聖マリアンナ医科大学病院臨床研修Blog

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後期臨床研修医募集中!

聖マリアンナ医科大学では平成26年度後期臨床研修医を募集中! 詳しくは聖マリアンナ医科大学臨床研修センターまでお問い合わせ下さい!

指導医の先生方・・・指導内容を記録していますか?

2012-03-18 19:05:22 | Weblog
臨床研修病院では日常診療における研修において
研修医の記録や診療における指導医によるチェックが義務づけられており
その内容は必ず診療録に記録されていなければいけません
それは診療報酬上重要なポイントです

記録がなければ管理料を請求できないはずなのです

これは心拍呼吸監視などを請求する場合
きちんと診療録にその結果を毎日記載されているのか?とチェックを受けるのと一緒です

これはポートフォリオの記録とは違います
ポートフォリオは研修医の研修修了における大切な証拠ですが
診療録における指導医の指導内容の記録は
研修病院における研修の内容の保証となるのです

『指導してるよ~』ではなく
その実情をきちんと診療録に残さなければいけないのです
『(研修医の)診療記録を確認しました』
『(研修医の)処置内容を確認しました』
『(研修医に)指導・評価行った』など
毎日研修医の受け持つ患者の診療記録に記載されていなければいけないのです

ぜひぜひお忘れないように

多摩病院臨床研修ニュース

2012-03-17 15:02:21 | Weblog
病院内で臨床研修に関する説明会を指導者クラスを中心に行い
今や病院内には指導評価担当者なる方々が総勢80名がいます
指導医ではなくコ・メディカルの方々です

この説明会では
そもそも臨床研修って何だろうとか
本学が取り組んでいるポートフォリオ評価はどういうものなのか
などなどお話しました

終わったあと『そういうことだったの』って感じ

これに気をよくして病院の全スタッフを対象に説明会を計画しているところです

それにしても
研修医の皆さんは本当に日々診療に追われていて
診療科によっては初日から全くポートフォリオに挟み込む時間的余裕もない場合も

そんなときにも
ぜひポケット版の記録用紙を活用して
毎日ちょっとしたときに自分で振り返る事ができるように工夫をして欲しいものです

最初は意識しないとできないことも
やがて自然にできるようになるはず

さらにメモしておくと
あとで振り返るときにも活用できます

ポケット版の記録用紙は臨床研修センターに在庫があります
いつでも申し出て下さい

一応お代は頂いていません
つまりタダです

とにかく
毎日ちょっとしたこと
気になったことなど
記録しておくようにしましょう

臨床研修における自己評価の大切さ

2012-03-15 19:22:19 | Weblog
田中耕治先生の『教育評価』によれば
『自己評価とは子供たちが自分で自分の人となりや学習の状態を評価し
それによって得た情報によって自分を確認し
今後の学習や行動を調整すること』だそうです

成人学習理論や
教育学における構成主義的な考え方に基づく
非常に大切なポイントです

この『自己評価能力』こそが『メタ認知』とか『(自己)モニタリング』とも言われるもので
今もっとも注目されている能力となります

ある目標を定められた中で
学習(つまり研修)を通じて自分を形成していく
これが求められていることです

一般目標(GIO)や行動目標(SBO)では表現しきれない目標
これを目指して自分で自分を評価しながら
きちんと分析して自分自身を成長させていく
これが重要です

Harden先生は書籍『医学教育の理論と実践』の中で
卒後臨床研修というのをこのように記載しています

『卒後臨床研修は教育・臨床への暴露・そして経験の場である。
この臨床研修によって、専門家、科学的根拠に基づく診療、
そして卓越した人間としての医師への成長が促される。』

つまり
卒後臨床研修というのは実際の臨床現場であり
同時にその研修の成功が大きく一人の医師の成長に関わる大切な教育現場となりうると
述べています

さらに
『臨床研修の究極の課題は、研修医たちが、そのおかれた状況や環境の中で、
日々着実に進歩しつつ、適切な臨床の暴露を受けつつ、
その中で(これまでの自分の経験していない現実にぶつかって)葛藤し、
自分で(既に知っている事実と未だ知らなかったことの)調整を行いながら、
経験を積んでいくことであり、それが貴重な体験となり、
今後の高い水準の患者ケアを行うに足る臨床専門能力の獲得につながるっている必要がある。
でなければ、その臨床研修は意味がないのである。』
と記載しています

まさに臨床医としてのボクのこれまでは
既知と未知との葛藤の日々
指導医もそれぞれいろんなパターンがあって
その都度指導医合わせて自己調整を行ってきた
そして自分で工夫して手術手技を覚えてきたわけで
ここに書かれている内容は非常にふかいい話なわけです

さらに臨床研修のもう一つの課題も言及されています
『研修医自身が今後指導医となって、次の世代の研修医や医学生の教育に参画できるようになることである。』
『そのためにも臨床的・実践的なスキルの修得においても成人学習理論に基づき、
きちんと計画された教育的手法のトレーニングが必要不可欠となる。』

これまたとても大切なポイントだと思います

いつまでもある特定の医学教育にヒトよりちょっと興味を持っている指導医がいるから
今の研修がうまくいっているんだって状況は好ましくないのです
その指導医がずっと大学にいるとは限らないのです

研修医一人ひとりの自己評価能力の向上
まさに切望している今日この頃です

指導方法  忙しい臨床現場で使ってみては?

2012-03-14 22:25:31 | Weblog
さて
臨床の忙しい現場でどう教えるか?
教えるっていうより
忙しい現場でいかに臨床能力を高めるように指導していくか?って
発想をまず変えてみる事だと感じます

まず
feedback手法はなんとなくわかるけどって指導医の先生は多い
でも
効果的にってことになると何が効果的なのか?って思うようです
それに本学だとしきりに研修医のレベル(到達度)が取りざたされるけど
いったいその研修医がどのレベルなのかもまずわかんないっていうのが現実問題なんでしょうか


時間のない臨床の現場で効果的なフィードバックを行うときのひとつの方法がありますよって
指導医WSで話したのを覚えてますか?
病棟のナースステーションで
救急の外来で
昼飯を食べながらお茶しながら
ちょっとの時間を利用してポイントを絞ってフィードバック  

それが1分間指導法(5micro-skills)です
これは研修医の思考過程を明らかにしつつfeedbackを行い
研修医自身が振り返りを促されるもの

ほら?思い出しましたか?
指導医WSのadvancedコースでは互いにやってみたやつです

5つの段階的な質問で済みますからやってみてはどうでしょう?
まずはこんな質問からスタートです
第1ステップ 研修医の現時点での考えを聞く
「先生はどう考えますか?」
まず研修医自身の考えを引き出す
もちろん開かれた質問であることが重要!
うっかり「○○○は考えなかったの?」ではダメですよね
相手が何を理解してどこまで考えたかを明らかにするステップです

第2ステップ その考えの根拠を聞く
「なぜそう考えたんですか?」
研修医の知識と思考過程の確認作業です
そう考えるに至った根拠を確かめます
偶然あってたなんて場合もあります
診察そものがうまくできていないのか?(報告者レベル?)
情報を分析することができなかったのか?(解釈者レベル?)
ここを明らかにしましょう!
ここで大切なポイント
あくまで研修医のレベルを知ること
中には「え~そう思ったんだけど違うんですか?」「・・・・・・わかりません!」って言い訳や逃げてしまう研修医もいます
そこで諦めてはいけません
研修医のための指導です
「(笑顔で)そう思ったという理由を話してみてよ先生」
「(二コっと)そのわからないとこが何か話してみてよ先生」って感じです

そしたらここ大切なステップです
第3ステップ 出来たことを褒める
「なるほど!いいね~!先生!」
現時点でできていること(診察出来たこと?解釈できたこと?)を確認して
まずはその段階を褒める
すると相談しやすい雰囲気になりますし研修医は自信を持ちます
ここまではいいのか~!よかった~!ってね

この第2・第3ステップがうまくいくと
たとえポイントずれた解釈をしていても
「それは面白いところに目をつけたね!でも・・・このケースではどうだろう?」
研修医は「ん?何か違うんだなきっと・・・・」と自分で考える癖を身に付けます
振り返りをどんどん促すことを習慣づけていけるようになります

このときやっちゃいがちだけどダメなのは
「○○○忘れてるじゃん!知らないの?」と先に答えを知ってしまうこと
きっと研修医は丸暗記していきますヨ

第4ステップ 一般論を提示する
「一般的にはこういう風に考えるよね」「文献的にはこうだよね」
あやふやなことを明確にしながら知識の定着を促します
つまりまず間違いに気付かせる
患者と一般論がセットになると知識が定着しやすいようです
ここで注意すること
あれこれ教えすぎないこと!
そうそう以外とこれって多いですよね
ちょっとのつもりが話し過ぎちゃうパターン
今その話しされてもって研修医は自然に耳に蓋してますよきっと

そして最後に
第5ステップ 改善点を提示する
「じゃ~先生!今度同じような患者さんが来たらどうしますか?」
臨床上の問題を明らかにしていく段階です
目の前にいる患者に則して学習課題を明らかにしましょう!
もちろん研修医の側から
「これが理解できていなかったので勉強してきます!」なんて感じになればいいけど
指導医から促すのもありです

これって慣れてくると本当に1分程度で済みます
ボクは実際に研修医に配布している日々の記録帳に書き込ませます
忘れないように

すると後日余裕があるときに
そう言えばあれどうした?って手帳片手に一緒に学ぶ姿勢が出てきます

そう
教えるって発想ではない方が疲れませんし負担感を感じなくできます
リラックスして試してみてはどうでしょう?


ポートフォリオを読み返そう!

2012-03-13 21:22:42 | Weblog
とにかく週末に一度自分のポートフォリオを読み返しましょう
この研修で何を達成できていて
どの部分がまだまだ未完成なのか
それを知るいい機会になるはずです

もちろん指導医とポートフォリオを片手に面談するのはいい方法です

いろいろなアドバイスがもらえるでしょう

研修医同士でポートフォリオを持ち寄って話し合うのもいいですね

ぜひぜひもっと活用していきましょう

ルーブリックを確認しましょう

2012-03-12 18:57:35 | Weblog
研修医はひたすら日々の研修の記録をファイルすることの追われている
でも単なるファイリングとポートフォリオは違うっていうのが
最近の話題

その境はどこにあるのか?

京都大学大学院の田中耕治先生はこう表現している

資料の単なるファイルとポートフォリオは異なる
その分水嶺は評価基・規準の設定の有無にある

規準と基準は微妙に異なります

以前その意味を違いを表現しようとして
かなり苦労しました
教育学では早くから『キジュン(基準・規準)』問題として指摘されてたようです

規準は教育的な評価を目標に準じて行うことであり
その規準が量的・段階的な表現で示されたのが基準なのです

つまりどのように到達すればいいかを具体的に示せば
それが初めて基準になるということ

田中先生はこう記しています

『何々ができる』というのが『規準(づくり)』で
『どの程度の課題をどれくらいできれば合格』というのが『基準(づくり』である

英語で示すと
『クライテリオン(criterion)』が『規準』で
『スタンダード(standard)』が『基準』
このときに量的な指標なばかりでは考え方とか判断力まで評価しきれない可能性がある
そこで質的な評価として質的な『基準(づくり)』の方法論として出てきたのが
いわゆる『ルーブリック(rubric):評価指標』です

ルーブリックは今自分がどのあたりなのか
段階を示す指標だと思うのがいいと思います

この場合気づいてほしいことは
研修においてルーブリックを示すということは
指導医にも課題が課せられたことになるわけで
研修においてある一定レベルに達していない研修医がいれば
それは同時に指導できていないことを示すわけです

研修医も常々意識すべきルーブリックも
実は担当指導医が意識すべき内容になっているってことです

ということで
ぜひルーブリック
意識してみてください

では

指導医徒然日記 ~自分がドンキホーテに思える瞬間~

2012-03-11 22:00:54 | 指導医日記
先日もある教授から質問された
『なぜ本学ではポートフォリオで臨床研修の修了判定を行うのか?』
違う教授からも質問された
『これは厚労省の義務ですか?本学だけですか?』

その一方で未だに質問されるもっとも多い内容
『この到達目標は多すぎるからいけないのでは?』

何度でも説明するが
研修到達目標は厚労省が定めているもので
これを達成できるように研修環境を整え
指導評価を繰り返して
最終的に研修到達目標を達成したと判断して修了させるのが
臨床研修病院に課せられた使命である

『この研修到達目標が医師としての基礎的診療能力なのか?』
こう感じている方々はまさに『行動主義』的発想にとらわれていると言える

これもあれも全部できるように
一つずつ項目を掲げて
まるでステージを一つずつクリアしていくRPGのごとく研修していく
これが『行動主義』である

一方で
こんな風になれば医師としての基本的診療能力を修得したと考えるから
自分でその目標に向かって頑張るようにして
あとは細かいことは言わない
その代わりに証拠は見せてください
これが『構成主義』的発想であり
そのもっとも有用な学習ツールであり評価ツールが
『ポートフォリオ』であり『ポートフォリオ評価』である

だからこそ
『ポートフォリオ』には
研修医個々がどうやって自分で考えて研修のよりよい改善を行ったのかがわかるものでなければならず
またそれは証拠として挟み込まれていなければならない

このことを十分に理解していない指導医が研修医につくと
なぜポートフォリオを作らないといけないのだと疑問をもつ研修医を正しく導くことができない
もしこの指導医がかなり立場が上であったとする
たとえば医局もしくは病棟の責任者であると
残念ながらその研修医は淡々と日々与えられたものをこなすだけの研修をすることになる
さながらゲームの攻略本を片手に高得点を叩きだそうと奮闘する様に似る

研修医はとにかく早く医者になりたいと考える
でもその理想とする姿は素早く縫合したり的確な指示を出すといった表面的なことだけだろう
もし本当に研修医があこがれの指導医に近づこうと思えば
夜な夜な重傷患者の側から離れず
夜な夜な資料を集めてひたすら独学しているそんな姿を目の当たりにするはずなのである
そして
その一方で豪快に遊ぶ姿もみるだろう
そんな憧れの指導医に近づきたいと思い一生懸命側にいようと努力しても
本質的なことは学べないのである
誰も教えてくれない
自分で気づくしかないのである

最近よく思うのが指導医としての自分である
はたして自分はどっちの指導医なのか
もし研修医の憧れの医師であるのであれば
その指導医が薦める『ポートフォリオ』を自分なりに解釈して作ってくれるのではないか
少なくともよくわからないけど頑張って見せてくれるのではないかと

大学内でそれなりに知られた存在かもしれないが
研修医のための学習ツールが活用されない
このままではさながら自分が『ドンキホーテ』に思えてくる


確かに妄想癖があることは否定しない
でも夢を実現させるために今を頑張るとも思っている

今宵月下独酌なのだ


送別会のシーズン

2012-03-11 20:44:06 | Weblog
3月は送別会のシーズンです
研修医の先生方も送り出される側でもありますが
お世話になった指導医の先生方を送り出す側でもあります

仕事を終えたあとに
疲れていても参加しないといけないこともあるでしょう

でも
参加するときにはぜひ感謝の気持ちを忘れずに

そして無理しないで参加しましょう

指導医徒然日記 ~改善のための評価~

2012-03-10 11:34:23 | Weblog
『ポートフォリオが日本の大学を変える』
一般大学においてはこんな話も出ている

考えてみれば医学部だけは
試験の客観性を保持するために
進級試験や卒業試験さらには国家試験まで多肢選択肢試験である
つまり常に答えがそこにありその中から選び解答するのである

そのような学習法で育てられた医学生が研修医となり臨床に従事する
同じ病気でも似たような症状であっても表現が異なる患者が相手
しかも答えを用意などしてくれていない

『あなたが何をいいたいのかわからない』
思わずそんな事を感じている研修医がいるのかも知れない

ポートフォリオは
その作成を行いながら
自分の研修や学習を常に振り返り
自分で立てた目標にどれくらい近づいているのか
はたまた全く近づいていないのか
自分でズレを感じるところから始まる

研修医が『症例数をカウントすることすら煩わしい』という

そもそも症例をたくさん経験したいといい市中病院に出て行く研修医
その症例数すらカウントすることが煩わしい
たしかに数ではないといいたいのであろうが
その数を意識しているのは彼らではないのか
そう疑問を感じてしまう

今目の前にいる患者を診るときに
前にも似たような患者さんを診たぞ
と振り返ったときにとても大事な示唆を与えてくれる
それは何十例と経験したわけではない
たった1例かもしれないのだ

厚労省は症例レポートを義務づけたが
それは経験したという証拠の意味が強いが
本学が考えるところは違う
症例のサマリーを残しその余白に自分で調べたことをメモし
ときに資料を集めファイルしなかがら
ときに再構築して見やすくする

こんな一見煩わしい作業の繰り返しが学習になる

似たようなことを経験的に行ってきた我々と
すべての研修医がそのような学習法を習得するように計画されたかの違いである

それを迷惑と感じるのは若い証拠か

ポートフォリオを用いて評価することは
現時点での学習状況の確認であり
さらなる改善のための評価である
EvaluationではなくAssessmentであることを忘れては成らない

若いから仕方ないと思ってくれるのは今だけだろう

一般大学のように医学部も外部評価を受けるようになったとき
そんな甘いことは許されない

多摩病院臨床研修ニュース ~ポートフォリオ検討会~

2012-03-09 20:35:38 | お知らせ
ポートフォリオ評価の集大成であるポートフォリオ検討会が多摩病院で開催されました

臨床研修においては研修到達目標を意識すること
さらに研修医が到達目標を意識しながら自分のキャリアデザインに合わせて
その到達するための研修スケジュールを立てること
この二つが非常に重要です

もし研修医が単に研修修了のみを意識して
形ばかりのポートフォリオ作りを行ったとすれば
それは折角の成人学習理論や構成主義的な観点ではじまったポートフォリオ評価も
全くその成果が発揮されずに終わるでしょう

近年注目されているアウトカム基盤型カリキュラムですら
きちんと理解されず「行動主義」的に解釈されています
充分に理解されないままポートフォリオを使っても
決められた項目を見た・聞いた・触れたとチェックするだけのチェックリストと同じ

このような研修医や指導医から見れば
ポートフォリオは研修到達目標の評価表を束ねるだけ
つまり紙の無駄なのでしょう

事実
本学の研修医ですらそのような傾向が一部にあります
もちろん研修医だけでなく指導医にもまだ根強く残っています

世界で注目されているポートフォリオ評価は
ポートフォリオを作る過程において
研修医の学習の姿を
指導医と研修医自身が把握すること
さらに
研修医の自己評価力(つまり内省的・省察的な力)を指導医が養っていく機会を
構造的に体系立てていくアプローチです

そのために
定期的に研修医が自分のポートフォリオの中身を整理して再構築することが重要で
そのポートフォリオについて
指導や評価に関わる関係者も含めたこのような検討会が大切となります

それ故
ポートフォリオ検討会では
なぜこのポートフォリオを作ろうとしたのか
研修医それぞれがきちんと理解しながらプレゼンできなければいけません

そういう意味で
はじめての検討会は重要な意味があったと感じます
まだまだ難しい
理解されるには時間がかかる
それが第一印象です

昨年までの発表会は単なる研修の感想を述べるものであったと言えます
だからこその今回の検討会でした

残念ながらその主旨に反する内容となり
正直満足のいくものではありませんでした

本学の研修におけるポートフォリオ評価道のりがほど遠いことを実感させられました

おそらく
本当に彼らは他の施設で学ぶよりも多くの診療手技や知識は学ぶことができたでしょう
しかし
大切な専門職としての重大な何かを充分に理解することができないまま
医師としての第一歩を踏み出すことになってしまったのではないか
指導医として非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです

一方で
それでも
質的な評価
真正の評価としてのポートフォリオ評価を行っているからこそ
指導医としてこのように反省をこめて感じることができたのだと受け止めています
これを糧に今後さらなる指導に役立てていきたいと思っています

そう気づかせてくれた研修医諸君に感謝します