聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

ポートフォリオの書き方講座 パート2(再)

2007-10-04 11:26:38 | プログラム解説
どうも研修医を見てるとパターンがあるようです。
1つは、ポートフォリオだからとりあえず何でも入れておこうとするタイプ。
もう1つは、評価されるからいいものだけを入れておこうとするタイプ。例えばまとめ書きタイプ。
あと1つはまったく何も挟まれていないタイプ。これは評価日が近づくと慌てて評価してくださいとかいう張り紙様を付けて指導医に持ってくるタイプ。これ最悪。結局ポートフォリオが苦痛でしかないし、これでは成長することもできなくなってしまう。

お勧めはまず何でも挟んでおくこと。ランチョンレクチャーの資料も研修診療科の論文もなんでもまず挟む。そのうちいろいろな分類ができるほど集まってきたら一度整理して、分類する。疾患別?症状別?症例報告?重要度別なんて分け方もいい。
あとできるだけ思い立ったときに何でもファイルする。
毎日の記録は携帯版のポートフォリオ用紙を用いてもいいし、指導医にその裏に課題を書いてもらったり、自分でメモしたり。もちろん自分のメモ用紙に孔開けてファイルにとじ込んでもあり。
そうすれば自分の得意分野と不得意分野も明確になる。

とにかくこれはボクら指導医にも非常に役立つんです。例えば昨夜読んでわかったのはどの研修診療科が意識して書かせているかとか・・・・どの診療科がいまだにこの評価をわかっていないかなんて想像できる。
もちろんそれぞれの診療科においては診療部長が研修の責任を負っているわけで、研修医が振り返る時間もないくらい業務があるようでは、そういう理解なのかな?って勝手に想像もしてしまいます。今後の指導の向上にも役立ちますから、そこも意識して欲しいなんて思ってます。

もちろん研修医自身が自分の研修を振り返るために必要なことは言うまでもありません。具体的にです。
よく時間がないって話を聞きます。よく考えてみてください。きっと自分の中で優先順位を決めてるはずです。小学校の塾で宿題を忘れた小学生に先生が尋ねます。
ほんとうにやるじかんがなかったのかな?
うつむく小学生。
まずこのポートフォリオがなぜにこんな風に今注目されているかです。自己評価をしっかりできる力を身に付けること。これを養う最適な方法の一つであるからです。

もうひとつ。ポートフォリオをネタにテューターと研修医が話しあう事ができます。これはメンタルサポートでも重要です。以前、医学界新聞の対談でも説明しました。そういった事例はいくつかあるんです。

そして何よりも、皆さんが臨床研修センターで先輩たちがまだ持っていかずにいたポートフォリオをみて、どういう印象を持ちましたか?すげ~なこれ!ってあの驚きや感心したときの気持ち。
あれが成長を促すことにもなるんです。今度は自分たちが後輩を育てていくって気持ちになる第一歩。

まずは明日から胸のポケットに携帯版を入れて病棟へ行きましょう。いえもし今これを読んでて、これから病棟へ向かうのではあれば、ぜひポケットに忍ばせていきましょう。

もし時間があるのなら、本当にもう書いている研修医がいるということを確認してみてください。棚を見て、すぐ隣の2年目の先生たちのポートフォリオをゆっくり眺めて見てください。
ちょっと焦ったらそれ以上は今は見ないで閉じましょう。
あとでゆっくり読む楽しみをとっておきましょう。

そうもっと聖マリアンナ医科大学のポートフォリオを知ってもらうことが必要だって最近感じてます。
もちろん今度の父兄会(ははは・・・聖マリアンナ医科大学では父兄会があるんです)では、何冊かもっていって、これどうですか?って見てもらおうと思ってます。もちろん診療部長も実物見る機会は少ないでしょうから、いいチャンス。5年生には外部の研修プログラム説明会の前に一度マッチングの説明を兼ねてご紹介します。

では。まずはなんでも挟むことから始めてみてください。

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