい物が多いのは、経験のある人ならわかってもらえると思う。
 画像は、洋紙褐色1銭のカナ「レ」。ポーラス紙の目打11sだから、いわゆる駄桜。これが9sだったら・・・。と思うのは、厚かましいこと。
 この切手、下辺と右辺のマージンがとても広いので、ポジション40と確定できる。つまりシート写真などと見比べなくても、何の苦もなくポジショニングができるわけ。
 この切手は3面の原版が推定されているから、ポジション40を何枚か集めて比較すると、異なった版のものが集まる。手彫切手の楽しみである。

Japex作品発表

2008年10月17日 | 雑文
 Japexの出品作品が発表になりましたね。
 レギュラーの日本部門は、手彫・小判・菊が無くていきなり田沢からですが、航空を含んだ現行関係が色々とあって面白そうです。
 それに外国部門も国連最初の普通切手やカナダのアドミラルシリーズ、ボスニア・ヘルツェゴビナなど興味深いところが幾つもあります。国連切手の中でも最初の通常切手シリーズはバラエティが豊富で、国連切手の中では飛び抜けて面白いシリーズですし、あの奥行きのとても深いカナダのアドミラルシリーズをどこまで、どのように見せてくれるのか、今からワクワクします。
 企画部門は、満州関係がもうちょっと出るかと思ってたのだけど、意外と少なかったですね。
 いつものように財政再建の身なのでお買い物は期待できないけれど、他人様のものとは言え好きな切手がたくさん見れるので、楽しい連休になります。友人にもたくさん会えるし。

「イベール」カタログ

2008年10月16日 | 文献
 日本で「イベール」カタログのユーザーと言うと、フランス専門版のみを使っている人が大部分で、世界版を揃えて使っている人は少ないと思う。「イベール」の世界版は「ギボンズ」国別版や「ミッヘル」ほどは詳しくはなくて、どちらかと言うと「スコット」に近いタイプだけど、無視できない特徴が幾つかある。その1つが切手帳の採録方法で、切手帳ペーンの構成図を掲載している。画像は日本の一部分を示した物で、皆さんもよく知っている第3次ローマ字入りの10円鹿と20円松の切手帳(上図)、20円松のミニパック(下図)で、それぞれにカタログ番号が書込まれ、どのような構成になっているのかが示されている。海外版は揃えると11分冊にもなるけれども、手元にあると便利なカタログとして重宝している。

ネパール切手付封筒1935年

2008年10月15日 | ステーショナリー
 画像は、ネパールで1935~58年に発行された切手付封筒で額面8Paisaのもの。シバ神を描く同図案には、この他に4Paisaで緑色の刷色のものもある。
 消印は、Bhaktapur局というKathmanduの東近郊に所在する局で1953年5月15日の消印。8Paisaという額面はインド宛の料金で、裏面にはインドの5月20日の到着印が押印されている。

エクアドル1897年

2008年10月14日 | 切手
 画像は、エクアドルが1897年に発行した加刷切手からの1枚。
 台切手は、1894~95年の通常切手。この加刷はタイプ1~3があり、大きさや書体の違いで分類されている。画像はタイプ2で最も一般的なタイプである。
 世界カタログを色々と見比べると「ミンクス」のみにだけ「手押し」と注記が入っている。そうなると加刷ではなく加捺というわけ。