聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

聖マリアンナ医科大学病院に勤める研修医たちの日々の情報をリアルにお届けいたします。

病院見学お待ちしています!

聖マリアンナ医科大学病院群では、いつでも医学生や研修医の皆様の病院見学を受け付けています。 聖マリアンナ医科大学病院・横浜市西部病院・川崎市立多摩病院で病院見学できます。 詳しくは聖マリアンナ医科大学臨床研修センターHPもしくは 臨床研修blog内の記事をお読み下さい。 お待ちしています!

後期臨床研修医募集中!

聖マリアンナ医科大学では平成26年度後期臨床研修医を募集中! 詳しくは聖マリアンナ医科大学臨床研修センターまでお問い合わせ下さい!

日帰りでなくても学会は・・・・やっぱり疲れます

2010-11-30 18:49:19 | 指導医日記
先週末から西日本に学会に出かけてました
一緒に参会した先生が「学会で地方に来たのは初めてです」と興奮していたので
学会で座長の仕事を終えた後に
一緒に観光にでかけました
日頃病棟でかけずり回っている若い先生とっては
太陽の日のもとで市内観光するだけでも大騒ぎ

路面電車の前で写真を撮ろうとすると
わざわざ路面電車がスピードを落としてくれて
見事にシャッターチャンスをものにできました
どうもすみません

違う診療科の先生も交えて一緒にお食事
分野は違いますが研究テーマが一緒だと横断的な学会で一緒になります
こういう機会にたくさん議論するのがいい

でも残念ながら翌日朝早くに新幹線で帰宅

帰りの新幹線の中で携帯電話がなりっぱなし

帰ったら手術

地方の学会なら呼出なしかな?なんて期待してましたが大変です

日帰りでなくても学会はやっぱり疲れます はい

ポートフォリオのこつ?!

2010-11-29 21:23:19 | ポートフォリオ評価
多摩病院の研修プログラムにおけるポートフォリオ評価を解説しています

もし興味を持たれている医学生の皆さん
ちょっと他の研修施設のことが知りたい研修医の皆さん
研修評価について何かもっといいのはないかと思っている指導医の先生方

もしよかったら『ポートフォリオ評価』なんてどうでしょう?

興味があったらご連絡ください
いつでも本学のポートフォリオを解説いたします

本音も暴露しちゃいます

ご連絡はこちらまで
tama-rinsho-kenshu@marianna-u.ac.jp
もしくは
rinsho-kenshu@marianna-u.ac.jp

振り返りのわかる内容に

2010-11-28 22:24:45 | ポートフォリオ評価
混同されやすいからもう一度

ポートフォリオは単に研修記録を挟み込んだログブックではありません

自分の研修を振り返って見直し再構築していることが求められます

研修評価表を挟み込んだものという誤解もあるようです

ちょっと間違ってたかなって思ったら

もう一度この研修ブログとか読み返してみてください

ポートフォリオを語ると・・・・・

2010-11-27 22:21:31 | 指導医日記
さて
ポートフォリオって何ですか?って聞かれれると
ついつい『先生方はどうやって研修医の評価していますか?』って聞きたくなってしまうのです
さらに
『その評価で何を見ようとしていますか?』
『その先に何を求めていますか?』って次々に聞きたくなってしまうのです

ボクの答えは極めてシンプルです
『ボクの知っている研修医は本当にきちんとお医者さんになりたいんです』
『だからこそ〝きちんとしたお医者さん〟に必要な〝振り返り〟を知らず知らずに身につけさせようとしているだけなんです』

『専門医って何でしょう?学会の試験にパスするだけでない専門職人という意味での専門医です』
『患者さん個々の問題に個別に対応できる医師になるために〝振り返る〟修行が重要だと思っています』


振り返り
この大切なキーワードを知らず知らずに体得させる方法
それがポートフォリオです

厳しいかも知れません
でもこの必修化は医師法で定められたもの
その中で限られた時間で体得させるのにくどくど説明するより
信じてついてこい!って解説しているだけなんですよって

今回は非常にシンプルに解説してみました

先生だけが特別な存在という質問にははっきり否定しています

『ボクと同じ指導医が何人もいますよ』
『本学の指導医は同じように指導できるアドバンスコース修了指導医がいるんです』

ちょっと自慢気かも知れませんが事実です

医学生にも本当はちゃんと考えて欲しいけど
面倒なら信じて来いってメッセージを伝えています

最近ポートフォリオを解説するのに言葉数が減ったかも知れません
いろいろ言うより見てみませんか?って感じです

もうすぐ中間面接になります

今度はどんなポートフォリオに巡り会えるのか楽しみです

研修修了判定 ポートフォリオの提出忘れずに

2010-11-26 21:20:12 | ポートフォリオ評価
さ~今年もそろそろお伝えしないといけません

聖マリアンナ医科大学の研修修了判定では
研修医の先生方一人一人の作成したポートフォリオ
まず担当指導医であるテューターが読み込み
評価表や研修の足跡のわかる証拠がきちんと挟み込まれているか確認します

きちんとできあがったポートフォリオは臨床研修センターに整然とならび
そのポートフォリオを二人の別の指導医がそれぞれ読み込みます

読み込むときの基準がきちんと決まっており
それに準じて評価されます

というわけで
今年度は1月31日までにご提出ください

挟み込む内容も一度確認しておくようにお願いします

主訴:敵が攻めてくる?!

2010-11-25 23:25:34 | Weblog
【主訴】敵が攻めてくる
【経過】平成22年10月ごろより・・・・・

研修医の先生が必死に何かを書いている
そのパソコンの画面をのぞき見てちょっとびっくり
主訴が・・・・・敵が攻めてくる・・・・って

どうも患者さんの訴えそのままに記載したレポートの作成みたい

だって~敵が攻めてくるっていうので~

そうだよね
患者さんの言葉どおりに書くのが正しい
でも・・・・なんかもうちょっと工夫してみていいのかな~なんて思った次第です

それにしても
毎日きちんと診察して診療録を記載して
研修センターでパソコンに向かって遅くまで症例レポートを書く姿はすばらしい

頑張れよ~

教育的プログラムより臨床が大事?!

2010-11-23 21:13:55 | 指導医日記
最近教育的なプログラムであるランチョンレクチャーへの出席率が低下しているって噂
本当かな~?

どうもそれぞれの診療科で『いかなくても大丈夫!』『どうせここで研修すれば覚えるよ!』なんて誘惑されているらしい?

おかしいですよね
だって指導医の先生方がその養成WSの中で
研修到達目標を達成するために手段に
全体での講義とか勉強会とか
た~くさん計画に組み込んで発表してましたよ~

研修医の皆さんにしても
たしか最初のボクに見せてくれた目標には
『ランチョンレクチャー全出席!』っていうのもあった

嘘つきだ~!

ランチョンレクチャーって知識を教える時間ではなくて
知識を整理してくれる時間なのに

まさに行為の中の省察を一緒に行う貴重な機会

そんな機会を自ら放棄する君たちは・・・・・・・『MOTTAINAI!

自分を変えた瞬間を残す

2010-11-22 23:54:34 | Weblog
本学では研修2年間で印象深かった症例のうち
とくに自分の医師としての今後に大きく影響した症例を自分なりに分析して書く
『Significant Event Analysis(SEA)』なるものを
自分のポートフォリオに挟み込んで提出することが義務づけられています

うわ~面倒くせ~なんて思っている研修医や医学生もいるでしょうね

でも本学の研修医はそれを承知でマッチングで希望してきます
たしかに本当に理解しているかは疑問だな

このSEAを他学の指導医にも読み込んでもらうために
来月に行う指導医養成WSにいくつかコピーを持って行くことにしました
もちろん氏名は消してありますからご安心を

さて
その中身を久々に読んで正直感動したのでちょっと書いてみました

とにかく
これを教授会で配付資料にした~い
タウン誌で川崎市民に紹介した~い

ほんとそう思える内容なのです

正直な自分の気持ちに向き合い自分の言葉で書いたその内容に何か心が揺さぶられます

病気に苦しむ患者とともに悩んだ日々のことや
それを取り巻く周囲の人々との医師としての立場でのやりとりでの苦悩
医者になることに自信を失いかけてきたころに患者さんや家族に言われた『感謝の言葉』
治療に限界があることに気づいたときに自分が何をなすべきか逃げずに考えたこと
生活保護を受けている患者さんの治療においてまずすべきことは薬ではなかったこと
経鼻胃管を抜いて退院する患者の笑顔に最善の医療とは何かと知ったとき
ディスポ使い捨ての経鼻胃管を洗って熱湯消毒して使うおばあちゃんの言葉に衝撃を覚えたこと

などなど

書いているだけでちょっと涙腺が緩んできます

たしかある病院からの報告では
『SEAは研修医の手技向上に影響しない』っていうのがありました
それって何を目的にするかではないかな?と思います

先日述べた記録することで『はまり所』を見つける
そのはまり所が技術的なことなのかそうでないのか
その違いではないか?と感じますがどうでしょう?

少なくとも最初は強制で書かざるを得ないポートフォリオかも知れませんが
実際にはこのように変わってきます

それをこうやって実感できるだけでも
ここで指導医しててよかったな~って思います

年取るとダメですね・・・・・

毎日の記録で何が変わる?

2010-11-21 19:11:15 | ポートフォリオ評価
ここ最近医学部のカリキュラムを見直すための準備に追われています
いろいろな国々の取り組みを検討して比較するだけではなく
いかに日本の医学教育の現状に見合ったものにするか奮闘しています

欧米ではいかに医学部卒業時点ですでに医者として振る舞うことができるか
そこにポイントが絞られていますが
日本ではどうも卒業後の臨床研修2年間を過ごさなければ現実的には欧米の形に近づかない印象です

ところがこの臨床研修でいかなる研修を過ごすかがいまいち統一されていない
目標はあるけど修得する方法・過程が異なっている
ゴールの評価も施設でばらばら
いいお医者さんに育てたいけど・・・・・・って感じです

さて
以前にも専門職という形で医業をとらえたときの話を書いたことがありますが
そのときには日本の医学部は
『専門家としての仕事の遂行に必要な一般化されかつ体系的な知識を伝授する(理解という名の暗記)』
ことにこだわりすぎているとやや偏ったことを書いた気がします
日本で学んだボクが何を言ってる!って叱られそうですが
学生のころ周囲の友達も
『知識ばかりでなくきちんと患者さんをみれるようになりたい』って強い願望があった気がします
だからボクも含めて多くの医学生は
今度は『技術の伝授』に夢膨らませて研修医時代を耐えてきたわけです
だから今はマッチングで症例数の多い施設の研修に期待するのです
とにかく何が何でもいい医者になる
そのためにこの貴重な2年間に期待するわけです

結果としてどうなったのか?
医学部6年間+臨床研修2年間での結果である専門家の卵たちは
『専門家として優れた医局伝統の技術をちょこっと身につけ一般的な方程式に基づくA=Bであるという知識を習得する』のです

またまた言い過ぎですかな

今はこう思います

いかに卒業までに修得した知識を踏まえて
臨床の中にある複雑な関連性を自分なりにとらえて分析して
その関係を解き明かし自分なりに解釈するか
その課程が重要であるといかに伝えていこうか

ここが問題なんだな~研修医の気持ちもわかるし・・・・焦るな~ってね


偶然にできる指導医に師事することができて
無意識のうちにそのような行為を修得できたとしたら
それはラッキーに過ぎない
まずその無意識のうちの行為すら実感することができない
その有能な指導医ですら気づかない『行為の中の実践』こそがプロのなせる技だということ
これはすでにあらゆる分野で認知されていることです

今試していること
『とにかく毎日診療した患者さんのことを記録しなさい』

そして時間のあるときにそれを読み返してみなさい
気づくことがあれば自分の言葉で追加して書き込みなさい
その中から何かが生まれてくるからっていうことに期待して
ひたすら
『ポートフォリオに残せよ!』って言い続けています

ドナルドショーンも書籍の中でメジャーリーガーの『はまり所を見つける』って表現しています
メジャーリーガーも投球練習や打撃練習でふとした瞬間に『はまり所』を見つけます
その『はまり所』を確かなものにするために考えて分析して自分のスタイルにします
プロのオフシーズンのキャンプ中に取り込む姿を想像しましょう

ボクらも研修医にもその『はまり所』を見つけることが大切だと感じます

だから毎日記録するときっとその『はまり所』が見つかると思うのです
一度『はまり所』を感じたら何か変わるのだと思います

ポートフォリオを書き続けた研修医は
きっとはまってきます