すでに臨床研修が必修化されて久しい
平成18年3月に初めての修了者を出してから早くも6年目となる
見直しもされ研修スケジュールには柔軟性がみられるようになってきた
一方で研修到達目標や研修修了判定基準に関しては
現状のままであり
まずしっかりと制度を確立しようと意図も感じられる
臨床指導医養成WSもそれぞれの臨床研修病院で行われ
臨床研修においては臨床指導医がその任にあたるように明確に規定されるようになった
よって指導医はますますその責任が重くなっていると受け止めなければならないと考える
そこで
あらためて臨床研修における修了判定について確認するために
師の臨床研修における修了等の基準に関する提言をご紹介します
はじめに
医師の臨床研修については、平成12年の医師法の一部改正により、平成16年4 月より新たな臨床研修制度が開始され、昭和43年のインターン制度廃止以来36年ぶりに抜本的な改革が行われることとなった。すなわち、診療に従事しようとするす べての医師は、臨床研修を受けなければならない(必修化)こととされ、また、これに併せて、臨床研修の内容の検討を進め、医師が、適切な指導体制の下で、医師としての人格をかん養し、プライマリ・ケアを中心に幅広く医師として必要な診療能力を効果的に身に付けることができるものとすることとされた。
医師の臨床研修の修了に関しては、研修管理委員会が、研修期間の終了に際し、臨床研修に関する当該研修医の評価を行い、単独型臨床研修病院又は管理型臨床研修病院の管理者(以下「管理者」という。)に対し、当該研修医の評価を報告しなければ ならないこととなっている。
そして、管理者は研修管理委員会の評価に基づき、研修医が臨床研修を修了したと認めるときは、速やかに、当該研修医に対して、臨床研修 修了証を交付しなければならないこととなっている。
修了の評価・認定についての基本的な考え方
各臨床研修病院の指定審査の際には、臨床研修協力施設を含む研修プログラムや指 導体制等が、医師としての人格をかん養し、幅広く医師として必要な診療能力を身につけることができる内容であり、指定基準を満たしているということが既に確認され ている。
従って、評価・認定に当たっては、各研修医があらかじめ定められた臨床研修の期 間、研修プログラムに則った研修を行い、臨床研修の到達目標が達成されていれば臨床研修を修了したと認定することが適当である。
研修医の評価を行う際には、各分野における評価については担当指導医等が、研修期間を通じた評価についてはプログラム責任者が行い、最終的な評価を研修管理委員 会が行う。そして、研修管理委員会の評価に基づいて、管理者が臨床研修の修了を認定することとなっている。臨床研修を実施している間、指導医等の研修医の指導にあ たる者は、適宜、各研修医の研修の進捗状況を把握・評価し、修了基準に不足している部分を補い、あらかじめ定められた期間(2年)内に臨床研修を修了することができるよう配慮する必要がある。
研修修了の判断にあたっては、実際の研修実施期間の評価及び臨床研修の到達目標の達成度の評価に分けて評価を行う必要がある。なお、最終的な認定に当たっては絶対評価を用いることとすべきである。
評価・認定等における関係者の役割
指導医について
指導医は、自分の担当する各研修医ごとに臨床研修の到達目標の達成状況を把握し、担当分野の研修期間終了後に、研修医の評価をプログラム責任者に報告することとな っている。評価にあたって指導医は、研修医の指導を行った、あるいは研修医と共に業務を行った医師、看護師その他の職員と十分情報を共有し、それぞれの評価を把握した上で、責任を持って評価を行うべきである。 また、指導医は研修医とよく意志疎通を図り、実際の状況と評価に乖離が生じないように努める必要がある。 一方、研修医による指導医の評価も、指導医の資質の向上に資すると考えられることから、実施することが望ましい。 なお、臨床研修協力施設等における研修実施責任者や指導者についても、指導医と同様の役割を担うべきである。
さて本学ではこのようになっている
臨床研修管理委員会のもとに臨床研修センター運営委員会があり
研修プログラムに準じて
本院と横浜西部病院そして川崎多摩病院にそれぞれ研修を管理する委員会が常設されている
今年度は研修プログラムが分かれて最初の修了者を判定すべく
西部病院も多摩病院もそれぞれ準備を行っているところである
本学ではポートフォリオ評価を行っているため
まず研修医は自分の担当テューターに作成したポートフォリオを見せ
最終的なサインを受ける必要がある
その上で臨床研修センターに期日までに提出しなければならない
提出されたポートフォリオは1ページごと事務職員が確認して
提出されるべき書類がすべて挟み込まれているか
一度はテューターがチェックしたものを修了判定書類に確認して記入していく
内容は研修診療科ごとに評価をA~Dごとに項目数をチェックして
さらに自己分析を1年につき3例で2年間で6例分
またSignificantEventAnalysisを2年で2例分振り返りを行っているか
そして法律で定められている臨床病理検討会への参加回数などが示されている
ポートフォリオ読み込み期間になると
研修医一人に対して二人の臨床指導医が指名され
読み込み作業に入る
読み込み作業では臨床指導医が作成されたポートフォリオの質を確認する
ポートフォリオは単なるログファイルではないため
その質が担保されなければならない
単に字が綺麗であるとかファイルが整えられているということではポートフォリオとは見なされないことは
すでに本学の研究でも明らかとなっている
このポートフォリオの質の確認を行った上で
修了判定書類に修了をみなすかどうか判定していく
もちろんこの課程でさまざまな質のポートフォリオを遭遇するが
現時点ではその内容で研修未修了とはできないのも事実である
このようにして本学では修了判定を行っている
単に研修到達目標を意識させるだけでなく
ある課題を課してそれを達成するというパフォーマンス評価がひとつの特色と考えている
平成18年3月に初めての修了者を出してから早くも6年目となる
見直しもされ研修スケジュールには柔軟性がみられるようになってきた
一方で研修到達目標や研修修了判定基準に関しては
現状のままであり
まずしっかりと制度を確立しようと意図も感じられる
臨床指導医養成WSもそれぞれの臨床研修病院で行われ
臨床研修においては臨床指導医がその任にあたるように明確に規定されるようになった
よって指導医はますますその責任が重くなっていると受け止めなければならないと考える
そこで
あらためて臨床研修における修了判定について確認するために
師の臨床研修における修了等の基準に関する提言をご紹介します
はじめに
医師の臨床研修については、平成12年の医師法の一部改正により、平成16年4 月より新たな臨床研修制度が開始され、昭和43年のインターン制度廃止以来36年ぶりに抜本的な改革が行われることとなった。すなわち、診療に従事しようとするす べての医師は、臨床研修を受けなければならない(必修化)こととされ、また、これに併せて、臨床研修の内容の検討を進め、医師が、適切な指導体制の下で、医師としての人格をかん養し、プライマリ・ケアを中心に幅広く医師として必要な診療能力を効果的に身に付けることができるものとすることとされた。
医師の臨床研修の修了に関しては、研修管理委員会が、研修期間の終了に際し、臨床研修に関する当該研修医の評価を行い、単独型臨床研修病院又は管理型臨床研修病院の管理者(以下「管理者」という。)に対し、当該研修医の評価を報告しなければ ならないこととなっている。
そして、管理者は研修管理委員会の評価に基づき、研修医が臨床研修を修了したと認めるときは、速やかに、当該研修医に対して、臨床研修 修了証を交付しなければならないこととなっている。
修了の評価・認定についての基本的な考え方
各臨床研修病院の指定審査の際には、臨床研修協力施設を含む研修プログラムや指 導体制等が、医師としての人格をかん養し、幅広く医師として必要な診療能力を身につけることができる内容であり、指定基準を満たしているということが既に確認され ている。
従って、評価・認定に当たっては、各研修医があらかじめ定められた臨床研修の期 間、研修プログラムに則った研修を行い、臨床研修の到達目標が達成されていれば臨床研修を修了したと認定することが適当である。
研修医の評価を行う際には、各分野における評価については担当指導医等が、研修期間を通じた評価についてはプログラム責任者が行い、最終的な評価を研修管理委員 会が行う。そして、研修管理委員会の評価に基づいて、管理者が臨床研修の修了を認定することとなっている。臨床研修を実施している間、指導医等の研修医の指導にあ たる者は、適宜、各研修医の研修の進捗状況を把握・評価し、修了基準に不足している部分を補い、あらかじめ定められた期間(2年)内に臨床研修を修了することができるよう配慮する必要がある。
研修修了の判断にあたっては、実際の研修実施期間の評価及び臨床研修の到達目標の達成度の評価に分けて評価を行う必要がある。なお、最終的な認定に当たっては絶対評価を用いることとすべきである。
評価・認定等における関係者の役割
指導医について
指導医は、自分の担当する各研修医ごとに臨床研修の到達目標の達成状況を把握し、担当分野の研修期間終了後に、研修医の評価をプログラム責任者に報告することとな っている。評価にあたって指導医は、研修医の指導を行った、あるいは研修医と共に業務を行った医師、看護師その他の職員と十分情報を共有し、それぞれの評価を把握した上で、責任を持って評価を行うべきである。 また、指導医は研修医とよく意志疎通を図り、実際の状況と評価に乖離が生じないように努める必要がある。 一方、研修医による指導医の評価も、指導医の資質の向上に資すると考えられることから、実施することが望ましい。 なお、臨床研修協力施設等における研修実施責任者や指導者についても、指導医と同様の役割を担うべきである。
さて本学ではこのようになっている
臨床研修管理委員会のもとに臨床研修センター運営委員会があり
研修プログラムに準じて
本院と横浜西部病院そして川崎多摩病院にそれぞれ研修を管理する委員会が常設されている
今年度は研修プログラムが分かれて最初の修了者を判定すべく
西部病院も多摩病院もそれぞれ準備を行っているところである
本学ではポートフォリオ評価を行っているため
まず研修医は自分の担当テューターに作成したポートフォリオを見せ
最終的なサインを受ける必要がある
その上で臨床研修センターに期日までに提出しなければならない
提出されたポートフォリオは1ページごと事務職員が確認して
提出されるべき書類がすべて挟み込まれているか
一度はテューターがチェックしたものを修了判定書類に確認して記入していく
内容は研修診療科ごとに評価をA~Dごとに項目数をチェックして
さらに自己分析を1年につき3例で2年間で6例分
またSignificantEventAnalysisを2年で2例分振り返りを行っているか
そして法律で定められている臨床病理検討会への参加回数などが示されている
ポートフォリオ読み込み期間になると
研修医一人に対して二人の臨床指導医が指名され
読み込み作業に入る
読み込み作業では臨床指導医が作成されたポートフォリオの質を確認する
ポートフォリオは単なるログファイルではないため
その質が担保されなければならない
単に字が綺麗であるとかファイルが整えられているということではポートフォリオとは見なされないことは
すでに本学の研究でも明らかとなっている
このポートフォリオの質の確認を行った上で
修了判定書類に修了をみなすかどうか判定していく
もちろんこの課程でさまざまな質のポートフォリオを遭遇するが
現時点ではその内容で研修未修了とはできないのも事実である
このようにして本学では修了判定を行っている
単に研修到達目標を意識させるだけでなく
ある課題を課してそれを達成するというパフォーマンス評価がひとつの特色と考えている